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No Flying???

N.Flyingの妄想やら萌えポイント語りやら。




その日は、バンドを組み始めたばかりだと思われる女子高生5人が店に来た。



なんか楽しそうだったな…


やっぱまたバンドやりたい。


メンボフェスタでも行くかな…



そうして仕事を終え、マンションに着くと、



入り口のドアに人影が。




丸まった人影



何処かで見覚えが_______



「チャ フン!?」


今度は雨に濡れず震えてもいないが

でもやっぱり捨て犬みたいにでかい図体を丸めて座り込んでいた。



とにかく近くまで駆け寄って隣にしゃがみ込む。


「どうした?ちゃんと仲直りしてきた?」

「………いや…」


あんま上手く行ってないのか…?


俯く顔を覗くと、落ち込んでいるように見えた。


いや、落ち込んでるというより……自分を責めてるような……



「………」



黙り込むチャフン。


捨て犬のようなその姿をほっとけるわけがなかった。


「今日も家来る?」

「………」


無言で戸惑いつつも頷くチャフン。


面倒見いい、なんてよく言われるけど

なんだかほっとけなかった。



「俺は友だちと夕飯食べてきたけど…なんか食べたいもんある?」


家に着くと、黙り込むチャフンをとりあえずソファに座らせて、冷蔵庫の中を漁る。


「……大丈夫です、食欲なくて」

「敬語やめろって」

「すいません…」



本当元気ないな…


ちょっととりあえず話でも聞くか


冷蔵庫から缶ビールと昨日の残り物をつまみがてら適当に出して、チャフンの前のテーブルに並べた。


ソファの下に座ると、チャフンも下に降りた。


上から見下すのも失礼だと思ったのだろう


礼儀というか、その辺はしっかりしてるんだよな…


「……一緒に、住んでる人がいて」


何があった?と俺が聞こうとすると、チャフンが先に口を開いた。


俺は座り直して、聞く姿勢に入る。


「なんか…誘われるままっていうか、昔からなんか自分フラフラしてて、うちに来なよって言われたんで、一緒に住んでて、半年くらい前から」


「…付き合ってたんだ?」

「正式にではないけど…まぁそんな感じです」


そう言うと、チャフンは一呼吸おいて、一つ一つ、ゆっくり話した。


「姉の友だちってことで知り合ったんですけど、…最初は…人当たりが良くて優しい人だって思いました。…でも、本当は怖くて」

「怖い?」

チャフンは無言で頷いた。


「……だから、さよならしたかったんですけど、恩もあるし、親しみがないわけじゃないし、できなくて……」


その顔は切なそうで、罪悪感も感じられた。


「………でももう、多分無理なんですよ、あの人は俺に依存してらどんどん悪い方に行って……」


声がだんだんと悲しげになっていく。


「俺に止められる力があったらよかったんだけど、ないから……逃げて来てしまったんです」



……抽象的ではあったけど、それも詳しくは訊かないほうがよさそうだった。


俺は缶ビールを開けて、チャフンの前に置く。


「…明日からどうすんの?」

「………どうにか」

「行くとこあるの?」

「………………」


「……しばらくいるか、俺の家」


チャフンは驚いた目をこっちに向けた。


「いいんですか?そんな、申し訳な…」

「いいよ。その代わり……」

「?」

「その敬語、やめろよ」

「え、そんなことでいいんすか?」


驚いて固まるチャフンを俺は軽く笑って、ビールを含んだ。


「なんかやっぱ腹減らない?ラーメン作るか」


「ヒョプさん、ありがとう」

「もーいいからそんな気負わなくて。ラーメン辛いのあるよ」



キッチンに向かう俺を追いかけてきたチャフンは、苦しみから少しだけ放たれた顔で、

少しだけ微笑んだようにも見えた。







「可愛い弟は可愛がる。これも俺のモットーだからさ」


そう決めた顔でチャフンを見ると、


「ヒョプさんって人生楽しそうだよね」

と少し馬鹿にしたような目で見る。

その辺容赦ないチャフン。


「……お前冷たいよな…」

「正直なだけだよ笑」



チャフンの口数が少し、増えた。