#038 秋の日の怪談 「ある神社の木と老人の話」 | 后前弐時のブランチ

后前弐時のブランチ

少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

今日はまた暑かったですね。


今日も朝から走り回っていました。新しい事務所の周囲に駐車場を借り


てないので、車は自宅に置きっぱなしで、最近は近くなら自転車、少し遠


いところはバイクで移動してます。


それ以外は電車。真夏と違い、少し歩いても汗だくにならなくて済みます


ので快適です。



しかしバイクで移動すると一つだけ困った事が…。


髪の毛がいつもボサボサです(笑)


普段はジェルなどで少しセットしますが、ジェルを塗ってヘルメットをかぶ


ると本当にペチャンコになってしまいます…。



昔は事故の怖さなど関係なくバイクで走ってましたので、頭の後ろにヘル


メットをぶら下げて良く走ってました。




あの日もそんな感じでヘルメットを頭の後ろにぶら下げて、数人の友人と


走ってました。案の定、警察官に止められ全員怒られました。


怒られた後、喫茶店で休んでました。そこに先輩がやってきました。



「さっき、こんな事があったんですよー。」


なんて話を先輩も交えてしていると、一人の先輩が、


「そんな時は神社に逃げるんやー。警察は神社とかお寺とか学校とかには


無断では入って来られへんからなー。」


と言います。


「俺は何年か前にバイク盗んで追いかけられた時、バイク担いで神社の階


段登った事あるでー。」


なんて事を…(笑)


昔スカイという原付があって、すごく軽い原付だったので、担いで階段をか


けのぼる事が出来たというのです。



まぁ、若かかりし頃の話で…(笑)



そんな話をしていると、その先輩が今からその神社に行こうと言いだしました。


正直、みんなあまり興味はなかったのですが、行く事になりました。



その喫茶店から10分程走ったところにその神社はありました。


確かに少し長い石段がありました。



「この階段を原付担いで登ったんやでー。」


その先輩はうれしそうにそう言いながら階段を上ります。



内心、私たちは「はいはい…。」といった感じで…(笑)



確かに原付を担いで登るには少し骨の折れる段数があった気がします。


境内に上ると、普段は人のいない神社でした。







私はその神社の端にある一本の木は目につきました。





なんともない木なのですが、妙に気になるんです。



私は一人その木の方へ。


その気は少し大きな木です。私には木の種類まではわかりませんが…。


その木の裏側に回ってみると、白木の杭が二本打たれ、その杭に縄が


掛けられて、白い紙垂がかけてあり榊が飾られてました。



なにかあるのか…。



私はそう思いながら、みんなの場所へ戻りました。



すると、一人の老人が友人たちと話をしています。



「この神社は午後にお参りしたらアカン神社なんやー。」


その老人は友人たちにそんな話をしていました。



午後にお参り出来ない神社…。



私はその話に興味を持ちました。


その老人の話では、その神社に祭られている神様はいわゆる朝の神で、朝し


か人の言う事に耳をかさない神だという。


詳しい話はわかりませんでしたが、午後からお参りしても神様は聞いてくれな


いという事みたいで、面白く思いました。



ついでに私はその老人に、あの木について聞きました。


「あの木は御神木なんですか…。」


私はそう言って木を指さしました。



老人はゆっくりその木の方へ歩きながら、


「いや…。そうじゃないんやけど…。この木はな…。」


そう言うと老人はその木の裏に回りました。


私たちも老人の後を追うように一緒に木の裏へ。



老人はその木に手を合わせていました。






「この木で自殺する人が多いんや…。」


そう言いました。




「あんまり多いから、この辺のもんが毎日この木を見に来るようにしてるんや。」


老人は笑いながらそう言う。



「この杭も打って、ちょうどあの枝に縄通すのに邪魔になるようにしたんや。」


そう言って木の上を見上げました。


確かにロープを通すのにちょうどいい枝がありました。



私たちは言葉を失い、黙ってその老人の話を聞いてました…。




その後、早く帰るようにその老人に言われました。それだけ言って老人は階


段を下りて行きました。



単なる先輩の自慢話につきあって行った神社。そこで少し気味の悪い木の


話を聞きました。



「あれ…。」


友人の一人が老人が去った階段を見ながら言いました。


「どうした。」


「もうおらへんわ。あのじいさん…。」



そんなはずはない。さっき下りたばかりで、歩くのも遅い老人でしたし…。



みんなで階段を見ました。確かにあの老人の姿はなかったのです。


どこかに抜け道でもあるのだろうと言いながら、全員で階段をおりました。



しかし、何処にもそんな抜け道もなく…。


そうなるとものすごいスピードで老人は階段を駆け降りた事になります。




みんな気味が悪くなり、急いでその場を去りました。




それからかなり経ってからですが、その神社の近くに住む友人が出来ました。



ふと思い出し、その友人にあの神社の事を聞きました。



「あの神社は幽霊が出るんで有名やで。いろんな奴が見てるわ。じいさんの幽


霊が出るって。俺は見たことないけど…。」


その友人はそう言って笑ってました。



あの老人は幽霊だったのでしょうか…。


今も謎のままです…。






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