それから、学校が始まっても俺たちが話すことはなかった。
目が合えばそらした。
友達との会話であいつの話題が出れば席を外した。
もうどうすればいいか分からなくなってた
とにかくもっと距離を置きたかった
あからさまに、避けて
もっと俺を嫌いになって欲しかった
そしたら罪悪感もなく、避けていられるから
そんな身勝手な理由で、
俺たちは卒業しても言葉を交わすことはなかった。
「おい、ヒョプ?」
店長に呼ばれ、ハッと回想から帰る。
俺は慌てて途中だったCD棚の整理を再開する。
「…じゃ俺行くから、頼んだぞ」
「え、もう行くんですか!世界一周!」
「俺は行動派だからな☆」
そうウインクしてくる店長に無責任だなーと冗談ぽく突っ込むと、
「だから頼れそうな店長代理連れて来たろ?」
なにも知らない店長が誇らしげに言う。
あいつの話題になると、喉が狭くなるように縮んで痛む
あの日から今も、ずっと
「……彼とは知り合いなんですか?」
「ああ、ダチの弟の?ダチ?とかそのへんの」
「そうなんすか……」
「じゃ、そろそろ俺行くから、仲良くしろよ」
「……下まで見送りますよ」
店長を見送ると、少し深めに息を吸って、仕事に戻る。
………仕事だし。
あいつもきっと声を掛けて来ないだろうし、とにかくもう3年も経ってる
時の流れで誤魔化してずるいかもしれないけど、
でもいつまでも意識してるのもおこがましいだろ
それに何より、今の俺にはフンがいるんだ
今のあいつにもきっと誰かがいるよ
今更、なにも変わらない、きっと
ちゃんとやろう
あいつとのことは忘れるんだ
このまま仕事を終え、フンと家へ帰ろう
気を取り直して、裏口に向かう。
するとドアの前でフンとグァンジンが何やら話していた。
あの2人がなんで……?
無意識に物影に隠れていた。
2人が話してると、なんとも居心地が悪い。
なんの話をしてるんだろう______
「……こんなとこにいたんだ」
「ごめんグァンジン……」
「謝る必要なんてないよフン」
「え…」
「………俺のうちにまた戻ってくれば、全て解決することじゃないか」
________グァンジンの家に……戻る……?
『……一緒に、住んでる人がいて』
そんなフンの昔の言葉がフラッシュバックする。
まさか……違うよな……?
だってそれ彼女じゃ……
『なんか…誘われるままっていうか、昔からなんか自分フラフラしてて、うちに来なよって言われたんで、一緒に住んでて、半年くらい前から』
記憶がどんどんフラッシュバックしていく。
付き合ってたのかと尋ねると
『正式にではないけど…まぁそんな感じです』
フンはそう答えてた。
________フンがその人を女の子と言ったことは1度もない____________
心臓が破裂しないかと言うほどに音を立てて耳に響く。
頭から血の気が引く。
フンが
グァンジンが
俺の知らないところで
そんな過去があったなんて