[映画レビュー#54]仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER | ニールのシアター

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平成が終わり遂に令和を俺たちは迎えたわけだが、何か趣味がある人、何かに取り組んでいる人、あるいは慌ただしく毎日を送っている方、

これをやらないと平成から令和に気持ちが移らない!

そんなことを思うようなことはあるでしょうか?

僕の場合は映画が好きなので、「これを見ないとダメだ!」ってなる映画があるわけなんですが

二本あるうちの一本は「アベンジャーズ / エンドゲーム 」

そしてもう一本が、

今回レビューする作品です。

時代が終わる

すべてがはじまる


普通の高校生、常盤ソウゴは謎の怪人たち、ソウゴと行動を共にするゲイツ、ツクヨミと合流するが、なぜかソウゴは自分が仮面ライダージオウであることを忘れてしまっていた。一方、かつて世界をリセットすることで悪から人類を守った仮面ライダービルドに変身する天才物理学者、桐生戦兎と仮面ライダークローズこと万丈龍我の周りでも謎の怪人たちが出現し、さらには記憶を失ったはずの仲間たちまで仮面ライダーとして現れる。
それぞれの場所で事態を収拾しようとするソウゴと戦兎だが、2人はある事実に直面する。

自分たちの存在は架空のものであるということ。

仮面ライダーは、虚構である、と。

正式タイトル: 平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER
公開日: 2018年12月22日
上映時間: 100分
製作国: 日本

監督: 山口恭平
原作: 石ノ森章太郎
脚本: 下山健人
脚本監修: 小林靖子
アクション監督: 宮崎剛
特撮監督: 佛田洋
音楽: 川井憲次、佐橋俊彦

出演: 奥野壮、犬飼貴丈、押田岳、大幡しえり、渡邊圭祐、赤楚衛二、高田夏帆、武田航平、水上剣星、福崎那由他、斎藤汰鷹、大東駿介
/ 石丸謙二郎、生瀬勝久、佐藤健

声の出演: 滝藤賢一、関俊彦、遊佐浩二、てらそままさき、鈴村健一
/ 賀集利樹、須賀貴匡、井上正大、西銘駿




まあこれはね、流石にアメリカ在住の自分はソフトが出てからの鑑賞となったわけだけど、

良し悪しは別として(いや、良かったんだけど、)

平成仮面ライダーを追い続けた者としてはやはり見るべき映画だな。


そんなことを思わされる映画でした。今作は仮面ライダー史上初のメタ的なテーマを全編で扱った映画でした。これは個人的に、いや、あるいは平成ライダーファンにとっても意外な驚きだったと思う。というのが仮面ライダーの冬時期の映画っていうのは2009年の「仮面ライダーディケイド」終了以降、必ず作られていたんです。で、その中でやることは、旧作ライダーとその次に当たる新ライダーのそれぞれの物語をやりつつ、クライマックスではそのライダーメンバーが共演して共通の敵に立ち向かう、そして次世代へバトンタッチ、みたいなことを毎年やっていたんです。(長年「MOVIE大戦」という名で続いていました。) まあ、良くも悪くもあまりテレビ本編は関係ない「お祭り映画」です。しかし2016年からは「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」にタイトルが変わりました。そこからは、旧作とその次のライダーの共演だけに止まらずさらにその前のライダー達も後輩のピンチに手を差し伸べ変身してもしなくても豪華な絵面を提供してくれるという、

スケジュールがギリギリまでハッキリしないので脚本家、キャストマネージャーを困らせるでお馴染み東映特撮にしては結構頑張っているシリーズ

それが近年の冬の仮面ライダー映画の流れですw「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」になってからは「流石に出ないだろう」と思われているような、かつてはライダーを演じた売れっ子役者を仮面ライダーの世界に再び同じ役で呼び起こし、「アベンジャーズ 」のような、あるいは「ルパン三世VS名探偵コナン」のようなクロスオーバー作品が製作されました。各番組を終え、年を経てからの福士蒼汰さん(フォーゼ)、竹内涼真さん(ドライブ)佐野岳さん(鎧武)などの再演はかなりのサプライズでした。しかもそれら、結構出来が良いんです。テレビシリーズの重要な伏線を映画にも張ることで視聴者の関心を継続させたりなどなど。

