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ニールのシアター

お越しいただきありがとうございます!鑑賞した映画・特撮・ドラマ・アニメをシェアしたいと思い、始めました!現在、様々な作品を開拓中!(まあ、たまに偏りはありますがw)

季節の移り変わり、つまり冬から春にかけては風邪をひきやすかった自分も、今年はやらかしました。花粉症とかのレベルじゃなくて普通に熱と風邪をぶちかましました。とはいえここ数年は全く風邪は引いていなかったんです、

バカだから。でも少し油断したらこれなのでどうか皆様もご自愛くださいませ。


まあそんなこんなで。アカデミー賞の発表も終わり、紹介したい映画、正直めちゃくちゃあります。もっと早いうちに書いておきたかったけど仕事とスマホ中毒の二刀流で溜め込んじゃいました。



なのでまずは直近で公開されたこの映画から扱おうと思う。


[映画レビュー#105]シン・仮面ライダー


とあるきっかけで秘密結社ショッカーによる改造手術を受けた本郷猛(池松壮亮)。その直後に緑川ルリ子(浜辺美波)と脱走。状況を飲み込みきれないまま、自分に与えられた人智を超えた力、異形の姿に恐怖する本郷だったが幸福を追求するという名目の下、人類支配を目論むショッカーを止めるべくルリ子とともに立ち向かうことになる。


公開日: 2023年3月18日

上映時間: 121分

製作国: 日本


監督・脚本: 庵野秀明

原作: 石ノ森章太郎

准監督: 尾上克郎

副監督: 轟一騎

撮影: 市川修、鈴木啓造

アクション監督: 田渕景也

美術: 林田裕至

デザイン: 前田真宏、山下いくと、出渕裕

音楽: 岩崎琢


出演: 池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、塚本晋也、松尾スズキ、手塚とおる、西野七瀬、森山未來、他 (まあここではまだあえて書かないでおこう)





正直この映画は可能な限り何も知らない状態で見に行ってほしいですね。

ネタバレをせず説明しても本当に凝った、変な、楽しい映画なので。今回の記事では決定的なネタバレはしないよう頑張りますが、作品自体のテーマやキャラのことについて書くことでもしかしたら展開が予想できるところもあるかもしれないので、そこはご了承ください。



なのでこんな記事を読まずとも何も知らない状態で見るのが一番楽しいとも思うんですよね。サプライズのキャラクター、演者、展開、盛りだくさんなのでだいぶ色んな手土産をくれる映画です。クレジットを観て「え、この人出てたの!?」というのも含めて。



2016年の「シン・ゴジラ」に始まり「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」(2021年)、「シン・ウルトラマン」(2022年)と続いてきた「シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース」というシリーズも今作でとりあえずは一旦落ち着くのかな、といったところ。


今作自体は2021年に仮面ライダー生誕50周年を迎えた際に制作発表されたのが始まりでした。当時は「2023年?なげえなぁ…」みたいなスタンスだったんですけどあっという間でその時は来ました。

「アベンジャーズ シークレット・ウォーズ」もきっとあっという間なのだろう。(2026年)

平常心で完成を待っていたとはいえ、この「シン」関連の中では間違いなく個人的に馴染みがあったキャラクターは「仮面ライダー」でした。



いや落ち着いて待ってましたよ?

ただ前日に寝れなかっただけですよ?


ちなみに今週の日曜日にはなんと主演の池松壮亮さんが地元の映画館に登壇されるということで内容など関係なく席は押さえ、2回見ることは確定した状態で初回上映には挑みましたw


感想としては、時系列ごとにだいぶ変化がありまして。



金曜日の夜、初回上映後。映画館の帰り道。「うん、普通に楽しかったな。あれは原作通りだったなぁ。ちょっとあそこはどうかと思ったけどまあ良いかな」

87点かな。


土曜日の朝、パンフレットを読みながら「へえ、これはこういうことで。」


土曜日の夕方「ん、待てよ。この映画、結構すごいんじゃないか。待ってくれ。もう一度見たいな…そうだ、明後日チケット取ってたわ。しかも本郷猛が鹿児島に来るではないか!!」


2回目鑑賞後、

「おおおお!たのしーーーーーー!!」

点数はあえて引き上げませんが、好感度は見るたびに調べるたびに増すような作品だと思いました。万人受けはしないでしょう。俺も手放しで絶賛、とまではいかなかった。でも本当は心の中では92点くらいなんですよ!まあそこは偏愛みたいなところも絡むと色々あれだしさ!


