一日のバイトを終え、帰宅した。
家はそこそこ綺麗なマンション。
というのもそもそもこのマンションは親が買ったもの。
俺の住む部屋以外は賃貸で貸し出している。
というわけで家賃がない分、バイトで食えている。
おとうさまおかあさまありがとう。←
ちょっと前までは割と本格的にバンドを組んでたから
メンテナンスやらライブ費用やらかなりかかってたけど
そのバンドももう解散してしまった。
あーあ…また最初っからメンバー探しだわ…
マンションのエントランスに入ろうとしたその時…
「わ、雨」
突然の大雨。
セーフ、コンビニ寄って帰らなくてよかった危うく濡れるとこだった…
…あれ
俺3階の窓閉めたっけ?
3階…教本もバンスコもCDもある
窓から入った雨に濡れたら_______
俺は走って電車に乗り、楽器屋まで戻った。
合鍵で裏口から3階に上がる。
商品まで濡れてたら店長に何言われるか……
怒る髭面を想像して震えた。
しかし幸いまだ床が濡れた程度だった。
風向きに救われたみたいだ。
俺は雑巾でしっかりと拭き、今度は表口から楽器屋を出た。
背を向けた店のシャッターを何気無く振り返ってみる。
するとそのシャッターの前になにやら黒い影が見えた。
……え、こんな時間に誰だよ怖いよ…
恐る恐る目を凝らすと_____
「………チャフン!?」
そこにいたのは、シャッターの前でフードをかぶり、ずぶ濡れで体育座りをするチャフンだった。
「ちょっとこんなとこでこんな時間になにやってんの!」
「す……いえ……かえれな…」
雨水が滴る前髪が震えていた。
とりあえず俺が着ていたジャケットをチャフンに被せた。
するとチャフンがまた口を開いた。
「家…追い出されて…帰るとこなくて…なんかふらふらしてたらなんか眠くなってきて…気付いたらここに……」
朦朧とした様子で話すチャフン。
とりあえずこのままじゃ風邪引く。
「チャフンどこ住んでるの?」
「追い出されたから家ないです……」
「じゃそれまで住んでた家は?」
「ここから電車で30分くらい…」
「長!!俺の家来た方が早そうだな……とりあえずうち来い」
チャフンの肩を組み立ち上がらせて、雨の中なんとか傘をさして家へ向かった。