趣味の話。


「鉄の馬」


アラフィフのオッサンが???


いいじゃないか。。



125ccの通勤用スクーターと


250ccの山遊び用オフロード車と


1100ccのロングツーリングと

峠を攻める用を兼ねるツアラー


計3台。。。



今、車は持っていない。



維持費がかかるし、子供も大きくなって

家族で出掛ける事もなくなったので、

必要性を感じなくなった。

店も家から近いし。



仕事もそこそこ忙しいので


いつも動かしてるのは通勤用。。。


10代で「中型」を取り、

20代で「大型」を取った。


その後子供も3人産まれてブランクが空いたが、

40歳超えてまた火が付いてしまった。



バイクに興味を持ったキッカケ。



夏の暑い日だった。



毎年のルーティンで祖父母の所に帰省をしてた時

叔父のバイクに乗せて貰って

田舎道をひた走っていた。


叔父が突然、前から来るバイク2台に向かって手を上げた。


すると、すれ違い様にそのライダー達も手を上げた。


小学生の私は叔父に尋ねた。


「今の人知り合い?」


「いや、全く知らない人。

バイクに乗ってる人同士の挨拶さ。」


その時なんとも言われぬ爽快感を感じた。


「俺も大きくなったらバイクに乗ろう!」

と、その時決めた。


19歳の時に「中免」を取って、翌日にはバイク屋に向かい、そのまま注文した。


当時はバイクブームもあってか、周りの友人達もこぞってバイクに乗っていた。


暴走〇ではなかったけど、、



皆その後結婚し、子育てを機に降りていった。


「まだバイクなんか乗ってんのかよ?」


「ホリゾンタル グレイス。」


「キリン」だよ!


「なんだ、それww」


「俺は降りねぇよ!」


いつまでも俺は風を感じて走っていたい!


「バイクが好きなんだよ、四輪よりも!!」



3年位前、ある事故に遭遇した。


いつもの様に東名で御殿場まで行って、

長尾峠から箱根スカイラインを相方と2台で攻めていた。


途中、隼1300がガードレールに刺さっていた。


近くにZ1も停まっていて、その持ち主であろう人が焦った感じで電話をしている。


「停まるか。」


インカムで連絡をとり、

私と相方は少し行った登り坂にバイクを停めた。


「知り合いの方ですか?」


と尋ねると、Z1の人は電話しながら


「いえ、通りすがりでちょうど見たもんですから、、」


どうやら既に救急と話している様だ。

今いる場所を一生懸命説明している。


連絡してまだ間もない感じ。


「えーーと、当事者意識ない模様ですねーー」


「マジかよ」


隼から10m程離れた所で仰向けに横たわっているライダーの所に向かった。


「大丈夫ですかーーーー?」


と声を掛けた。



ピクリとも動かない。



シールドが空いたヘルメットから顔を見た瞬間、

凍りついた、、、


「もう亡くなってる、、」


と直感でわかってしまった、、、


瞬きする事のない開いた瞳。


見たことのない粘土の様な顔色。


電話をしているライダーに伝えた。


「息してない!!」


「え!!!??」


すぐさま救急にその事を伝えている。


「え?心臓マッサージ??」


「え、はい。やってみます」


「救急の方が心臓マッサージやれって。」


私達に言ってきた。


私と相方は、とりあえずガードレールの真下に横たわっているライダーを引きずり出した。


完全に脱力している身体は思った通り重かった。


道路まで引きずり出して両手で何度も胸を圧迫した。


ほんのり体温を感じてはいるが、徐々に冷たくなってきているのが段々とわかった。


「ダメかもしれないですね、、、」


相方が言った。


私は無言で脱力し切った身体の胸部に両手を当てて何度も押した。


「帰ってこい!!!」


心に何度も呟きながら懸命に押した。


だが、5分、10分経っても何も反応はなかった。


電話を終えたZ1ライダーは


「あと20分位で救急車来るみたいです」


「そうですか」


「私も何か手伝いましょうか?」


「じゃあ交代で心臓マッサージやりましょう」


「わかりました」


その頃ハマっていた


「ドクターX 大門未知子」


を思い出しながら、見よう見まねで救急車が到着するまで、3交代でマッサージし続けた。


ヘルメットを被った状態だったのと、

普通ではない顔色のライダーを直視する事が出来ず、人工呼吸は流石に出来なかった。


そして救急隊が到着。


手早く救急車に運んで、さらなる蘇生術を行なっていた。 


「正直、厳しい感じですね。」


3人とも同じ事を言い合った。


どうしてこんな割と緩いコーナーでスリップしたのか分からない。


下りではなく登り坂で。


そして何故こんなにもあっけなくこの世を去ることになったのか?


次の日一緒に行った相方が昨日の事故をnetで調べてLINEしてきた。


「やっぱダメだったみたいですね。」


「箱根スカイラインでバイク 死亡事故」


ニュースのリンクが添付されていた。


私よりも歳上、50歳の方だった。




私は思う。


何事も


「運命」


というものがあるのではないか?と。


天災、人災、事故。


結婚、離婚、、、、、


浮気、不倫、、、、、、、、


普段どんなに良い行いをしていても、


その運命からは逃れられない。


もって生まれた運命。


人間いつ突然死のうが、


病気になろうが、


不運に見舞われようが、


それは運命なのではないだろうか?


度重なるこの耐え難い妻の裏切りも、


避けることのできない


私の運命なのではないだろうか?


「偶然」なのではなく、


「必然」ではないだろうか?


神が与えた試練なのだ。(私は無宗教です)


だから、それを受け入れて、

自ら試練を打破して、前に進むしかないのかもしれない。


そしてその試練を乗り越えた後に

幸せが待っているのかもしれない。


いや、必ず訪れるはずだ!


私のゴールはヤツらを地獄に落とす事ではない。




私がこの先幸せになる事がゴールなのだ。





そう信じて、今を生きている。