2月鑑賞映画まとめ(後編) | 三つ子の魂百まで…トラウマニア

三つ子の魂百まで…トラウマニア

映画レビュー、コレクション紹介、映画や趣味全般について書いています。

『デッドライジング ウォッチタワー』

           (2015年/アメリカ)


ゾンビ特効薬が効いたり効かなかったり、
お馴染み軍の悪巧みが絡んできてテキトーに
選ばれた市民が逃げ惑ういつものヤツ。
ゲーム原作だから期待しないで見ていたら
露骨にゲームカラーを匂わせる演出は少ないし
ゾンビ映画の定石を守っているしで
ランタイム長めですが小気味良く

楽しませてくれる良作。


質屋に籠城からの出来損ない

マッドマックス軍団登場の流れがモロに
『ゾンビ』しているし、『ショーン・オブ・ザ・デッド』や
『ゾンビランド』系のポップさも

兼ね備えていて賑やか。
ちらっとトゥインキーが出るよ!
心底憎めない珍走団のボスが

なんか可哀想だった。
キッチンタイマー?の時限爆弾しょぼー(笑)


クリスタル役のおねいさん、イーライ・ロス夫人の
ロレンツァ・イッツォに似ているけど

カッコ良かったなー。
子供も死ぬ!弱点がよう分からん!
図工の授業でこしらえたウェポンも

「見た目」は花マル!
投げ槍なあの場面が妙に美しく

撮れていましたね。
鍋の前に雑炊作っちゃうような奇想天外さが
ホント可愛げがあって気に入りましたよ!


【2017年2月19日(日)】鑑賞
※ムービープラス、

2017年1月6日(金)放送の録画で。

----------------------------------------------------------

    『モーガン・ブラザーズ』

   (2013年/オーストラリア)


農夫が人間をさらってベーコンにする

『地獄のモーテル』っちゅう愉快な

映画がありますが、

こちらは死体を肥料にして売ってしまえと
浅知恵だけで暴走するドリフの

バカ兄弟(っぽい)が主人公。
ロックフェス参加のためラリってトロトロと
田舎へやって来た若者とバカ兄弟が

仲良くなったりならなかったり
「都会もんは怖いよ!田舎もんも怖いよ!」と
ダチョウ倶楽部並のギブアンドテイク精神で

笑わせてくれます。


モーブラ兄貴を演じるのは

『マッドマックス/怒りのデス・ロード』で
助産婦をやったゴリ顔で

濁声のアンガス・サンプソン。
腰の低い弟クンがとても可愛らしくて

応援したくなる妙な設定。
三角関係で揉めるヤングちゃんの

精神状態は最初からヤバめ。
人間がミンチにされたり、切り口鮮やかな

グロシーンなど犬も食わない(少しは食う?)

下らない喧嘩がダラダラ続いた後に
慈善事業じゃないんでしがらみの多い

血縁よりロマンスを取りますと
男らしさを見せたレジの

決断は正しかった?と思う。
悪人に成り切れないキャラが出てくると

応援したくなるし、なんか感情移入も早いですね。
残酷場面よりキツイのはあれな!やるな!(笑)


【2017年2月20日(月)】鑑賞

※ザ・シネマ、
2017年1月26日(木)放送の録画で。

 

(初見は2014年10月27日

『シッチェス映画祭2014』
ヒューマントラストシネマ渋谷で)

----------------------------------------------------------

                『コンボイ』

            (1978年/アメリカ)


1台のタンクローリーが無線交信をする。
その言葉が同業者に届き

リーダーのラバー・ダックの生き様に
感銘を受けたトラック野郎が

長い長い船団を組んでメキシコへ向け驀進する。
ダイナーでの喧嘩や他愛もない会話に
「ああ、メリケン版のトラック野郎ね」と

思っていたらさすが考える事も

スケールもデカくて徐々にトラックの列に

加わりたくなる面白さでした!


あの詰め過ぎた車間距離怖いよね。
で、とっさの急ブレーキ回避はああやって
ステアリング切るのかなるほど~。
主人公のクリス・クリストファーソンが
トム・スケリットに見えて仕方なかったけど、
身震いするほどカッコいいクライマックスに
運び屋スピリッツが集約されています。
執拗に追跡する銭形警部のような

アーネスト・ボーグナインが茶目っ気タップリで、

あのボーグ声が聞けるだけで

テンション上がりますよ。


クラクションのヒモ引っ張りたいよ!
あと散水車を使った簡易シャワーね(笑)
バート・ヤングに黒人兄ちゃん

みんなイイ奴ばっかじゃないの~。
いつものように道を転がしていたら勝手に

仲間が付いてきて国中の話題を集める

自由のヒーローになる設定が
『フォレスト・ガンプ』の原点の

ように映りました。Ten-four! 