なぜそうなったのか。

少しずつ説明できればと思います。



まず、2時間のうちで話が進むごとに驚くポイントが必ず用意されているんです。ロードムービー、あるいは逃走劇のような所は結構ありますね。一つが出て、それに慣れてきた頃合いに新しいびっくりポイントが訪れる。これらを投げ続けてくれるのでそれでまず楽しいと。

見ればわかると思うんですけど、話の展開だけではなく、キャラクターの行動するスピードも気持ち早めに切り取られているような編集がされていて「え、もうそんなところに移動した!」と次の瞬間には場所が変わったり激しい戦闘に移ったりと、その作りが色合いは違うかもしれませんが「マッドマックス」のようなテンションをキープさせるような作りになっていました。そこで映るものに対して「好き」になれるかどうかが結構分かれ目だろうな、とも思いました。



映画のキャッチコピーである「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」まさにこれらで成り立っているような映画です。そこに倣った演出に対し人によっては

「ちょっとついていけねえ」ていう人もいるでしょうし、あるいは「最高ーー!」ともなる。よって賛否両論かと思います。ただいずれにしても視覚的にびっくりする体験をできる映画であることは間違いないと思うので、自分は「まあ、とりあえず見てみなよ」と伝えますかね。


庵野さん自身が仮面ライダーのどこに衝撃を受けたのか、庵野さんにとって「仮面ライダーといえばこれだよね」という点はどこなのか、そういったポイントを入れられだけ入れ込んだ一本。それが「シン・仮面ライダー」だな、という印象を持ちました。



初代の要素は大事にしつつもそこに庵野さん印のカメラワーク、バイオレンス描写、キャラクター設定の変更などが織り込まれています。テレビで当時見て感動したものを再現して、過剰な現代風アレンジはしない、そのまんまの感動や衝撃を今の観客に追体験してもらう。一部のBGM、効果音などもオリジナルからそのまんま使ったりもしてます。レッツゴーライダーキックのインストゥルメンタルを堂々と使ってライダー達をかっこよく見せる表現は素直に上がりました。これまでに春映画やリブートものがやってた別の曲で外すようなことはせず(全てが悪いわけではない)、オリジナルのテーマ曲を流すことでダサいどころか、むしろこんなに興奮させてくれるなんて。ものすごく好感を持ちました。あとは変身の手法、敵の死に方、なぜ仮面が必要なのかという理由づけなどなど。このサンプリング手法は、作風は違えどタランティーノにすごく通ずるところだと思う。


今作を見る前に初代の「仮面ライダー」全98話を初めて観たんですが、ほぼ同じアングルの映像もあったりするんですけど、そこにスマホカメラやCGが加わってなんとも言い難い、めちゃくちゃなんだけどものすごく興奮させられる画が続くんですよね。若干、CGがリアル感を削いでいるところもあるなとは感じたが、映画のスピード感を、熱量をキープする上での演出としては納得いくものだと感じました。なのでここはそれほど高解像度の映写方式ではなく普通ので映画館で観たら、意外と気にならないかもしれません。IMAXと通常を見比べて思いました。



最初は実写をメインで製作陣も考えていたそうなんですが、作っていくうちにCGを使うところが増えていったようです。驚いたのが、とある敵との暗闇での戦闘でCGがほぼほぼメインのシーンがあるんですが、実写で一通り撮ったけど映画全体のバランスを考えた上であっさりCGに切り替えたそうで「思い切りがすげえな」と思いました。実際にやっていたとしたら結構危ないシーンなんですよねwんでもってそのキャラが実写で動くシーンは正直観てみたかった気持ちはあります、明るいところで。

