シンジケートローン契約(Vol.29)
第29回は、各論の(i) Organization, Existence, Power, and Qualification to do businessについてです。この4つは借入人の法的存在及び能力を確認する基本的な表明保証です。この辺りはCPの回でも少し触れていますが、もう一度ここで書いておきます。
“Organization”というのは、有効にその法人が組織されているということの表明保証です。(ここでは自然人の借入人というのは想定されていません。)corporationの場合は “due incorporation”、partnershipやLLC(Limited Liability Company)の場合には “due formation”という文言を使います。アメリカの場合、partnershipにも法人格が認められるという点は日本法と異なる点です。具体的な手続きとしては、Corporationの場合には、定款の作成に加えて、Bylawの承認、役員の選任、株式の発行、資本金の払込等が、Partnershipの場合は、パートナーシップ契約の締結と出資金の払込等がそれぞれ必要なとなります。
次に “existence”というのは、その法人が組織された当時と同じ法人格を有したまま存続しているという点の表明保証です。この表明保証では、 “validly existing and in good standing”という表現が使われることが一般的です。この “good standing”というのは日本には同様の概念はありませんが、これはその法人が必要なannual reports (年次報告書)及びtax returns(納税申告書)を提出しているということを意味しているそうです。こちらではCertificate of Good Standingという各州の所轄の行政庁が出す証明書がありますが、これは必ずClosing Documentsになります。
“Power”というのは、契約を締結する権能及びがあること及びその法人が従事しているビジネスを行う権能があることの表明保証です。日本同様、銀行業務や保険業は一定の要件を満たした法人にしか認められていない業務ですし、また生命保険会社は子会社の債務の保証人になることが認められていない州もあるようです。したがって、これらの制限がないということを確認する必要があることになります。
なお、契約を締結するという場合、 “execute, delivery and perform this Agreement”というのがお決まりの文言ですが、この “delivery”という概念は日本法上ありません。これは、借入人が署名した契約書を貸付人に交付するという物理的な行為を意味します。アメリカ法上はこれが必要なようです。ただ、実際には契約の調印日時点ではサインページのPDFを電子メールで回付するという方法で確認しているので、物理的なDeliverがなくとも融資実行はするというのが実務の通例のようです。
“Qualification to do business”というのは、上記の “Power”の内容と紛らわしいですが、その法人がある特定の州で業務を行う法的権利があるかというものです。これは日本では関係ない議論ですが、設立した州と異なる州で業務を行う場合に問題になります。例えば、デラウェア州で設立した会社は、ニューヨーク州やニュージャージー州ではそこで業務を行うことの認可を受けない限り業務を行うことができないとされているようです。要はここで業務をしたいなら税金を払えという話のようで、正式に認可を受けて税金を納めればこのQualificationが認められるようです。
これに関連して、多くの州では “Door-closing statutes”という条項を置いており、これはその州で認可を受けていない法人はその州の裁判所において相手の契約違反を訴えても、裁判所はその不認可法人のために履行を強制する決定を出さないというものです。事後的に認可を取ればこの条項は適用されなくなるようですが、ただ遡って税金も納めなければならないようで、やはり司法サービスを受けたいなら税金を払いなさいというのが立法趣旨のようです。
“Organization”というのは、有効にその法人が組織されているということの表明保証です。(ここでは自然人の借入人というのは想定されていません。)corporationの場合は “due incorporation”、partnershipやLLC(Limited Liability Company)の場合には “due formation”という文言を使います。アメリカの場合、partnershipにも法人格が認められるという点は日本法と異なる点です。具体的な手続きとしては、Corporationの場合には、定款の作成に加えて、Bylawの承認、役員の選任、株式の発行、資本金の払込等が、Partnershipの場合は、パートナーシップ契約の締結と出資金の払込等がそれぞれ必要なとなります。
次に “existence”というのは、その法人が組織された当時と同じ法人格を有したまま存続しているという点の表明保証です。この表明保証では、 “validly existing and in good standing”という表現が使われることが一般的です。この “good standing”というのは日本には同様の概念はありませんが、これはその法人が必要なannual reports (年次報告書)及びtax returns(納税申告書)を提出しているということを意味しているそうです。こちらではCertificate of Good Standingという各州の所轄の行政庁が出す証明書がありますが、これは必ずClosing Documentsになります。
“Power”というのは、契約を締結する権能及びがあること及びその法人が従事しているビジネスを行う権能があることの表明保証です。日本同様、銀行業務や保険業は一定の要件を満たした法人にしか認められていない業務ですし、また生命保険会社は子会社の債務の保証人になることが認められていない州もあるようです。したがって、これらの制限がないということを確認する必要があることになります。
なお、契約を締結するという場合、 “execute, delivery and perform this Agreement”というのがお決まりの文言ですが、この “delivery”という概念は日本法上ありません。これは、借入人が署名した契約書を貸付人に交付するという物理的な行為を意味します。アメリカ法上はこれが必要なようです。ただ、実際には契約の調印日時点ではサインページのPDFを電子メールで回付するという方法で確認しているので、物理的なDeliverがなくとも融資実行はするというのが実務の通例のようです。
“Qualification to do business”というのは、上記の “Power”の内容と紛らわしいですが、その法人がある特定の州で業務を行う法的権利があるかというものです。これは日本では関係ない議論ですが、設立した州と異なる州で業務を行う場合に問題になります。例えば、デラウェア州で設立した会社は、ニューヨーク州やニュージャージー州ではそこで業務を行うことの認可を受けない限り業務を行うことができないとされているようです。要はここで業務をしたいなら税金を払えという話のようで、正式に認可を受けて税金を納めればこのQualificationが認められるようです。
これに関連して、多くの州では “Door-closing statutes”という条項を置いており、これはその州で認可を受けていない法人はその州の裁判所において相手の契約違反を訴えても、裁判所はその不認可法人のために履行を強制する決定を出さないというものです。事後的に認可を取ればこの条項は適用されなくなるようですが、ただ遡って税金も納めなければならないようで、やはり司法サービスを受けたいなら税金を払いなさいというのが立法趣旨のようです。