Life in the Lone Star State -62ページ目

シンジケートローン契約 (Vol.20)

第20回はCPの1つでもあり、融資取引における弁護士の重要な役割の1つでもあるLegal Opinionについてです。

4    Legal Opinionの提出

融資取引におけるLegal Opinionというのは、当該融資取引に関する借入人及び融資契約等についての法的有効性に関する借入人側の弁護士が作成する意見書のことで、アメリカにおける融資取引ではほぼ必ずといっていいほど要求される書面です。

具体的な内容としては、当事者である借入人に関して、①有効に設立されかつ存続する法人であること、②今回締結する融資契約等の一連の契約を締結する権利能力を有していること、③当該融資取引が借入人の内部において有効に承認(authorize)されていること、④今回の融資取引を行うことが関連法令に違反、抵触しないこと、⑤今回の融資取引を行うために必要な一切の許認可を取得していること等が一般的に要求される内容です。また、融資契約等の一連の関連契約については、①適法性(legality)、②有効性(validity)、③拘束性(binding effect)、④履行強制可能性(enforceability)を有していること等が一般的に要求される内容です。

貸付人が借入人側の弁護士に対してLegal Opinionを要求する理由としては、以下のような理由が挙げられています。

①仮に締結されたいずれかの契約が無効と判断された場合に、借入人側の弁護士に対して被った損害の賠償を求めることができる。

②Legal Opinionの提出が求められることで、借入人側の弁護士としては借入人のCapacity及び契約のEnforceability等についてより精緻に検討するIncentiveが発生する。

③金融機関の監督官庁は、金融機関が融資取引を行う際にLegal Opinionを取得した上で取引を実施していることを期待している。

④契約締結後に借入人が契約の無効等を主張して争ってきた場合に、借入人側の弁護士のLegal Opinionがあることは有効性を主張する強力な根拠になる。

そして、このLegal Opinionがどのタイミングで提出することになるかというと、融資の実行日というのが大半のようですが、最近は、融資契約の調印日(又は効力発生日)に求めるという実務も増えつつあるようです。

実質的な内容については、契約締結段階で合意できているのが理想的で、そのような場合には、融資契約の別紙で様式を添付するというやり方が採られています。ただ、実務上は、契約書の作成で手一杯でOpinionについてはその後ということで、大体の内容だけ合意しておいて、細部は契約締結後融資実行前までに詰めるというやり方も多いと思われます。そういう場合は、「貸付人が合理的に満足する内容のLegal Opinionの提出」をCPと規定することで、一定の縛りをかけておくことになります。

次回も引き続きLegal Opinionについて書きます。