結局フンは3日後にこの家を出て行くと言った。
俺が後押ししてしまったんだろうか?
まだ続く虚しい気持ちで、少し後悔してた。
「…今までありがとうございました」
玄関でそう言い深々と礼をするフン。
「いやこちらこそ、掃除とかいろいろしてくれてありがとうな」
フンはうつむいて小さく首を振る。
「ちょっとさみしくなるけど…まぁバイト先で会うし」
フンもうつむいたまま軽く2、3度頷き、ドアノブに手をかけた。
「じゃ」
「おう」
そんな言葉を交わして、フンは消えた。
とりあえず水でも飲もうとキッチンに向かうと、
全て片付いて、シンクも綺麗に磨かれていた。
まさかと思い家の中を見回すと、
リビングも、防音室も、全部綺麗に掃除されていて、
またうちの防音室来た時に使うように置いてったはずの、ピックや周辺機材も消えていた。
______あいつ
もう会わないつもりじゃないよな?
なんで………
今までの会話を思い出す。
新しい住処見つけたかと尋ねると、
「まぁ、それなりに、うん」
……………俺は馬鹿か
あいつ、うちに初めて来て居場所なかった時もそうやって言ってた
気を遣わせないように、
迷惑かけないように、って
俺にも迷惑かけまいと出て行って
行く当てもないくせに__________
俺は適当にそこにあった靴を履いて家を飛び出した。
駅の方へひたすら走った。
防音室に置いてたもの全て持ってって
バイトも何も言わず辞めるつもりだったんだろ?
何も言わず
俺の前から完全に消えて
なんでそんなことすんだよ……!!
「チャ フン!!」
路地にやつを見つけて、肩をつかんだ。