本編中の映像はどれを切り取ってもめちゃくちゃ美しくカッコいいので。



戦闘員の身長を統一するためにVFXを使ったり、一瞬一瞬の工夫が数え切れないレベルです。他のキャラクターにまつわるオマージュなどに至るまで。それら全てが功を成しているかと言うと…そこは正直自信を持てないところはありますが!汗

それでもCGで良いところもあります。仮面ライダーの変身は、もし現実味を増した上で初代ライダーのバイクでの変身をやるならこうだよね、という風になっていました。


変身はマジでかっこいいです。


そしてこの映画まで見て「シン」シリーズに共通していたテーマはどう言うものだったか改めて考えることになりました。言わば、かつてよりあった作品の魅力・独自性を再認識した上でその精神性をどのように今引き継くのかというテーマ。そこが一貫しているからこそ、今作での本郷役が池松壮亮さんだった点、浜辺美波さんの孤高さに表れているのかなと思ったりもしました。



個人的には実写の「シン」シリーズはどうも難点のあるヒロインが続いていたんですが、振る舞いと台詞と用意周到さ総じて浜辺美波さんのルリ子が1番良いヒロインだなと思いました笑 二人の関係性の描き方も映画のバランスに沿っていて品のある関係性だと思いました。そして本郷猛、強さ以前に人間らしさもどこか希薄な感じからスタートして徐々に変化していく池松さんの本郷も、これまでの「仮面ライダー」問い直しで出てきた迷える主人公の総決算のようなキャラクターになってて…あとから響くキャスティングでしたね。一文字は言わずもがなw もう最高です。

佐々木さんの時から、一文字はカッコよくなってしまう呪いだと思います。



特に一文字の存在感の重みに特別さを感じざるを得ませんでした。詳細はごめんなさい、あえて省きますね。

まさに「シン」シリーズのテーマを総括する存在として光っていたんですよね。原作に沿って締めることが、テーマに沿うことにもなるわけなんです。この結末も人によって受け取り方は様々だと思うんですけど、僕は何を1番に思ったかと言うと…


こういう展開、今んところマーベルにもDCにもないよな。


そこからさらにこの映画への愛着、いや、「仮面ライダー」というヒーローコンテンツに対する愛着が爆増してしまったわけです笑


まあそりゃあね、CGのクオリティに関しては見劣りはするでしょうよ。でもアイデアの連続で50年潜り抜けてきた凄さ、だけでなく歪さも刻み込んだ、今作をもって「仮面ライダーは、日本のヒーローはこれだよ!」と僕は胸を張って世界に推したいと勝手に思いました(勝手に) この映画ならどれだけ海外の友達にツッコまれても飲みで熱量込みで一晩かけて説得する気力がある。(知らんがな)



とまあそんな感じで後半はもう完全に偏愛の域だったわけですが、またしばらくは個性的かつ愛の深い、というか重い邦画大作は見れないだろうなって気がするからついつい書き殴ってしまいました笑 歪な映画であることは認めざるを得ません。


本当は各キャラのマスクデザインのカッコ良さとか、

クモオーグの声に惚れ惚れしたとか、




西野七瀬のハチオーグのツインテールが最高すぎる話とか色々したかったんですが、この辺にしときます。


上映フォーマットはどの形態でも良いかと思います。


「シン」シリーズ現時点での最終作と言われているし、純粋に「楽しい」と思えたら細かい話は聞かなくて大丈夫ですw マジです。身を任せて、風を受けてください。



最終評価は87点です。



最後までお読みいただきありがとうございます‼︎



ちなみに初見は同僚と見に行ったんですけど、とにかくネタバレになる話が多いので鑑賞後はかなり話が盛り上がるんですが、それを伝えられないのが心苦しいですね


特に思ったのは

・◯◯+◯◯の◯ィ◯◯アは発売されるかなとか

・◯◯◯の◯ル◯はプレバン行きかなとか

・仲◯◯ウ◯と◯田◯、いまだにどこに出てたかわからん、とか



うーん。



まあ、良いや

なあちゃんを拝んで締めましょう( ̄∀ ̄)