何とか思いを伝えたいと思うので、自分の中で印象に残った映画のレビューを書くのは、力が入ってしまいます。
(あらすじ)
ドイツはミュンヘン郊外、ローゼンハイムからの旅行者ヤスミンは、アメリカ旅行中に夫と喧嘩をし車を降りてしまう。
彼女は重いトランクを提げて歩き続け、モハーヴェ砂漠の中にあるさびれたモーテル兼カフェ兼ガソリンスタンド「バグダッド・カフェ」にやっとの思いでたどり着く。
いつも不機嫌な女主人のブレンダ他、変わり者ばかりが集う「バグダッド・カフェ」。
いつも気だるいムードが漂う中、ヤスミンが現れてから皆の心は癒されはじめる。
あの不機嫌なブレンダさえも。そして二人はいつしか離れがたい思いに結ばれていくのだが……。(Wikipediaからお借りしました)
簡単に言ってしまえば、夫や子供に振り回され不満を抱えている女性同士、国を超えての友情の物語。
ですが、砂漠と言う場所、不思議なカメラワークと独特な色彩、主人公はもちろん登場人物もどことなく可笑しな人たちばかり(元ロサンゼルスの映画業界で背景を描いていた画家、刺青の彫師、ブーメランを飛ばすのが上手い旅人)
監督P・アドロンは、これらをうまく張り合わせて映画の始まりから終わりまで、現実味をおびながらもファンタジックで癒し効果抜群の映画に仕上げています。
働きの悪い夫、子供もいるのにピアノでバッハの平均律ばかり弾いている息子、おしゃれしては男の子と遊び暮らしている娘、文盲の従業員
散らかり放題のカフェとモーテルを一人で切り盛りしなくてはならないブレンダ、
これはもう、主婦ならわかる爆発に次ぐ爆発、わめきたくもなるし、カフェの前の椅子に座って涙を流したくもなる。
だが、そこにひょっこりと現れたキッチリしたスーツを着込む太ったドイツ女性ヤスミン。
ヤスミンは、このさびれたモーテルに泊まり続けている。
(何だか、この女は怪しい、絶対に変だ、大体何故こんなモーテルに何泊も泊っているんだ)ブレンダが訝しい思いをいだくのも分かる。
だが、出て行きたくても旅行中に、癇癪もちで自分勝手な夫とケンカ別れしたヤスミンには、他に行くところもない。
暇なもんで、あまりにも汚くぐちゃぐちゃなモーテルの事務所をきれいに掃除して整理整頓してみたり
ブレンダの娘とファッションショーをしたり、息子のピアノを褒めたりしているうちに
すっかりヤスミンは、ブレンダの子供たちと仲良くなる。
ヤスミンの部屋に入り浸る子供たち。
ブレンダは何だかそれが気に入らない、イライラする。
荒々しくヤスミンの部屋のドアを開けて子供達を追い出し、ヤスミンに「あんたは、自分の子供と遊びな!」と、怒鳴りつける。
「私には子供がいないの。」つぶやくヤスミン。
はっと胸を突かれたように、ヤスミンを見つめるブレンダ。
口に出しては言わないけれど、誰にだって辛い事の1つや2つはある。
それから二人は急速に近づいていく。
誰かを喜ばせるのが大好きなヤスミンは、手品を覚えてブレンダたちをそしてカフェのお客さんたちを楽しさの渦に巻き込んでいく。
次第に「すごいマジシャンがいるんだ!」と有名になり連日お客であふれかえるようになるカフェ。
荒んでいたみんなの心が幸せに包まれていく。
その後、旅行者ビザでアメリカを訪れていたヤスミンは、自国に帰らなければならなくなる。
また沈み込んでしまうカフェ。
しかし、再び舞い戻ってきたヤスミンを迎え、盛り上がりに盛り上がるカフェ。
この場面は、まるでミュージカル、あの不機嫌そうでくたびれた中年女性ブレンダを演じているCCH.パウンダーが歌が上手いったら!スターの風格に度肝を抜かれました。
普通の映画にこんな場面を入れてくるなんて、監督はどこまでもチャレンジャーなのでした。
さて、この後、どんなふうにラストに向かっていくんだろう?
とっても難しそう、と思ったのですが
ずっとヤスミンを愛おしそうに見つめつつ、彼女の肖像画を描いていたルーディ(ジャック・パランス)が結婚を申し込む
そして、ヤスミンが「ブレンダに相談して決めるわ。」と微笑みながら答える、、
これがラストシーン。
ネットの中では、このラストシーンに意味を求めて、色々な意見を書いている方がたくさんいました。
私が気になったのはラストよりも、みんなで和気あいあいと楽し気に暮らす中、突然出て行く刺青の彫師の言葉
皆が「どうして出て行くの。」と問うと「仲が良すぎるわ。」と一言残して去っていくのです。
この言葉は深いなぁと思いましたが。
ブレンダに初めて会ったシーンで、ドラム缶の中で茹でられる自分を想像するヤスミン
事務所を掃除しながら、蒸気機関車用の水を貯蔵するタンクをブラシでこする姿を想像するヤスミン
シュールでキラキラしたものがいっぱい詰まっているこの映画、また上映するのであればもう一度観に行きたい映画です。
最後に、あらゆる場面で流れるI'm Calling You、胸に染み込むようなこの曲を是非お聴きください。
ブレンダの息子がずっと弾いているバッハの平均律クラヴィーア曲集の一部も貼っておきます。

