[映画レビュー#11] 新宿スワン | ニールのシアター

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久しぶりの邦画だよ、興奮して来たな。

今回見た理由というのはシンプルに園子温と綾野剛という名前に惹かれてこれを選んだ!

だけ。


一文無しで途方に暮れていた白鳥龍彦は、歌舞伎町でスカウトマンの真虎に誘われる。スカウトとして頭角を現して行くまでの龍彦の成長と、裏社会のスカウト会社同士の抗争を描く。

(2015年 5月30日 公開)
監督: 園子温
原作: 和久井健
脚本: 水島力也、鈴木おさむ
プロデューサー: 山本又一朗
撮影: 山本英夫
編集: 掛須秀一
音楽: 大坪直樹
出演: 綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ、伊勢谷友介、金子ノブアキ、深水元基、村上淳、久保田悠来、真野恵里菜、安田顕、山田優、豊原功補、吉田鋼太郎


原作は全く読んでない状態で鑑賞。

結論: 部分的に褒められる点は所々あるんだけど!全体的には....普通....って感じ

読んでないとはいえ、映画館で置いてた小冊子で原作がどんなビジュアルかってのは少し見ていた。んで思ったんだけど、再現度はなかなか良かったのでは? キャスティングも役者もキャラに近づけようとガチで務めてくれる人が揃っていた印象。


主演の綾野剛さんは、人格の引き出しに驚かされる!
謎な、静か、落ち着いた、朝ドラやスパイダーオルフェノク、黒服星人とは全く違う熱血バカ系、しかも一歩間違えれば浮きそうな役を、違和感なくやってのけちゃう!役者にイメージがついたら終わりと本人は言っているが、決して簡単な事じゃない。それでもまだまだ限界を見せない彼はもう、
俺もファンになっちゃうよ、ええ♡
他の作品を研究したくなるような役者さんです。



伊勢谷友介さんは、作品の出来の良し悪しは別にしてよく漫画実写化ものに呼ばれるけど、毅然としたキャラをやらせると見事にこなすのが本当に凄い。かっこよく決まっちゃうんだよなぁ。その他キャストも雑魚キャラ(愛称)含め、平等にどこか印象に残る瞬間があった。特撮好きの自分としては洋介役の久保田悠来さん(仮面ライダー斬月)、真野恵里菜さん(サトリマス♡仮面ライダーなでしこ)、池田純矢さん(ゴーカイシルバー、ゼン) が出ると思わず謎のアンテナが立つというw


夜の歌舞伎町は煌びやか、美しく撮られていた。プロデューサーの山本さんといえば「クローズZERO」シリーズが印象深いけど、雨の中、ボコり合うシーンはねえだろうなぁ、思ったのよ。

やりますねぇ。
何だろう、男がそれなりに揃ったら山本プロデュースの映画では殴り合うルールなのかな?そんなわけねえよなw しかもこの瞬間、どこか見覚えあるなぁ、と思ったら「クローズZERO」出演者が今作も再集結していたというw

鑑賞前に少し調べて目を引いたのが、園子温監督が初めて脚本を書かなかった作品という点。大抵、というかほとんどの園子温作品は監督自身が脚本も手掛けている。新人監督に戻ったつもりで挑んだ、という話もあり、他の人が想像した世界観から新たなものを作る、これをやってみたかったのだと。確かに、これまで「なんじゃこりゃ」と思わせる要素(良い意味でも悪趣味の意味でも)を詰め込んでいる作品ばかりを自分も見ていたのでどうなるものか、と期待していた。その結果は...


ちょっとこじんまりだった...

龍彦の成長劇だったり、歌舞伎町で生きるキャラクターそれぞれの姿は見ていて楽しい群像劇ではあったんだけど、本編中の全ての展開に意味があったか、と言われると、無いよね_:(´ཀ`」 ∠):


中でもスカウト会社のバーストとハーレムの抗争、これがクライマックスで盛り上がるところなんだろう、と思ったら、小さな対立や策略がちょこちょこ繰り返されるため、最後の龍彦と秀吉(山田孝之)の対峙がそこまで重要に見えなかった。雨の中の殴り合いのシーンはもうちょい尺を削れると思った。

あとアゲハ(沢尻エリカ)、女優さんを美しく撮れる園子温監督なだけあって、よりお美しかった。んだけどアゲハもまたそこまで本編には関われてなかったのが微妙だったなぁ。秀吉に騙された、中の一人ってだけでヒロインとして他の女性陣と大きな違いってのはなかった。

というわけで、秀吉とアゲハに関してはポスターでも大きく目立つだけにもったいなかったですね(ー ー;)


そもそもこれまでの園子温作品はかなりの独自路線で強烈なところから、人によって好き嫌い分かれるものが多い印象。だからこの「新宿スワン」を見て園子温節を期待した人の中には残念だったという人もいるはず。自分も、少し監督色は弱まっているな、と思ったけれど、今後も園子温による大衆映画を観れるという期待感も得られた。言うてまだ1本目ですから! 園子温はこういうエンタメも作れるんだ!という証明にもなった一本だと自分は感じた。興収などを考えないSONO film、大衆向けのSONO filmで分けて展開されていくことでしょう!


本数が重なるたびにきっとまた面白い作品、作風が生み出される事を楽しみにしたい。


そんな想いも込めて最終評価は 67点






2作目もレビューする予定です。


じゃ、また!