シンジケートローン契約 (Vol.15)
第15回は残る2つの強制期限前弁済事由についてです。
7. Change of Control
借入人にChange of Controlが生じた場合に貸付債権の全額の強制期限前弁済を義務付けるものです。実質的にはEvent of Defaultと同じ効果が発生することになります。実際、かつてはChange of ControlはEvent of Defaultとして規定されていたようですが、必ずしも借入人がコントロールできる事由ではないので、借入人のDefaultと扱うよりは単なる強制期限前弁済事由とした方が借入人にとってFavorだという理由で、現在では強制期限前弁済事由に規定されることが多いようです。
この事由が強制期限前弁済事由に規定されている理由は、 “know your customer” ruleという銀行業務における大原則に由来していると説明されています。「顧客を知る」ということには、誰が顧客をコントロールしているのかを知ることも当然含まれるわけであり、それが変わった場合には、貸付人としては知らない顧客に融資はできないということで、融資額全額を引き上げたいと考えるわけです。こちらの実務では “KYC Documents”という表現がよく出てきますが、融資取引においては、これは借入人の素性を知るために貸付人が要求する書類のことを総称したものです。
8. Currency Adjustments
Multicurrencyのシンジケートローンの場合、融資実行後の為替変動により融資額が融資枠の総額を超えてしまう場合が考えられ、そのような場合に超過額の強制期限前弁済を求めるという規定です。
例えば、1億ドルの融資枠が設定されたローン契約で、ドル建て又は円建てでの借入が可能という建付けだったとします。そして、ローンの実行時点の為替レートが1ドル=100円だったとして、ある実行日に5000万ドルの貸付と50億円の借入を行ったとします。この時点で、借入人は融資枠を満額使っていることになります。
その後、為替変動により、1ドル=80円になったとすると、50億円の貸付債権はドルベースに換算すると、50億円×1/80=6250万ドルで、5000万ドルの貸付と合わせると1億1250万ドルとなり、1250万ドルの超過が発生していることになります。そこで、このような場合には、1250万ドル相当の債務を期限前弁済してくださいということになるわけです。
この計算をどのタイミングでするかというのは、四半期に1回だったり、借入の度に行ったりと契約によって異なります。また、上記の例では融資枠を少しでも超過したらダメという構成ですが、小幅の為替変動は許容範囲ということで、例えば融資枠の105%を超えた場合は105%を超える部分について弁済義務を負わせるといった建付けも考えられます。
なお、各通貨ごとに融資枠の上限がその通貨ベースで規定されている場合は、当然この規定は適用されません。
7. Change of Control
借入人にChange of Controlが生じた場合に貸付債権の全額の強制期限前弁済を義務付けるものです。実質的にはEvent of Defaultと同じ効果が発生することになります。実際、かつてはChange of ControlはEvent of Defaultとして規定されていたようですが、必ずしも借入人がコントロールできる事由ではないので、借入人のDefaultと扱うよりは単なる強制期限前弁済事由とした方が借入人にとってFavorだという理由で、現在では強制期限前弁済事由に規定されることが多いようです。
この事由が強制期限前弁済事由に規定されている理由は、 “know your customer” ruleという銀行業務における大原則に由来していると説明されています。「顧客を知る」ということには、誰が顧客をコントロールしているのかを知ることも当然含まれるわけであり、それが変わった場合には、貸付人としては知らない顧客に融資はできないということで、融資額全額を引き上げたいと考えるわけです。こちらの実務では “KYC Documents”という表現がよく出てきますが、融資取引においては、これは借入人の素性を知るために貸付人が要求する書類のことを総称したものです。
8. Currency Adjustments
Multicurrencyのシンジケートローンの場合、融資実行後の為替変動により融資額が融資枠の総額を超えてしまう場合が考えられ、そのような場合に超過額の強制期限前弁済を求めるという規定です。
例えば、1億ドルの融資枠が設定されたローン契約で、ドル建て又は円建てでの借入が可能という建付けだったとします。そして、ローンの実行時点の為替レートが1ドル=100円だったとして、ある実行日に5000万ドルの貸付と50億円の借入を行ったとします。この時点で、借入人は融資枠を満額使っていることになります。
その後、為替変動により、1ドル=80円になったとすると、50億円の貸付債権はドルベースに換算すると、50億円×1/80=6250万ドルで、5000万ドルの貸付と合わせると1億1250万ドルとなり、1250万ドルの超過が発生していることになります。そこで、このような場合には、1250万ドル相当の債務を期限前弁済してくださいということになるわけです。
この計算をどのタイミングでするかというのは、四半期に1回だったり、借入の度に行ったりと契約によって異なります。また、上記の例では融資枠を少しでも超過したらダメという構成ですが、小幅の為替変動は許容範囲ということで、例えば融資枠の105%を超えた場合は105%を超える部分について弁済義務を負わせるといった建付けも考えられます。
なお、各通貨ごとに融資枠の上限がその通貨ベースで規定されている場合は、当然この規定は適用されません。