Life in the Lone Star State -74ページ目

シンジケートローン契約(Vol.14) 

第14回は引き続き強制期限前弁済事由について見てみます。

5. Debt and Equity Issuance

借入又は株式等の発行により資金を新たに調達した場合に、その一定割合を貸付債権の弁済にあてる事を義務付けるものです。株式(equity)の発行が制限されることは稀ですが、借入(debt)制限はnegative covenant 又はleverage ratioという形で規定されるのが一般的です。

Debtが増加すると、借入人の財務状況は悪化し、倒産リスクも高まるわけですから、既存の貸付人としては借入人が勝手に新規借入をして負債を増大させることについては受け入れ難いわけですが、他方でEquityが増加することは貸付人にとってはデメリットはあまりなく、むしろ会社のお金が増えることで貸付債権の返済原資も増えることになりますから、これを禁止する必要はないということになります。

従って、借入の場合は、コベナンツの制限に違反しない範囲で新規借入を行った場合であっても、借入額の一定割合を強制的に既存の貸付債権の弁済にあててくださいということになります。他方で、Equityの場合は、理論的には強制期限前弁済を求めなくてもよさそうですが、余剰資金があるなら少しでも借金を減らしてくださいという貸付人側の要望に基づき、強制期限前弁済事由として規定されることになります。

なお、具体的な資金使途があって資金調達をする場合には、強制期限前弁済の適用除外事由として規定しておくことで対応します。


6. Excess Cash Flow/ Cash Sweep

会社が利益を上げて、余剰キャッシュが生まれた場合には余剰分を留保せずに貸付債務の弁済にあてることを義務付けるものです。

何が「余剰」なのかという点が、常に貸付人と借入人の間で議論になる点ですが、LSTAではExcess Cash Flowを次のとおり定義しています。

“Excess Cash Flow” means, for any period, the excess of (a) EBITDA for such period over (b) the sum of (i) Capital Expenditures made during such period plus (ii) the aggregate amount of Debt Service for such period plus (iii) the Tax Payment Amount for such period plus (iv) any decreases (or minus any increases) in Working Capital from the first day to the last day of such period.

借入人のEBITDAから、必要となる経費(設備投資、税金、返済元利金、運転資金の減少分等)を差し引いたものを「余剰」とみなすというコンセプトです。借入人としては当然この控除すべき項目をなるべく増やしたいと考えるわけです。なお、期中に任意期限前弁済がなされた場合にも、その額だけ強制期限前弁済の額は減額されるべきと考えられています。

残る2つは次回に。