#040 秋の日の怪談 「自殺する廃墟」 | 后前弐時のブランチ

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少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

一気に寒くなってきましたね。昼と夜の温度の差が…。


本当にいずれ日本の四季は二季になってしまうかもしれませんね。



もう私の話で涼しくなる必要などないかもしれませんが…(笑)



今日も一つ、秋の怪談を…。



今日の話はまだ学生だったときの話です。


ある友人から麻雀をしようと誘われ、宝塚まで行きました。初めて行く


場所で、三宮から阪急に乗り換え、また途中で宝塚線に乗り換えます。



言われた駅で降り、友人を待っていると、車で友人が迎えに来ました。


学生の頃は麻雀を雀荘でやろうなんて思考はなく、いつも誰かの家で


やってました。


就職して仕事帰りに雀荘で全自動卓を覚えてからは、手ごね麻雀なん


て面倒になってやらなくなりましたが…(笑)



その日はもちろん麻雀なので、4人集まる予定だったのですが、1人が


ダメになり、3人でしばらくやってました。しかしやはり3人で打つ麻雀は


面白くなく、途中でやめてしまいました。



まだ夕方で暗くなる時間でした。


「近くの王将に飯を食いに行こう。」


という事になり、3人で出かけました。



戻って麻雀という気分でもなく、ゆっくりと飯を食って外に出た時には21


時を回ってました。



その後は何処へ行くでもなく、フラフラと知らない街を歩いてました。



すると、


「あー面白いところあるから行ってみるか。」


と友人が言います。


それがどんなところか知らないまま、私ともう一人の友人はついて行き


ました。



住宅地を抜けると少し寂しい感じの場所が現れます。そこに出てきたの


は廃墟のビルでした。



「つぶれた病院やねん…。」


友人はそう言います。



私は、少し嫌な予感がしました。廃墟になっている病院というだけで、少し


気が進みません。



「心霊スポットやって話で、夏の間はヤンキーが溜まってたりしてるんや。」


友人はそう言いながらどんどん進んで行きます。



駐車場には壊れた車やバイクが置き去りにされています。


壁には落書き。ガラスは一枚もなく、べニア板が張られています。



「おいおい…入るんか…。やめようぜ…。」


もう一人の友人は怖がって立ち止まります。



私もやめた方がいい気がしていました。



とりあえず、3人で駐車場に置かれたタイヤに座り、タバコを吸いました。


その場所で、友人がその場所で噂になっているという話をしています。



夜中に声が聞こえるだの、無線に誘導されて今でもこの病院にやってくる救


急車がいるだのと…。


単なる噂なのでしょうが…。



私はそんな話を聞きながらその廃墟の屋上を見ました。




おや…。




屋上に誰かいるのが見えました。



「誰かおる…。」


私は思わずそう言いました。



「おる訳ないやろ…。」


「おいおい…勘弁してーや。」



友人たちは口々にそう言います。




しかし、確かに見たのです。




「ホームレスでも住みついてるか、ヤンキーやろ…。」



こんな気持ち悪い場所にホームレスなんか住みつくか…。



私はそう思いながらもまた屋上を見ました。


やっぱり人のいる気配がするのです。



「いや…やっぱ何かおるで…。」


私のその言葉で、帰ろうという話になりました。



ちょうどその時に車が数台入ってきました。


地元のヤンキーでした。



派手に車を停めて、ガヤガヤと喋りながら車を降りてきます。



その中の数人が私たちに気がついたのか、



「おい!お前ら!」


と大声で言います。



ある意味、霊より厄介な奴らに見つかったものです…。



「お前らここで何してんねん。」


「別に…。肝試しでもしようかって話で来てんけど…。」



ヤンキーたちは笑いながら、


「もうほっとけやー、行くでー。」


そう言いながら廃墟に入って行きます。



「で、肝試しするんか。」


一人のヤンキーが言います。



「いや。帰るわ。何にもなさそうやし…。」



ヤンキーたちはみんな廃墟の中に入って行きました。



私たちは帰りながら、その廃墟を振り返りました。



「やっぱ、完璧に溜まり場になってるな。」


「誰も来んやろうし、溜まるにはえーかもなー。」


などと話をしています。



私はその時、また屋上を見ました。



屋上にはやはり人が立ってました。


「おい…。」


私は友人二人を止めて、屋上を指さしました。



「ホンマや…。人や…。」


