その翌日、俺は熱を出した。
昨日眠かったのは、風邪で怠かったからか……
昨日のことを思い起こす。
冷静になってみると、昨日拒まなかった自分が怖くなる。
いや拒むもなにも、何もなかったけど。
普通に女の子としか付き合ったことないし、好きになったこともない。
なのにどうしてあんなに…
あんなに自然と馴染んだんだろう
今思い返せば、グァンジンの気持ちはいつでも気付くことができたし、
もっと早めに距離を置くこともできた
なのに____________
考えるだけで、苦しくなった
できることなら、今は、グァンジンのことは考えなくなかった
しばらく置いておきたい
不幸中の幸い、風邪は悪化し学校を2日休んだ。
いつもなら、「風邪引いた?大丈夫?」なんてメールが来るけど、
さすがに今回は来なかった。
その次の日から長期休みが始まり、グァンジンと会うことはしばらくなくなった。
そして、その長期休みが終わる3日前に、突然電話が来た。
画面には、グァンジンからと表示されている。
出ようとして、戸惑う
持ちかけたケータイを、またテーブルの上に置いた。
______全く連絡せずの一ヶ月
今どんな思いで連絡して来てるんだろう
今出なければ、もう距離は開いたままな気がする
でも、出る勇気なんかない
本気で、ひたすら、怖かったんだよ
……堕ちてく自分のことが。
応答を待つあいつの顔を想像しようとしてやめた
しばらくすると、音が止まった
さっきまで張りに張っていた気が抜け、その場に座り込む。
グラスに入ったミネラルウォーターが目に入る。
グラスを滑り落ちていく水滴を見て、
しばらく思考回路を止めた
ふと、ぼーっとした頭で、ケータイを手に取ってみる。
虚ろな目で俺は、
ケータイをグラスの中に落とした
「ヒョプどこ行くの?」
玄関へ向かう俺にふと母さんが声を掛ける。
「…………ケータイ、買い換えてくるわ」
あいつに新しいアドレスは教えなかった。