そういった流れが続き、遂に昨年の9月から放送が開始した「仮面ライダージオウ」で、2000年に放送開始した「仮面ライダークウガ」からちょうど平成仮面ライダーが20作品に到達しました。2018年の冬に公開される「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」最新作が平成最後の仮面ライダー映画になるということで、一体どんな映画になるのかファンの間では期待が高まっていた末、明かされたのが

僕たちが覚えている「仮面ライダー」は、本当はいないのか?


平成最後にして、様々な変革を行ってきた平成仮面ライダーの存在意義を改めて問い直す、という子どもにはすぐにはピンとこない、あるいは勘のいい子供の夢をぶち壊しかねないようなテーマを今作では提げてきたわけです!w これまでわんさか騒いでいた作風とは大違いというか。


個人的には過去2作を超えるようなクロスオーバー大作を期待していたので、最初に知った時は少々肩透かしを食らうことにはなりましたが、徐々に、大人も混ざり、ちゃんと全編を通して考え、熱く入り込める仮面ライダー映画を久しぶりに観れる嬉しさが湧いてきてワクワクしながらブルーレイを再生しましたw

内容はどんなもんだったか??


映画前半と中盤は、ジオウとビルドを中心とした「なぜ自分たちの記憶、世界に異変が起きたのか」を巡るサスペンス。(パート1と呼ぶことにします。)後半部分は平成仮面ライダーを愛する人々の思いから具現化された仮面ライダー達が虚構と現実の垣根を越えて現れ、戦うクライマックス。(パート2と呼ぶことにします。)


初めはちょっと飲み込めなかったのが正直な意見。というのもパート1で
起きている出来事や記憶変動には必ず物的理由や証拠があるため、結構理屈ありきで考える作りなんです。だから見ていた僕もその理屈ありきの鑑賞態勢で見続けたんです。そしたらパート2のレジェンドライダー勢、その他の仲間達が登場するところで混乱してしまうわけ。

え?!どうやって君ら出てきたの?!


パート1が理屈ガチガチで作っているがゆえに、パート2で急に理屈なしの「人の思いからライダーが登場した!」という展開が唐突に初見の僕は感じてしまったんです。パート1の流れからパート2を見てしまうと、「なんで仮面ライダー達が出てきたんだ?」そんな疑問を持ってしまう人は少なからずいるんじゃないかな、と感じました。

とは言えですね、今作のメッセージ「たとえ虚構であったとしても、僕たちの記憶にある限り、仮面ライダーはいる」、このメッセージは最初から最後までブレることは無かったです。そしてこのメッセージに冬の仮面ライダー映画でお決まりの特徴がびっくりなくらいピッタリ組み合わさっています。どこまで構想されていた通りなのかはわかりませんが、特に電王の介入は他のお祭り映画の中でも一線を画すような重要度。テーマが最後まで全くおざなりになっていない!

メッセージを根幹にしつつ...

・仮面ライダージオウとビルドのクロスオーバーをやる。
・レジェンドライダー仮面ライダー電王こと、野上良太郎(佐藤健)との邂逅


そして映画のキーになるゲストキャラの少年2人、アタルシンゴ。これまでもライダーの戦いにはよく一般の少年が巻き込まれることは多かったんですが、その扱いというかキャラ設定というのがこれまで作品ごとに本当にひどかった!

「僕のことなんてどうだって良いんだ...」
「僕は自分自身の居場所を探しているんだ...」

ネチネチネチネチ

みたいな、ツイッターで探そうと思えばいくらでも見つかりそうなメンヘラこじらせたマセガキに仮面ライダーが振り回される、というのが春・あるいは冬映画の恒例だったんです。(製作陣は決してそれを狙ってるわけではないはずです汗) 最後には「結局あいつは何を伝えたかったんだ?てかいつ改心したんだよッ!!」と勝手に毎年イラついてたんですが...

