て槍以上に恐ろしいものになります」
村井は真剣な顔で信行にこう告げる。
「ですから予断は許さぬかと」
「とはいっても具体的に何をするかというと」
「それはどうもわかりませぬな」
「兄上を頼りにされてもいるしな」
「しかしあの方は癇の強い方です」
武井は義昭のその気質をもう見ていた。まさにその通りだった。
「それがよからぬ方向にいかねばよいですな」
「そうじゃな。あの方からも目が離せぬな」
信行は義昭にも危ういものを感じていた。それで目を離さないようにした。都でもまた織田家は政を行っていた。そうしていっていたのである。
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第九十八話 満足の裏で
都に信長の邸ができると聞いた義昭は満足して幕臣達に述べた。
「これでよいのじゃ」
「織田殿のご邸宅が都にあること」
「それがですな」
「うむ。そもそも都におらぬのはどういう了見じゃ」
このことも言う義昭だった。
「わしの臣じゃぞ。それなら都におるのが道理であろう」
「いえそれは違うかと」
細川が眉を顰めさせて言う義昭に述べた。
「織田殿は今や十六の国を治める方ですから」
「己の領地におらればならんか」
「ですから」
「左様か。仕方ないのう」
「はい」
「だから美濃におるのじゃな」
信長の今の拠点であるそこからだ。信長は領地の政を行っているのだ。
「全く。そうしたこともまた都でできるであろうに」
「織田殿には織田殿のお考えがあるのでしょう」
細川はまだ不満を見せる義昭にこうも告げた。
「ですからそれ程仰っても」
「意味がないと申すか」
「お言葉ですが」
「わかった。では言わぬ」
義昭は憮然としながらも細川の言葉に頷いた。そうしてだった。
彼はその細川に今度はこう言った。その言うこととは。
「して御主のことじゃが」
「それがしですか」
「御主の嫡男の婚姻じゃが」
「息子はまだ幼いですが」
「しかしそうした話が出ているそうじゃな」
「出てはいます」
それはそうなっているとだ。細川も答える。
「そしてその相手ですが」
「御主の娘じゃな」
今度は明智を見てだ。義昭は言った。
「それは」
「はい、そうです」
明智は頭を垂れて義昭の問いに答える。
「それがしの三番目の娘ですが」
「何でも随分と愛らしい娘の様じゃな」
「いえ、それは」
「ははは、隠さずともよい」
それはだとだ。義昭は笑って明智に返した。
「特に悪い話ではないではないか」
「それはそうですが」
「ではその話じゃが」
「はい」
「わしはよいぞ」
婚姻を結んで構わないというのだ。細川家と明智家は。
「よい夫婦になるようにと二人に告げよ」
「有り難きお言葉。それでは」
「そうさせて頂きます」
二人も義昭の言葉に応える。
「これより我等はさらに強い絆で結ばれました」
「家同士もまた」
「よいぞよいぞ。しかし御主の娘となるとまだ幼いと思うが」
それでもだとだ。義昭はこうも言うのである。
「それでもそれだけ愛らしいのじゃな」
「いえ、それは」
明智らしくだ。ここは謙遜で返した。
「全く。いやまことに」
「だから隠さずともよい」
義昭はまた笑って明智に話す。
「確かなことであるからのう」
「だからだと申されるのですか」
「そうじゃ。しかし幕府もこれからじゃな」
これからどうすべきかとだ。義昭は上機嫌で言うのである。
「よい感じに力を取り戻すのう」
「幕府がですか」
「その力をですか」
「あの義満公の時の様にな」
足利幕府の極盛期の時の将軍だ。皇