雨の日。
それだけで移動が大変です。
私は傘が嫌い。少々の雨なら傘をささずに出かけてしまいます。
今日もライオンズのセミナーがあり、仕事で遅くなったのですが、
雨の中でかけました。
上着が失敗。雨にぬれると目立つ色。
クールビズなので、ラフな格好ではあるのですが…。
今日の話は、今の様な梅雨時の話しではないのですが、春の雨の日の
話です。
雨で桜の花びらが散って、アスファルトが桜色に染まります。
そんな日の事でした。
私は友人と二人で、待ち合わせをしてました。
駅のコンコースで待ち合わせをしてたのですが、友人がいつまでたっても
来ないのです。
携帯もない時代ですので、待つしかないんですよね…。
普段下りない駅なので、周囲になにがあるのかもわからず、私はじっとそこ
に立ってました。
すると、その私の前を行ったり来たりする女性がいるのです。
しかも傘もささずに長い髪をビショビショにして…。
そして何度か立ち止まり、私の方を見ます。
その目がとても印象的でした。決して睨んでいるのではないのですが、
やたらとその視線を感じるのです。
夕方の少し暗くなる時間でしたが、その女性は何度も何度も私の前を行った
り来たりします。
ようやく友人が現れたので、近くの居酒屋に行こうという事になりました。
友人と二人でその居酒屋まで歩いて行こうと駅を出ました。
しかし、私はその女性が気になって仕方ないのです。
「ちょっとタバコ買ってくるわ。」
友人はそう言うと近くの自動販売機へ。
私は近くの軒下に立ってその友人を見てました。
その時です。
私の前を歩いていたずぶ濡れの女性が私のすぐ横にいました。
全身がぞっとしたのを覚えています。
そして、
「すみません。これくらいの子ども見ませんでしたか…。」
そう言うと自分の腰のあたりに手を置きました。
「いえ…。見てないですね…。」
私の声は上ずっていたかもしれません。
「そうですか…。」
そう言うと女性はまた駅の方へ歩いて行きました。
「どうしたん…。」
友人が戻って来て私にそう言いました。
「いや…あの人が子ども探してるみたいでさ。」
私はその女性を指さして言いました。
「どれ。」
「いや…そこの傘さしてない女の人よ…。」
「お前、何言ってんの…。」
そこで初めてわかりました。
友人にはその女性は見えないようでした…。
わかっていたような、わからなかったような…。
「勘弁してーや。」
友人は歩き出しました。
私は友人について歩いたのですが、何度も振り返ってその女性を
みました。
すると、その女性は…。
私の方を見て、頭を下げました。
その瞬間、その女性は消えました。消えたと言うより見えなくなった
という方が正しいのかもしれません。
その日、友人と居酒屋で酒を飲んで帰りました。
後日、友人Fにその話をしました。
すると、
「あー、それ有名な奴やな…。子ども探してる幽霊やろ。」
Fは普通にそう言いました。
「結構見てる人多いと思うで。雨の日だけ出てくるらしいわ。」
そうか…有名だったんだ。
今もいるのかな…。
TODAY'S BGM 「レイニーブルー」 徳永英明