#042 秋の日の怪談 「霊道を持つ家」 | 后前弐時のブランチ

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少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

今日の曜日もわからないまま…って日が続いてます(笑)


ダメですね~仕事にはメリハリをつけないと…。


どなたかこの哀れなコンピュータ屋に仕事を下さい(笑)



今日はデータセンターと事務所の間、片道4キロくらいですかね。


往復歩きました。


ある人にプレゼントしたい絵があって、原付や自転車では運べないし、


車を自宅に取りに行くのも面倒で、歩いて取りに行く事にしました。


もう涼しくて歩いても汗もかきませんね…。


いい季節です。



今日も秋の怪談を少し…。もう涼しいので必要ないのかもしれません


が…(笑)



ある友人から「祭りがあるから来ないか」と電話がありました。


別に祭りに興味はないのですが…。


「ちょっと相談したい事があってな。」


と言うので行く事にしました。


友人は地元の青年団員で祭りを抜ける事が出来ないと言うので、その


友人の家に車を先に止めて、友人の奥さんと母親に挨拶をして、青年団


の集まる集会所みたいなところに訪ねて行きました。



みんな盛り上がってて、ガンガン酒を飲んでいました。


私も行くといきなり升で何杯か飲まされました。



その日は土曜日で、翌日も祭り。数名がその集会所に泊まり込む様子。


私と友人は落ち着いた頃に抜け、友人の家に行きました。



奥さんたちがすごい料理を準備して待っててくれました。


友人の家は農家で、お父さんはその数年前に亡くなってました。大きな


古い家です。友人はサラリーマンで、農家の仕事は母親がやってました。



マツタケご飯、大量の煮物、刺身、肉、そして酒。


もう酒は正直たくさんでした…(笑)



