生徒指導だより(一部抜粋) 平成20年7月2日号
先日、私用で名古屋まで行くことになりました。久しぶりに地下鉄に乗り、ゆっくりとした時間を過ごすことができると思っていました。しかし、現実は違っていました。私の座った正面の座席に3名の女性が座りました。3名とも、旅行かばんを抱えていて、誰が見ても仲の良い友達に見えました。“あっ、一泊2日でどこかに出かけるんだな。いいなあ・・・”と少しうらやましく感じました。地下鉄が走り出してすぐのことです。その女性たちが大きな声で話し始めました。話している内容は、車両内にすべて聞こえるほどの大きな声でした。“元気のいい声だな。よっぽど旅行を楽しみにしていたんだろうな”と感じました。その声をうるさいと感じている人も多くいたようで、何度も3名に視線を送っていました。しかし、話しに夢中になっているため、気がつくはずがありません。
そんな時です。同じ車両で化粧をしている女性がいました。その女性のことを3名が話題にし始めました。「電車の中で化粧するなんて、恥ずかしいと思わないのかしら?」「ああいうことは、家を出る前にやってくることですよね。他人に見せる姿ではないですよ。」などと話していて、その声はやはり大きく、みんなが化粧している女性と、3名を代わる代わる見ていました。
他人に迷惑をかけるという視点では、3名の女性の大きな声の方が迷惑です。しかし、身だしなみという視点では、化粧を電車内でしている女性の方が、モラルを問われるのかも知れません。自分さえ良ければ・・・という人が本当に多いのだと実感しました。まずは、私自身やその周りにいる人たちが道徳心を培っていく努力をしていきたいなと感じています。
久しぶりに乗った地下鉄。ゆっくりするどころか、“この事をどうやって生徒指導だよりに載せようか”とずっと考える40分間になってしまいました。
道徳心・モラルの低下がここ数年叫ばれています。地下鉄の中の様子で、私が感じたことを素直に載せてみました。子どもたちの反応は様々でしたが、この内容を道徳の授業で取り上げてくれたクラスがあったことが嬉しかったです。
そして、自分だったらどうするかを考え、行動に反映させてくれることを願いました。
※赤字 当時の通信の内容 黒字 振り返り