友人たちもはっきりと見ました。




そしてその瞬間、その人影は屋上から飛び降りたのです。




私たち3人は固まりました…。



ふと我に返り、


「おいおい…。洒落にならんで…。」


そう言うと友人が廃墟の方へ走りだしました。



廃墟のその人影が落ちた辺りへ行きました。





しかし、その場所には何もなかったのです…。





「確かに飛び降りたよな…。」


「うん…。」




私たちはそんな会話をしながら、その周囲を見ていました。




「やっぱり幽霊やで…。」


友人がそう言いだし、帰ろうと言い出しました。



私もその方が良いと思い、その場を離れることにしました。




駐車場のあたりまで行くと、



「おい!」


と、あのヤンキーの一人が声をかけてきます。



「まだおったんか…。」


そう言いながら近づいてきます。




「人が飛び降りたんが見えたから…。」


友人がそのヤンキーに説明してます。


そんな話信じるはずもなく…。飛び降りたはずの人の姿もないのですから。



しかし…。




そのヤンキーからは、予想もしない答えが返ってきました。



「見たんか…。」


妙に神妙な顔でそのヤンキーは言います。



「はい。」


友人は屋上を指さしながら説明を始めました。




ヤンキーも何人か出てきて、その話を聞いています。



友人が説明を終えた頃に、一人のヤンキーが、



「ここが病院やった頃に、良く自殺があったらしいわ。飛び降りるヤツだけ


じゃなくて、病室や便所で首吊ったやつとか…。」


「関係者もここで自殺したヤツおるって話やし…。」



色々な話が出てきます…。



「俺らも結構ここにきてるけど、結構あるんや…。声聞いたり、人影みたり。」



おいおい。怖くないんか…。



私はそう思いながら、そのヤンキーたちの話を聞いてました。



「あんまり自殺が多いからこの病院、つぶれたって話やしな…。」




私たちはそのヤンキーの話を一通り聞いた後に、その場を去りました…。




もしかしたらヤンキーたちは私たちを驚かせようと、作り話をしたのかもしれま


せん。真実はわからないまま、その日はその友人の家に泊まる事に。



なかなか眠れずに結局朝まで喋っていて、朝早くに家に帰る事にしました。



明るくなり始めた頃に友人の家を出て、モーニングを食べてから帰る事に。



国道沿いのファミレスに朝入り、3人でモーニングを食べていました。



すると近くの席に、昨夜見たヤンキーが座っていました。



向こうが私たちに気づき、近づいてきました。



「自分ら早いなー。昨日眠れんかったんやろ…。」


そう言って隣の席に座りました。



「まぁ。始発で帰ろうと思ってたんで…。」



離れた席のヤンキーたちは私たちの席の隣に移ってきました。



そして、ヤンキーたちの話が始まりました。



「昨日、自分らが帰った後、あの病院の部屋を全部見て回ろうって事に


なってなー。俺ら4人で全部回ったわ。」



その4人のヤンキーたちはそう言ってきたらなしく音を立ててドリンクバー


の飲み物を飲んでます。



「俺ら誰も霊感とかないし、何にもわからんかってんけど、流石に屋上は


ちょっとビビったわ。」



「何かあったん…。」



そのヤンキーはニヤッと笑って、


「自分らが人が飛び降りたってゆーてた場所。あそこに花を供えてる跡が


あったわ…。もう花なんてないけどやー。花瓶とか缶ジュースとか…。」



ヤンキーの語り口が軽いので、怖さは伝わってこないのですが、その言葉


で、昨日見たのは確実に人でないモノだったという事を確信しました…。




その後、ヤンキーたちと仲良くモーニングを食べて帰りました。


店を出た時に小雨が降っていたのを覚えています。寒く感じました。





何処にでもある廃墟の心霊現象の噂話です。


しかし、やはりその廃墟を目の前にした時は少し胸騒ぎを感じます。





その後、何年かしてその友人の家に訪ねた事があります。


その日、あの廃墟の話をその友人にしました。



「あーあの病院はもう壊されてないわ。あの後くらいから、あの廃墟で自殺者


が増えてな…。自殺するために入ったら既に首吊ってる死体があって通報し


たみたいな話がよくあったんや。」


友人はそう言います。



「俺の同級生の兄貴もあそこから飛び降りてな…。」




何がそうさせるのでしょうか…。


私にはわかりませんが、呼ぶモノがあるのでしょうか…。




今、その場所には大きなマンションが建っているそうです…。




あなたの住んでいる場所は、大丈夫ですか…。









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