らに話した。
「しかしそれからじゃ。戦もすれば政もしたのう」
「やれることは何でもさせて頂きました」
「どれもそつなく。しかも非常に見事じゃ」
そこも見たのだ。松永の戦や政の才をだ。
「天性のものではないにしてもよくやっておる。才はある」
ならばだというのだった。松永自身に対して。
「わしは才ある者を使う」
「ではですか」
「まさかまことにその者を」
「そう仰るのですか」
「だから待つのじゃ」
信長は再び家臣達に告げた。ここではとかく彼を抑える信長だった。
そのうえでだ。まただった。
彼はだ。松永に対して言った。
「じゃが御主は罪が多い。だからそうおいそれとはじゃ」
「では」
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ここでだ。すっとだった。松永はあるものを出してきた。それは。
茶器だった。茄子の形に似た古い茶器だ。それを見てだ。
松井と村井がだ。血相を変えて信長に言った。
「殿、これはです」
「まさかとは思いますが」
「あの本朝無双の茶器」
「九十九茄子ではありませぬか」
「これがか」
信長もだ。その目を鋭くさせている。
そのうえでだ。こう言うのだった。
「わしも噂には聞いておったが」
「実際に御覧になられたことははじめてでしたか」
「御主が持っておるとは聞いておった」
松永を見てだ。そのうえでの言葉だった。
「だが。それでもじゃ」
「左様ですか。しかしです」
「この九十九茄子をわしに献上するというのじゃな」
「はい」
その通りだとだ。松永も答える。
「そうさせて頂きます」
「してか」
「願わくば織田家に」
「話はわかった」
ここまで聞いてだ。あらためて言う信長だった。
だが返答はしない。しかしだ。
信長にだ。池田が怪訝な顔で言ってきた。ここでも言う彼だった。
「殿、九十九茄子はそれがしも知っておりますが」
「それでもじゃな」
「何にせよ相手が悪過ぎます」
松永を警戒する目で見つつだ。実際に身構えながら言う彼だった。
「ですから」
「ふむ。他の者はどうじゃ」
こう問うとだ。まさに誰もがだった。
「それがしも勝三郎と同じ意見です」
「それがしもです」
「同じくです」
殆ど全ての者が言ったのだった。松永は危険だとだ。
例え天下の茶器が目の前にあってもだ。それでもだというのだ。
しかし信長はその茶器を見てだ。こう言うのだった。
「この九十九茄子は天下の名器じゃ」
「平手殿が見れば驚かれて腰を抜かされるでしょうな」
蜂屋は平手もまた茶に通じていることから述べた。
「本当にあったのかと」
「それだけの価値がある。それにじゃ」
「それにですか」
「そうじゃ。茶器は命じゃ」
信長は言った。茶器はまさにそれだとだ。第七十六話 九十九茄子その五
「御主達も行け」
「してそこで筒井殿達と合流して」
「そのうえで」
「攻めるのじゃ。そうせよ」
滝川に対して命じた。そうしてだ。
信長は彼にだ。こんなことも述べた。
「兵は一万を超える」
「多いですな」
「しかし三好はおそらく五万程じゃ」
その三好の兵も話した信長だった。
「摂津、河内、和泉の兵に加えて讃岐に阿波、淡路の兵も入る」
「四国の兵もですな」
「さすればそれだけになる」
まさに三好の総力、それを合わせばそうなるのだった。
「それに対して我等は六角の兵じゃった近江の兵に山城の国人や三好から下った兵も入れて六万五千」
「それに加えてです」
林が主に話す。
「若狭、丹後の武田殿と一色殿の兵」
「して播磨じゃな」
「かつ大和の兵を入れまして」
「九万といったところじゃな」
「尾張、美濃に残している兵も入れて九万五千位になります」
「増えたのう。兵の数でも三好を大きく引き離した