シャーペンB＋透明水彩＋墨汁。
シャム子は
シャムネコの血を引く
野良猫だ。
三兄弟のうち、
最もシャムっぽい。
身体も大きく、
でも、
茶トラも入っているので、
微妙なところに
薄い茶トラ模様が浮いて見える。
一度、
水彩か何かで
描いてみたかった。
瞳だけでもいい。
シャム子はよく
僕の目を観て話す。
なので、
僕も猫の流儀にならって、
目を観て話す。
『なんで
お前はご飯もってこない？』
『それはねぇ。
とても難しい質問だ。』
『メシをもってくるのは
簡単だぜ。』
『色んな考え方があって、
今の一番よいと考えられている答えは
功利主義に則った理念で、
「ホゼン」というやつがあってな。』
『お前は
よくモノを知ってるな。』
『いやいやいや、
それが正しいのか、どうか、
俺の中でも答えはない。』
『なんでだ。』
『幸せという気持ちは、
例えば、
お前の幸せはお前が決めるだろう？
俺の幸せは俺が決める。
みんなの幸せってのを
計算なんて出来ないんだよ。』
『なら、
お前は功利主義者じゃないってことか。』
『違うね。
第一、
俺は絵描きして音楽造ってるんだ。
功利主義者にはできない。』
『なら、メシ。』
『そうはいかないんだよ。
お前が長生きしてほしいからな。』
『ふーん。』
『でも、
ほれ
これはお前の絵が売れて、
買った、
つまりお前がかせいだものだ、
喰え。』
『おっ、魚じゃねぇか。』
『おうよ。』
『またくれるのか？』
『それは難しいな。』
『また俺が稼げばいいのか？』
『一番は、
お前の狩りが上手になればいいが、
夏みていても、
セミも上手に捕まえないんだもんなぁ。』
『そういうなよ、
今度はスゲーから。』
『そう祈ってるよ。』
『じゃあな。』
『おう、またな。』
（こんな出だしはどうだろう？）
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新年度は、断捨離。
【上】水彩。
【下】鉛筆。
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