友人、友人の奥さん、友人の母、妹、弟、そして私。


賑やかに料理を食べてました。


祭りという事もあり、みんなハイテンションでした。



しばらくすると弟と妹はそれぞれの友人と出て行きました。



「で、相談ってなんや。」


私は落ち着いた頃に友人に聞きました。



「あー。そうそう。」


友人は立ち上がり仏壇の下から紙袋を持ってきました。


「お前、霊感あるって言ってたよな。○○から聞いてな。」


○○ってのは共通の友人でした。


「あー。ちょっとやで。あんまり役には立たんけど…。」


そう言いましたが、色々と料理も頂いているので…。



その袋を友人が開けようとすると、


「ひー怖いわ…。」


と言い友人の母親はその場を去って行きました。



私もその言葉が少し怖かった。



紙袋の中から出てきたのは腕時計、メガネ、タバコケース、そして櫛。


そしてそれらは全部割れているのです。



「なにこれ…。」


私はそれらを手に取り見ました。



「それ全部、オヤジの遺品やねん…。」


友人はそう言って私の前に全部並べて行きました。



「なんでこんな事したんや…。」


私はそれを見ながら友人に聞きました。



「それが違うんや…。別に俺らはオヤジに恨みもないし、こんな事する


必要もないやん。」


まぁそうだろうけど…。



「これな…全部仏壇の前に置いてたんよ。」


私は仏壇を見ました。仏壇の前に仏卓があり、そこに置いていたようです。


「ある日、起きて朝オヤジに線香あげようと思ったら、全部割れてたんや。」



……。



私はそのポルターガイスト的な話に驚き声が出ませんでした。



「あそこにオヤジとばあさんの遺影があるんやけど、あれも割れてたんよ。」


私は立ち上がり遺影を見ました。


友人の父と祖母。その遺影にはガラスが入ってませんでした。



「遺影のガラスは割れたから入れ替えたんやけど、また数日したら割れてて


さー。そこからそのままやねんけど…。」



完璧にポルターガイストの様な話だった…。



友人はそんな事もあり、お寺に相談したらしい。するとそのお寺の和尚がやっ


て来て、家を見てくれたそうだ。



「その和尚いわくは、どうやらこの家が霊の通り道になっているらしいんよ。」



霊道というのを私も聞いたことがある。


霊が通る道。その道ではいろんな心霊現象が起こると言われている。



「でもな、そんな事今まで無かったからよ…。」


友人は身を乗り出してそう言う。



「う~ん。」


私にはさっぱりわからない話だった…。



「他にもなにかあったんか。」


私はあまり聞きたくなかったが、念のために聞いてみた。



すると母親も帰ってきた。


全部は覚えていないが、すごい数の現象が起こっていた。



林檎がきれいに二つに割れる。


時計の時間が合わせても合わせても狂う。


テレビのチャンネルが勝手に変わる。


電話に雑音の様なモノが入る。


風呂のお湯が赤く染まる。


目の前でグラスがひとりでに割れる。



金縛りに合うや、人影の様なモノを見るなどは当たり前のようにあるようだ。



「オヤジが怒ってるんやろうか…。」


友人は真剣にそう言う。



「別に何かした訳じゃないんやろ。」


私はそう聞いた。


「それがなー。それも考えてみたんよ…。で、こんな事が起こり始めるタイミ


ングでやった事があるんよ…。」


友人はそう言う。


「何をやったんや…。」



「実は、裏に栗の木があってんけど、夏にスズメバチが巣作ってな。それを


退治するのに木を焼いてしまってな。焼けたからその木を切ったんや…。」



友人は続けて、


「でも別にオヤジがその木を特別大事にしてた訳じゃないんやけどなー。


どっちかっていうとほったらかしやったし…特に思い入れがある木やとは思え


んのやけどな…。」


そう言う。



私にはわかった。


木などを植えて霊道を動かすという話を聞いたことがあった。要は木を切って


しまった事で霊道が動いてしまったのだろう。



ただ、何の確信もない。


とりあえず、外に出てその栗の木を見る事にした。



母親に連れられて、裏口からスリッパをはいて出た。



確かに友人の家の北側にきれいに木が切られた跡があった。そしてその北側


を見ると大きなお寺が見えた。



「あのお寺って。」


「あー。うちもあの寺の檀家。」


友人は指をさしながらそう言う。



部屋に戻り、色々と体験したという友人の話を聞いた。



寝ていたら、日本刀を突き付けられた事もあったという…。



そんな体験をしながら暮らしているってすごいと感心した(笑)





その日、飲んでいる私はその友人の家に泊まる事になった。


しかし、その日は私には何も起きなかった。



だが、翌朝、面白い事が起こったのだった…。



豪勢な朝食を食べている時のことだった。


友人の家に、お寺の和尚がスーパーカブに乗って普段着で血相を変えて


訪ねて来たのだ。


母親が和尚を連れて私たちが朝食を食べているところに入ってきた。



普段着の和尚は見る限り普通の人だ。


私には誰かもわからず、とりあえず頭を下げて挨拶をした。


友人に和尚だと説明してもらいようやくわかった感じだった…。



和尚はお茶を飲みながら、


「夢にオヤジさんが出てきてなー。とりあえず朝一番に家に行ってくれって


言うんや…。」


と言う。



夢枕っていうやつですね…。


私は栗の木の話を和尚や友人に話した。


確信はないままなのだが…。



「私も聞いた事あるな…。」


和尚もそんな事を言い出しました。


「また来ます。」


そう言うと和尚は颯爽と帰って行った。



しかし30分ほどで和尚は帰ってきました。



「うちのじいさんに聞いてきた。」


と和尚は話し出した。



友人のオヤジさんが小さい頃にその家は建ったそうだ。そしてその時に


やはりその家は霊道になっていたらしく、その時にその和尚の父親が、


北側に木を植えろと指示して友人の祖父が栗の木を植えたと言う。



「やっぱ木切ったらアカンかったんやなー。」


友人はそう言って原因が分かった事を喜んでいた。



その日、友人は喜んで祭りに行った。



私は友人に祭りに来いと言われていたが、もう酒を飲まされるのがいやで、


そのまま帰った。マツタケご飯をもらって…(笑)






その翌週、友人から電話があった。


ホームセンターで木を買ってきて、栗の木が植わっていた場所に植えたと


いう。



「何の木にしようかと思ったけど、栗の木植わってたし、今回も栗の木にした


わー。」


そう言っていた。





数年後、友人には子どもが生まれて、家を建て替えたと連絡があった。


「家、見に来い。」


と言うので、また祭りの時期に訪ねた。


そして、新しい家の北側の栗の木の下には栗の実が転がってた。



その時もマツタケご飯を頂いた記憶がある…。







TODAY'S BGM 「スラバヤ通りの妹へ」 大江千里