寒くて雨がシトシト降っていた。
前日の夜から頭の中で色々な事を
シミュレーションしていた。
昼営業は14時〜16時まで休業になるので
開店前に店に電話を入れておいた。
「U野?ちょっとハナシあるから
14時には店にいてくれる?」
「ハイ、わかりました。」
U野は素直に返答した。
昨日、A井の証言で
「そういうヤツって社長にチクったりするんだよな」
という発言があったと聞いていたので
おそらく何か勘づいただろう。
そして私は「詰める」と決めたからには
言い逃れできない様に完全武装を行う。
元妻も不倫クソ野郎にも
ギャフンとも言わせない一撃
を喰らわせたし。
たかが20歳のアオニサイなど相手にならない。
そして店に到着するなり
「U野、事務所来い。」
「あ、ハイ。」
二人事務所の椅子に腰をかけた瞬間
私は鋭い目つきで切り出した。
「あのさぁ、キミ、
アルバイトの子達をなんだと思ってんの?」
一瞬U野は黙ったが
朝イチ「ハナシあるから」
という連絡があったので
警戒していたに違いない。
「えっと、、
確かに色々反省はありますケド、
別に大切にしてないという気はないです。」
「じゃぁさ、なんでその人たちがいる前で
『使えない』とか『辞めればいい』なんて言えんだよ?
店長からそんな事言われて
『頑張ろう』とか、
『もっとしっかりやろう』なんて思えるか?」
「・・・思わないと思います。。」
「じゃあなんでそんな事が言えるんだ!
アルバイトみんな辞めて、店営業できるんか?」
「できません、、」
「できませんじゃねーよ!
ふざけてんじゃねーぞ!」
先制テクニカルストレートパンチ
を喰らったU野はその時点でKOされた。
私は間髪入れずに畳みかける。
「コレが1度目ならまだしも
2回目だぞ?わかってんのか??」
「ハイ、すみません。。」
とにかく、自分のした事が
どれだけアルバイト達のメンタルを
壊してきたか。をコンコンと伝え続けた。
しかし、プライドは傷つけずに
自分がやってしまった言動のみ指摘した。
「申し訳ないが、U野に
ここの店長を続けさせる訳にはいかない。
能力は認めているが
4号店に異動してまた這い上がるか、辞めるか。今決めろ。」
かなりヒートアップして
「続けるか、辞めるか。」
というところまで言ってしまったが
流れ的に
「辞めます」
という返事にはならない気がしていた。
ポーカーで言うと
散々betさせて最終的にfoldさせた。
世界ノヨコ○ワサン、アリガトウ
U野は10秒ほど考え込んで
「4号店でやり直します。」
という返事が帰ってきたので
店を後にした。
その後部長とバトンタッチして
フォローしてもらったが、、、
「U野、全然納得してなかったですよ。」
「だろうね。俺は一方的にボコっただけだから。そもそも、1号店の失敗を理解していたら
こんな事になっていない。」
「たしかに。でも『腑に落ちません』
の連呼でした。」
「まぁ、バイトの子達に全く非がない訳でもないと思うけど、社員1人とアルバイト10人だったら、どちらを取るかは目に見えて明らかだ。」
「そうですね。でも、U野、4号店に行きますかね?」
「それは正直なところ、五分五分だな。
U野が飛んだら俺が2号店に入るわ。」
「久々に現場復帰ですねw」
「でもそれは避けたいので
U野のフォローお願いね!」
「K田といい、U野といい
自分、結構キツイんですけど。。」
「今月手当てつけるからさ、頼むよ!」
「あーもう腑に落ちねーー!」
「部長がソレ使うなって!」
その週予定した社員会議を急遽中止して
U野以外の社員でミーティングを行なった。
「という訳なので、U野が4号店に行ったら
Y野、申し訳ないけど、2号店に入ってくれ。」
「ハイ。。わかりました。」
2日後
U野と部長の連絡で
『正直、やれるかどうか分かりません』
という流れで一瞬焦ったが
どうにか4号店に異動した。
ウワサを聞いていた4号店の皆が
「ぎゃー!あの人来るの?!」
と騒いでいたが
色々な制約を盛り込んだ
「誓約書」の署名
4半期一度の従業員アンケート実施
2度に渡る不手際で
キツイ処分も検討したが
「譴責処分」
で済ませてやる
というマウントで
始末書を提出させた。
1番迷惑喰らったのは
4号店にいたY野だろうか。
4号店での評判はとても良く
「Y野さんサイコー」
なんて感じだったのに。
正直、余談を許さない感じだけど
「2026年初春の陣」は
一旦収束した。
そして
結局K田は退職してしまった。
後から聞いたハナシでは
K田と付き合っていると散々ウワサのあった
4号店、元アルバイトの社会人が
一枚噛んでいて
自社に勧誘しているのでは?
という話を耳にしたのは
その1週間後の事だった。
2026年波乱
完?