【2017年2月21日(火)】鑑賞

※ムービープラス、
2016年12月27日(火)放送の録画で。

----------------------------------------------------------

             『REC/レック2』

           (2009年/スペイン)


より一層狂暴化しフェイントを駆使しながら
舐めたダッシュで喰らい付く感染者。
デモンズ2っぽい階段襲撃シーン。
怖いもの知らずのSWATが取り乱し、
神の使いの神父がFUCK!と叫ぶ。
もうこの世の終焉。
画面酔いするPOVである事を忘れるほど
生々しく映し出される惨劇と複数の時間軸を
絶妙のタイミングで交差させる練りに練られた
プロットに唸らされました。
とにかく怖い!
恐すぎて暗すぎて狂って笑いそうになるくらい
頭のネジが数本吹き飛ぶ面白さ。


聞き慣れないスペイン語が心地良く

感じてくるから不思議。
閉鎖的空間をフルに活かした

ストーリー展開とここまで肉付け出来るのは

監督のセンスが大きいでしょうね。
CCD→DVカムのリレー撮影、

ワイプの使い方も秀逸。
ゲロを吐かしきれない悪魔憑きから、
噛まれたら感染するゾンビ憑き。
最恐コンボで暗闇の中に

引きずり込まれる恐怖・・・。
ビデオカメラを用意しろ!
第六感をフルに活かして戦わないと

勝ち目はない!
続編はクソと言いますが、

これは良く出来てますね。
参りました。本当に最高だった!


【2017年2月22日(水)】鑑賞

※ムービープラス、
2016年12月23日(金)放送の録画で。

----------------------------------------------------------

『REC/レック3 ジェネシス』

     (2013年/スペイン)


前作との関連性ゼロのスピンオフ。
結婚式場に感染者がいて唐突に
背面ダイブを披露してからのゾンビ化。
このくだりが一番面白いんです!
ダイブマスターのペペ叔父だけ

いつもヘラヘラしてるし、噛まれた経緯が

明らかにされないからモヤる。
怖がらせたいのか笑わせたいのか

泣かせたいのかハッキリせず

上げたり下げたりとあまり上手い

作り方とは言えないですね。


お馴染みのPOVは冒頭20分のみ。
(額縁サイズからシネスコへ切り替え)
タイトルバックもここでやっと出る。
教会内に入れなかったり、

鏡にゾンビの真の姿が映るなど
工夫を凝らしているけど、それ以上の

ヒネりは一切ないのが残念。
切羽詰ったギョロ目パンダの花嫁が
突然チェーンソーを振り回して暴れても
勢いで差し込んだ画としか思えず…。
愛が悪魔の呪いを打ち消すとか、
もちっと話を膨らませて欲しかったです。
しかしね、人の話を良く聞く

素直なゾンビではあるんですよ。
鎧とかスポンジとか本当にもう

余計なモノ身に付け過ぎ!


【2017年2月23日(木)】鑑賞

※ムービープラス、
2016年12月23日(金)放送の録画で。
(初見は2012年5月9日、

ヒューマントラストシネマ渋谷で)

----------------------------------------------------------

   『REC/レック4 ワールドエンド』

           (2014年/スペイン)


死出の船路につくアンヘラさんたち。
佐分利信に似た医者が甘噛みされたとか
オナゴの身体の中身を

見てみたいなどと騒ぎ立て、
猿が飛んだり跳ねたりとアウトブレイク。
もう悪魔憑きも佳境を迎え、
神父は出ないしオカルト要素が皆無となり
ドリンクバーでコーラとカルピスとウーロン茶と
コンポタ混ぜたようなホラー映画オマージュ
混ぜこぜ完結編になってしまいました…。


『人間解剖島ドクターブッチャー』を
彷彿とさせる武器がマニアック

過ぎて嬉しかったな~。
デブのニックが食べてるチョコバーの入れ物?
何あれ、なんであんな一気に

ゴロゴロ出てくるの(笑)
POVは消え失せ、録画してるのは

監視カメラのみ。もうREC詐欺。
海で桃色サンゴに手を振ったら

世紀末が訪れる?とは到底思えない。
力が有り余った感染者を

ランニングマシーンに乗せて
走らせたらエコな発電になるんじゃないの。
ま、レックのゾンビは怖いですよね。
逃げ切れる自信ないですわ。


【2017年2月24日(金)】鑑賞
※ムービープラス、

2016年12月23日(金)放送の録画で。

----------------------------------------------------------

          『ミッドナイト・ラン』

          (1988年/アメリカ)


ロバート・デニーロ主演「ビバリーヒルズコップ」の
マーティン・ブレスト監督の

凸凹コンビ逃避行を描く言わずと知れた

ロードムービーの代表作!!
刑事くずれで怒りっぽい賞金稼ぎジャックと
マフィアの金を横領した罪で保釈金金融から

賞金が掛けられているデューク。
このデュークをニューヨークからロスへ

連れ戻さなければならない。
FBIに目を付けられ、同業者の邪魔が入り、
マフィアに命を狙われながらも、
あの手この手で難関を突破していく

騒々しくてハチャメチャな展開が

もう神がかっていて最高です!


