#091 春の怪談 「猫の声」 | 后前弐時のブランチ

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少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

暑いですね。


今日は蒸し暑い感じですかね…。


普通に歩くだけでも日焼けしてますね。



「あれ?社長ゴルフってされましたっけ。」


「昔してましたよ。へたくそですけど。」


「なんでそんなに焼けてはるんですか。釣りとかですか。」


「街焼けです。」


なんて会話を昨日もしてました。



寂しいですね…。


街焼けって(笑)



春の怪談シリーズ。


もう春っぽくないので、来年に回そうかと思ったのですが、やはり少し書か


ないと、


「おーい。そろそろ書いて下さいよー。」


なんてメッセージを頂いたりします。



少しバタバタしてて更新できなかった事をお詫び申し上げます。



さて、今日の話、これも20年程前の話なのですが…。


よく春先になると、猫にもサカリが付いて、夜中にニャーニャーと鳴き声が


聞こえますよね…。


あの声、実は私はあまり得意ではないのです。


赤ん坊の泣き声にも似てませんか。



その日はある友人の家でマージャンをしてました。この頃は毎週週末にな


ると誰かの家や雀荘でマージャンをする事が多かったですね…。



その友人の家は公団住宅で、どんどん人が減って来ている団地でした。


両親の住む部屋は別にあるのですが、友人は別に部屋を借りてました。


家具もほとんどない部屋で窓を開けて、男4人で色気も無く、タバコを吸い


ながら、夕方からマージャンを始めたのです。



友人の家なので、時間を気にする事も無く、のんびりとやっておりますと、


誰からともなく、


「おい、腹減ったでー。誰か買い出し行ってこいやー。」


なんて声が出てくるようになります。


私はその友人の家まで自転車で来ており、原付で来ていた友人が、


「俺が行ってくるわー。」


と立ち上がりました。


「俺、牛丼。」


「俺、王将の餃子かな。」


なんて色んな注文が出ます。



なんでもいいのです。お腹がいっぱいになれば(笑)



その友人が買い出しに行っている間は少し休憩となり、残ったメンバーは


それぞれに漫画を読んだり、TVをみたりと寛いでました。



私は壁にもたれて、少しまどろんでいました。


毎日毎日バイトを遅くまでやってましたので、眠くて仕方かないのです。



すると壁の向こうから、


「ニャー」


という声が聞こえます。



あ、隣は猫を飼ってるんだな…。



その時はそれくらいにしか思っていませんでした。



友人が帰って来て、飯を食い、またマージャン再開です。


もちろん朝方までやる予定で集まってます。



夜中の2時頃でしたか、一人の友人が、


「腹減ったなー。」


なんて言い出しました。



今と違い、そんなにその時間に開いてる店も無いのです。コンビニくらい


かな。



「じゃあちょっとコンビニ行ってくるわ。」


とその部屋の友人が言い出しました。


みんなで適当に色々と頼んで、その友人は出て行きました。



私は窓から、その友人が原付で出て行くのを眺めてました。



すると、今まで気がつかなかったのですが、その団地の公園らしき所に


猫が沢山いる事に気がつきました。


しかもサカリがついて、ニャーニャーとうるさいのです。



マージャンをしている最中も、隣の部屋からそんな猫の声が聞こえてい


たのは、このサカっている猫に反応してか…。


と私は納得しました。



友人が帰って来て、また夜中に色々と飲み食いしながら、マージャンを


再開。



「この団地って猫多いなー。」


私は友人に聞きました。


「そうやねんなー。餌やってる人とかおるからなー。」


友人はそう言います。


「ペット飼ってもいいんやろ。」


「あかんねん。結構厳しいで。」


「あーそうなんや…。」


なんて会話をしました。



「隣の部屋。猫おるよな…。」


と私が言うと、その友人は不思議そうな顔をして私を見ました。







「なに言ってんねん。隣の部屋って空き家やで…。」


どうやら私の聞き間違いだったようです。




と、思っていたのですが…。




「隣な…。去年まで若い奥さんと赤ちゃんの二人暮らしでなー。


その赤ちゃんが病気で死んでしまってよ…。夜中によー泣く赤ち


ゃんやったわー。それが何日か聞こえへんなーって思ったら、


その赤ちゃん死んでて…。その母親もどうしたらえーかわからん


から、死んでる赤ちゃん抱いたまま数日おったらしいんよ。」




え…。


私は背筋がぞっとその瞬間にしたのです。



「結局、その奥さんもちょっと頭がおかしくなって病院に入りはって


両親が部屋を片付けに来てはったけど…。だから空き家やで…。」




私が聞いた声…。


あれは赤ん坊の泣き声だったようです。



その後も私には隣の部屋からの泣き声がずっと聞こえてました。


友人たちに何度か言ったのですが、


「何も聞こえんわー。」


と笑い飛ばされるばかりで…。





春先に猫のサカっている声を聞くとこの事を思い出します…。



皆さんも猫の声によーく耳を傾けてみて下さい。


赤ん坊の声に聞こえませんか…。








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