SPOさんのホラーマニアックス第1弾で先日リリースされた『墓地裏の家』を観賞。昔、大映ビデオから出ていたVHSをレンタルして以来だから20数年振りなのか。
題名のとおり墓地裏の家へ引っ越してきた学者家族がこの家に潜むマッドサイエンティストのえじきになる。アメリカが舞台だけどイタリア映画ってどれもイタリア色に染まるってゆーか全然アメリカっぽく感じないのは不思議。冒頭からいきなりポスターヴィジュアルでも有名な脳天ナイフ刺しの洗礼を受ける綺麗なお姉ちゃんのパイオツが!もうこの女優さんは「地獄の門」で内臓吐きまくったり「ザ・リッパー」では解剖されたりと散々酷い目に遭ってますな。フルチ監督がまたカメオ出演。ほぼ全作に出演してるけど出たがりなのか?下手な俳優より上手に台詞も話しますね。
画質はシャープネスもしっかりしていてカラーバランスも良く、少し雨が降りますが満足できるレベルでしょう。音声が英語モノラル表示になってますけど、ヘッドホンで聴いたら音の分離感もあって恐怖度が倍増します。カオスさ爆発のフルチワールド全開で「何処から来たの? 意味分からん」は当たり前のようなゴリ押し状態。ホラーの定番、怪奇現象が発生してもなかなか引っ越さない神経のズ太い連中が死ぬまで耐え抜きます。普通、新居に墓石が置いてあったら即効出ていくかと…。
ヒロインのカトリオーナ・マッコールですが、これが最後のフルチ映画出演だけあって相応しい役柄。息子ボブの金きり声が五月蝿くてイライラしますがブタ鼻でちっとも可愛くないのが痛すぎます。「マンハッタンベイビー」でも同じような役で出演していましたが、今も不細工なんでしょうか…。そういえばフルチ映画って子供が沢山出てきますが、子供が好きだったんですかね?ベビーシッター役の女優がやたら目力があり、ごん太眉毛で魅力的で頻繁に目のクローズアップになるのが印象的。
グロ描写は脳ミソ・腸とかなり具沢山でお腹一杯になります。殺害方法にアルジェント風味を感じるもののこの年代のフルチ作の中で最も汚らしさが充満してます。タコの干物みたいな顔をしたフロイトシュタイン博士のウジ虫混入な臓物はマジ吐きそう。音楽は常連のファビオ・フリッツィを起用せず、ウォルター・リザッティなる聞いた事の無い作曲家に依頼。シンセ多用で郷愁を誘うナンバーなどがありますが、プログレちっくじゃないのでキャッチーさが足りません。昔ドイツのルチェルトーラから15曲入りのサントラCDが発売されていましたが限定の為とっくに廃盤。先日、版権元であるイタリアBEATレーベルより全30曲収録の完全盤CDがリリースされタワレコなどで
取り扱っている模様です。思いっきり「シャイニング」のジャック・ニコルソンをパクったイラストが味わい深いので買ってしまうかもしれませんね。特典映像は劇場予告編(アメリカ版2パターン&イタリア版)、TVスポット、本編から何故か削除されたシーンが発見されたとかで音声トラック紛失ながら綺麗な映像を2カット収録。特段面白いシークエンスではなかったです。キャプ画にフォトショで細工したようなへっぽこフォトギャラリーはつまらないですが、脚本家ダルダノ・サケッティによる「地獄の門」「ビヨンド」「墓地裏の家」三作解説は興味深い逸話が多くなかなか良かったです。
ホラーマニアックス第2弾のチラシ兼、墓地裏の家の解説書が封入されていました。
「悪魔の墓場」は2枚組なので値が張りますが、他のメーカーじゃ実現不可と思える豪華仕様なので期待!サントラ・プレゼントは『墓地裏の家』『悪魔の墓場』『ザ・リッパー』『影なき淫獣』の4作品コンピだそうで全部持ってますけどこの独自仕様はマニア心をくすぐる内容ですからしっかり応募券を集めませんと。