ここにダニー・エルフマンの軽快な

音楽が被さるとノーブレーキで突っ走る

コメディ街宣車のようなムードに(笑)
モーズリーの身分証っていつスッたのかな?
チェーンスモーカーのジャックだけど、
確か撮影では本物の煙草は

使っていなかったんでしたっけ?
別れた女房にカネを借りに行く場面。
成長した娘と再会するデニーロの目が
泳ぐ演技の素晴らしいこと!
このくだりは父親、いや子供が居なくても
涙腺崩壊間違いなしの切ないシーンなのです。

ベレッタ一丁でヘリを墜落させる

凄腕のジャックだけど、
ここの特撮シーンが地味に豪華。
SFX界の重鎮ロイ・アーボガストが

手掛けたミニチュア・ヘリ爆破は実物と

見間違える程の迫力。


水と油のような性格だった二人に

芽生える奇妙な連帯感。
お互いの良いところ、悪いところを理解し合い
「来世で会おう!」と誓った
短いが深い友情で刻まれた

アクションコメディの大傑作です。


【2017年2月25日(土)】鑑賞

※BS朝日「サタデーシアター」
2017年1月28日(土)放送の録画。
吹替版(ジャック・ウォルシュ:樋浦勉)


 ※※初見は1992年2月2日(日)

     【日曜洋画劇場】
           (ジャック:池田勝)

        (デューク:羽佐間道夫)

----------------------------------------------------------

      『レディ・ジェイソン/

                    地獄のキャンプ』

           (1988年/アメリカ)


キャンプ指導員が次々とキャンパーたちを

血祭りに上げていく

『サマーキャンプ・インフェルノ』の第二弾!
お世辞にも美人とは思えない

主人公アンジェラを演じるのは
ブルース・スプリングスティーンの妹パメラ。
SEX・クスリ・悪戯と堕落した人間は

絶対に許さないが、殺人は合法(当社比w)

とばかりにバリエ豊かな殺戮パーティーを

喜々とした表情で楽しむレディ・ジェイソン。


殺人鬼の3大スターが夢の共演?など
ファンのツボを押さえたサービス精神が嬉しい。
兎に角アンジェラの逆鱗に触れた者は

生きて帰れないので
ボディカウントは本家『13日の金曜日』を
遥かに凌ぐ大規模なものに…。
80年代後期に量産されたコメディ

織り交ぜ系ではあるのですが
ビッチが死んで清楚な子が生き残る

ホラー界の定石を忠実に守っていて

なかなかの好感触(;^ω^)


その清純で可愛らしいモリー役は
チャーリー・シーン実の妹レネ・エステベス。
なんか大物ファミリー出まくりですなあ~。
あんな蠅がワンサカいるボットン便所なんて

使いたくないよな(笑)


【2017年2月26日(日)】鑑賞
松竹ホームビデオのVHSで。

(初見は90年代)

----------------------------------------------------------

           『フライト・クルー』

            (2016年/ロシア)


航空パニックと災害パニックを融合させ、
人間群像劇もしっかり描いたロマンティストな
ロシア人渾身の1作。
救助要請の入った火山島へ

着陸したジャンボ旅客機。
大規模な火山噴火に巻き込まれる

旅客機のベテランパイロットと
新人操縦士クンが抜群の

連携プレーで危機を回避していく。


滑走路を赤く染める不気味な溶岩流。
本編班の美術が如何なく発揮された

大地震の場面。
VFXはハリウッド映画にヒケを取らない
見事なクオリティで圧倒されます。
飛行機の豪快なエンジン音が

常に唸っていて(それも屋外シーンだから

クリアに聞こえ航空マニアには堪らない!)
暴風や雷のサウンドも素晴らしい!

良い効果音を作っているんですよ。


突飛な発想だけど「もしかしたらイケる?」と

思わせる脚本と、無鉄砲だけど

自分酔いせず本番に強い

新人パイロットの操縦技術は

本当に感動させられました。
要所要所にインサートされる

ロシアンジョークもいいですね。
実写とVFXとの境界線が見事に

打ち消された違和感のない滑らかな映像。
ハラハラドキドキならロシアだって

負けていないんですよ。
「エアポート・シリーズ」や「ボルケーノ」に
「新幹線大爆破」の影響を受けているのも

好感度高いです。
めちゃくちゃオススメです。

「前方に嵐が!」(笑)


【2017年2月26日(日)】鑑賞。
「未体験ゾーンの映画たち2017」
ヒューマントラストシネマ渋谷