蒸気機関車用の水を貯蔵するタンクをブラシでこする姿を想像するヤスミン

たくさん肖像画を描いてもらううちに、一枚一枚と洋服を脱いでいくヤスミン

再会を喜ぶ、堅い友情に結ばれている二人
(あらすじ)
ドイツはミュンヘン郊外、ローゼンハイムからの旅行者ヤスミンは、アメリカ旅行中に夫と喧嘩をし車を降りてしまう。
彼女は重いトランクを提げて歩き続け、モハーヴェ砂漠の中にあるさびれたモーテル兼カフェ兼ガソリンスタンド「バグダッド・カフェ」にやっとの思いでたどり着く。
いつも不機嫌な女主人のブレンダ他、変わり者ばかりが集う「バグダッド・カフェ」。
いつも気だるいムードが漂う中、ヤスミンが現れてから皆の心は癒されはじめる。
あの不機嫌なブレンダさえも。そして二人はいつしか離れがたい思いに結ばれていくのだが……。(Wikipediaからお借りしました)
簡単に言ってしまえば、夫や子供に振り回され不満を抱えている女性同士、国を超えての友情の物語。
ですが、砂漠と言う場所、不思議なカメラワークと独特な色彩、主人公はもちろん登場人物もどことなく可笑しな人たちばかり(元ロサンゼルスの映画業界で背景を描いていた画家、刺青の彫師、ブーメランを飛ばすのが上手い旅人)
監督P・アドロンは、これらをうまく張り合わせて映画の始まりから終わりまで、現実味をおびながらもファンタジックで癒し効果抜群の映画に仕上げています。
働きの悪い夫、子供もいるのにピアノでバッハの平均律ばかり弾いている息子、おしゃれしては男の子と遊び暮らしている娘、文盲の従業員
散らかり放題のカフェとモーテルを一人で切り盛りしなくてはならないブレンダ、
これはもう、主婦ならわかる爆発に次ぐ爆発、わめきたくもなるし、カフェの前の椅子に座って涙を流したくもなる。
だが、そこにひょっこりと現れたキッチリしたスーツを着込む太ったドイツ女性ヤスミン。
ヤスミンは、このさびれたモーテルに泊まり続けている。
(何だか、この女は怪しい、絶対に変だ、大体何故こんなモーテルに何泊も泊っているんだ)ブレンダが訝しい思いをいだくのも分かる。
だが、出て行きたくても旅行中に、癇癪もちで自分勝手な夫とケンカ別れしたヤスミンには、他に行くところもない。
暇なもんで、あまりにも汚くぐちゃぐちゃなモーテルの事務所をきれいに掃除して整理整頓してみたり
ブレンダの娘とファッションショーをしたり、息子のピアノを褒めたりしているうちに
すっかりヤスミンは、ブレンダの子供たちと仲良くなる。
ヤスミンの部屋に入り浸る子供たち。
ブレンダは何だかそれが気に入らない、イライラする。
荒々しくヤスミンの部屋のドアを開けて子供達を追い出し、ヤスミンに「あんたは、自分の子供と遊びな!」と、怒鳴りつける。
「私には子供がいないの。」つぶやくヤスミン。
はっと胸を突かれたように、ヤスミンを見つめるブレンダ。
口に出しては言わないけれど、誰にだって辛い事の1つや2つはある。
それから二人は急速に近づいていく。
誰かを喜ばせるのが大好きなヤスミンは、手品を覚えてブレンダたちをそしてカフェのお客さんたちを楽しさの渦に巻き込んでいく。
次第に「すごいマジシャンがいるんだ!」と有名になり連日お客であふれかえるようになるカフェ。
荒んでいたみんなの心が幸せに包まれていく。
その後、旅行者ビザでアメリカを訪れていたヤスミンは、自国に帰らなければならなくなる。
また沈み込んでしまうカフェ。
しかし、再び舞い戻ってきたヤスミンを迎え、盛り上がりに盛り上がるカフェ。
この場面は、まるでミュージカル、あの不機嫌そうでくたびれた中年女性ブレンダを演じているCCH.パウンダーが歌が上手いったら!スターの風格に度肝を抜かれました。
普通の映画にこんな場面を入れてくるなんて、監督はどこまでもチャレンジャーなのでした。
さて、この後、どんなふうにラストに向かっていくんだろう?
とっても難しそう、と思ったのですが
ずっとヤスミンを愛おしそうに見つめつつ、彼女の肖像画を描いていたルーディ(ジャック・パランス)が結婚を申し込む
そして、ヤスミンが「ブレンダに相談して決めるわ。」と微笑みながら答える、、
これがラストシーン。
ネットの中では、このラストシーンに意味を求めて、色々な意見を書いている方がたくさんいました。
私が気になったのはラストよりも、みんなで和気あいあいと楽し気に暮らす中、突然出て行く刺青の彫師の言葉
皆が「どうして出て行くの。」と問うと「仲が良すぎるわ。」と一言残して去っていくのです。
この言葉は深いなぁと思いましたが。
ブレンダに初めて会ったシーンで、ドラム缶の中で茹でられる自分を想像するヤスミン
事務所を掃除しながら、蒸気機関車用の水を貯蔵するタンクをブラシでこする姿を想像するヤスミン
シュールでキラキラしたものがいっぱい詰まっているこの映画、また上映するのであればもう一度観に行きたい映画です。
最後に、あらゆる場面で流れるI'm Calling You、胸に染み込むようなこの曲を是非お聴きください。
ブレンダの息子がずっと弾いているバッハの平均律クラヴィーア曲集の一部も貼っておきます。

蒸気機関車用の水を貯蔵するタンクをブラシでこする姿を想像するヤスミン

たくさん肖像画を描いてもらううちに、一枚一枚と洋服を脱いでいくヤスミン

再会を喜ぶ、堅い友情に結ばれている二人
