紫蘇は昔々、中国で蟹を食べて食中毒となり死にそうになっていた少年を
旅の名医が紫蘇の葉を煎じて飲ませたところ命が蘇(よみがえる)ったことから
紫の葉が命をよみがえさせるとして「紫蘇」(しそ)と名付けられたのです。
以来、鮮魚や蟹の毒を解毒する薬草として青しそが脇に添えられ
現在では刺身や天婦羅の薬味として広く使われるようになったのです。
そんな青紫蘇が今、家庭菜園でたくさん採れる時期ですが
そのまま放置しますと葉が堅くなり折角の紫蘇の風味を損ねてしまいます
柔らかい若葉のうちに美味しく食べたいものです
青しその葉の裏側にぺリルアルデヒドと言う特有の香りが詰まった腺驎(せんりん)と呼ばれる小さな金色に輝く琥珀のよな粒々があり
1枚の葉に1300個もの香りの成分がギッシリ詰まっている
腺驎は同じ紫蘇科のミントやバジルにもある
葉を軽く触るだけで手に心地よい紫蘇の香りがほのかにする、1分もすると手についた匂いはまったく無くなってしまう。
香りは揮発性で葉の裏側をなでるだけで潰れて香りが蒸発する
そのため葉は丁寧に鋏みを使つて収穫するとより香りを持続させることができる。
青しそには独特な香りがあるため虫がつきにくいが「ハスモンヨトウ」の幼虫だけは葉を好んで食べるため
周囲に葉を食べた痕跡がある場合は葉の裏をよく確認する必要がある。
青しその洗い方は、水を入れたボウルで軽く3~4回すすぐ程度で十分だ
後は葉の裏を刺激しないようしっかりと水切りをすることが大切である
(1) 青しそ醤油漬け(七味唐辛子入り)
醤油200ml,酒100ml,みりん150ml,ラー油又はゴマ油150ml,七味唐辛子を少々、
辛口や甘口を好む方は七味唐辛子や醤油、砂糖を適度に加えて紫蘇ドレッシングを造る
タッパーか瓶に青紫蘇を敷き詰めて紫蘇ドレッシングで全体を浸す程度に入れ1日~2日程度、冷蔵庫に入れば出来上がり
(2) 青しそラー油漬け(青紫蘇とラー油は相性抜群)
タッパーに青しそを敷いて適量のラー油を入れて少量の豆板醤かオイスターソースを加え冷蔵庫に入れて1日~2日程度でできあがり
3) 青しそ寿司酢漬け
タッパーに青しそを敷いて適量の寿司酢に漬け少量の豆板醤かコチュジャンを加え冷蔵庫に入れて1日程度でできあがり
(4) 青しそソース
牛乳200ミリリットル(牛乳瓶1本分)をミキサーに入れ、青紫蘇8枚~10枚程度をミキサーにかけ青紫蘇が細かくなるまで粉砕する。
青紫蘇を粉砕すると香り成分が外に出て牛乳には脂肪があるので脂溶性の紫蘇とよくマッチする
好みによって香辛料を加えるだけでパスタのソースやババロアなどのソースとしてそのまま美味しく頂ける
(5) 和風青しそ香りソース
材料:青しそ20枚、絹ごし豆腐120g(1/2丁)、マヨネーズ30g、白味噌15g、練りゴマ10g、レモン汁10g
ミキサーで青しそがすりつぶされるまで粉砕する
焼きなすや温野菜、アスパラガス、ブロッコリー、お刺身の上の和風青しそ香りソースを乗せれば美味・絶品である。
上記の(4)&(5)は昨年の9月に NHKの「ためしてカッテン(青しそにまさかの裏技)」で放映されたレシピを控えていたので我が家でも実際に試してみました、美味しかったです。
(6) 青しそニンニク醤油漬け
青しそを5枚程度タッパーや瓶などに敷き、スライスか千切りにしたニンニクを散らし醤油を入れ
後は青しそ、ニンニク、醤油と繰り返して積み重ね、冷蔵庫に入れて1日~2日程度でできあがり
青しそがたくさん採れれば継ぎ足しにニンニクと醤油を交互に注ぐだけで冷蔵庫で長期間保存が可能
好みによっては豆板醤か七味唐辛子を入れるとピリ辛を味わえる
我が家は「青しそニンニク醤油漬け(七味唐辛子入り)」が一番の人気者です。
おにぎりに海苔のように巻いたり、お弁当に入れたり
半分に切ったものを暖かいご飯にくるんで食べたり
何枚かを刻んで、少し醤油を絞ってからおにぎりの具にしたりしても良いでしょう
ピリ辛漬けを好む方は、ラー油や七味唐辛子、コチュジャンか豆板醤を使い又、味を引き立たせるにはオイスターソースを加えても良いでしょう。
薄口醤油も良いが減塩を好むのであれば昆布醤油のような減塩(9%程度減塩)物を使うと塩分控えめで美味しさも倍増する
冷蔵庫に入れて長く保管すれば色は濃くなるが、蓋をして保存すれば味には変化が無い
青しそは昔から解毒作用や殺菌力があり冷蔵庫で3~4ヶ月は十分に保存できる。
ただ、美味しいので毎日食べていると無くなってしまうので、それまで持つかどうかは保障できない。
青しそは別名「大葉」とも言われますが植物名ではなく
刺身や天婦羅のつまにするための呼び名で昭和36年ころに静岡の「つま物生産組合」が青紫蘇の葉を「大葉」として出荷したのが始まりです
あなたの街では別名なんと呼んでいるのでしょうかね?・・・
紫蘇を「野荏」(のらえ)や「糖荏」(ぬかえ)と呼ぶ地方もあるようです。
是非、美味しい食事の友に青しその醤油漬けを作ってみてください、きっと自家製の美味しい珍味を味わえることでしょう。