どうしました...?

今作のアタルとシンゴはこれまでの一般人キャラの中でもかなり突出した人物であり、彼ら自体も映画のテーマを担う不可欠な存在を確立していました。すごく普通の少年なんだけれどもそれが良かった。一見普通の子なんだけれど物語が進むうちに彼自身の負の感情が自然かつ結構どきつい事情が見えてくる。それがまさに現実の自分たちに近いもので。
そして彼らも日常にそれぞれ辛い側面があってそういう現実から少しでも自分を癒せる娯楽。彼らが唯一現実を忘れられる瞬間、それこそが、

仮面ライダーなんだ。

その彼らの切実さとのしかかっている圧迫感のリアルさが

めちゃくちゃ俺の心に刺さったわけよ。

なんか、まるで自分のことを見ているような気持ちになったんですよね。(アタルに失礼だよな、ごめんごめんw) でもこうやって一般人キャラにここまで感情移入できたのはライダー映画ではそうなかったことです。

それからですよ!!後半でその彼らの存在が生きてくるわけです。

何者でもない彼らがちゃんと現実に向き合い、その上で自分を支えてくれた仮面ライダーを、たとえ虚構だったとしても信じる気持ち。

そしてそんなアタルの思いが引き寄せた奇跡の

平成仮面ライダー大集合。

彼らは負から生まれた現実逃避などではなく、本当に現実で苦しむ人々を助けるためにやってきた。

そこにいるのは確かに俺たちが応援していたあの仮面ライダーなんだ。

2度目の鑑賞でやっとここまで全て落とし込めました。そうなったらですよ、


こんなん、泣かねえわけがねえだろう!!


そこからの平成仮面ライダーの戦いは限られた時間ではありましたが、特徴を踏まえたアクションを丁寧に丁寧に見せてくれました。

驚くことにですね、ここでの各ライダーの声は過去のテレビや映画で使われた役者本人の音声を再び使っています。これでモブキャラ感は出ないし、本物感が増すんですが、それだけでなく、今作のテーマも相まって

俺たちが昔、テレビで見ていた、それぞれの記憶の中にいる仮面ライダー達が現実で戦っている感を結果として演出することに、繋がっているわけです!なんたる偶然!

更に、アギト、龍騎、ディケイド、ゴーストは新たに声をオリジナルキャスト(賀集利樹、須賀貴匡、井上正大、西銘駿)が吹き込んでくれました。見たからわかるんですが、せっかくならもっと喋らせて欲しかった、なんなら顔出しで出演して欲しかったという悔しさは残りますが、後にみんな「ジオウ」のテレビ本編には登場したので良しとしましょう!



(こうやってテレビ本編と映画の写真を交互に置くことで脳内保管をすると言う大人の遊び)



役者陣の演技は皆んな一通り素晴らしかったです。ティードは目的が若干不鮮明な点もありましたが、大東駿介さんが作り出すオーラは無二なものでした。レギュラー出演してほしいぐらい。


ここ数年、ファンサービスとテレビ関連のストーリー展開の冬映画が続いていた中で、メタ的テーマを最後に置いたのはすごく意義があることだし、(全て悪いとは言いませんが)テンション任せのお祭り映画から完全に脱却した、芯のある、ヒーロー映画を見ることができました。
一見だけではちょっと混乱する作りにはなっていますが、繰り返し見ることで時間をおいてじわじわとくる映画だと思うので時間のある方、何か少しでも仮面ライダーの思い出がある方、

きっと何か届くものがあるのではないでしょうか。


個人的には、早いうちからフィクションという言葉の意味を知っていながらも特撮を愛している自分自身のことを救ってくれたような映画でした笑


最終評価は、86点です。






最後まで読んで頂きありがとうございます!


テレビシリーズの「仮面ライダージオウ」も残り数話ほど。ディケイドとディエンドも介入し、どんな風に転がっていくのやら。こちらも楽しみです。


次回は、「スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム」をレビュー予定です。