【とある抑えの通算成績】
31勝29敗 166セーブ 107ホールド 通算防御率2.42 WHIP 1.23

上の数字を見ると、なんという一流の抑えピッチャーだ!という数字があります。
私はハムファンなので、この数字は一人しかいません。「武田久」です。

武田選手の最盛期というのは、それはもう素晴らしい球を投げていました。
低いリリース地点から浮き上がるようなストレートと、変化球をコースに決める事が出来るコントロールを持っており、それはもう打てないピッチャーでした。

そんな武田選手ですが、昨年からぐっと投球に陰りを見せています。
セーブ王に何を言うか!という話なのですが、問題はその内容です。

WHIP 1.75

この数字が嫌でものしかかります。
WHIPというのは1イニングに平均何人の打者を出塁させたかという指標なのですが、実に毎試合2塁までは大体踏ませてしまうピッチングをしているということになります。

結果的に抑えて勝っているのだからいいじゃないか。そうとも言えるかもしれませんが、抑えピッチャーの不調というのはチームの投手陣すべてに大きな影響を持っています。

先発は1試合壊しても、影響はその試合に限定されることも多いです。
登板数の多い中継ぎ・抑えがしっかりと抑えられないと何が起こるか。必然、先発は長いイニングを投げて、消耗してしまうのです。
ましてや抑え。このポジションで「毎試合すっきりと抑えられない」というのは、チーム全体を常に嫌な緊張感に置いてしまう爆弾になりかねないのです。

もっとはっきりと言いましょう。この水準、実は敗戦処理と呼ばれる中継ぎが残すような成績なのです。

私も功労者にこんなことは言いたくはありません。
けれど勝つためには、聖域を崩すことも必要なのではないでしょうか。
もし心中覚悟で年間使うとすれば、今年も順位はついてこないのかもしれません。

(了)


何の数字ですか?

そう、北海道日本ハムファイターズが開幕5試合を終えての成績です。
ファンとしてはポジティブにならざるを得ないですね!

開幕カードの先発陣とうってかわって、ソフトバンク相手に好投したメンドーサ投手、上沢投手、素晴らしいです!

何処がいいのか、勝手に解説コーナーを。

【No.15 ルイス・メンドーサ】
私が直感的な感想は、「球の速い武田勝」じゃないか!です。というのも、球をリリースする直前の腕の振りが異様に早く、ムチのようにしなるのです。武田勝は自分でも「ちょっとヘンな投球法」という通り、あらかじめ肘のポジションを高く取って、死角から最短距離でリリースをします。だから130kmそこそこのストレートでもやれてしまうんですね。
メンドーサの初戦のストレートは常時145~148kmほど。球にもよくスピンがかかっていて、かなり威力があるように感じました。
チェンジアップを解禁したということで、緩急が自在につけられるようになったことも大きいのだと思います。

予想成績
15勝6敗 防御率 2.85

【No.63 上沢直之】
とにかく縦のスライダーとフォークの投げ分けが巧みでした。キレのいい変化球を「ストンと落ちる」と表現することがありますが、まさにそんな球筋。バッターの手前でグイッと変化をするので、途中までスライダーなのかフォークなのかが良くわからない球筋をしていました。
ストレートの球速は140km前後。投げっぷりがいいのでカウントを整えるためには使えそうですが、決め球としては物足りないと思います。
それでもスライダーとフォーク両方を決め球として使えるピッチャーというのはそうそうお目にかかれるものではないので、今後対策が十分に進むまでは好投を続けると思います。
シーズン終盤まで活躍し続けられるかはまだ未知数ですね。

予想成績
11勝9敗 防御率 3.41

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そんなこんなでチームが順調だと心がウキウキしてきます。
明日は怪物・大谷翔平ですので、ここまで来たらぜひ3タテを喰らわせて欲しい所です!

(了)

さて、本日より今年のプロ野球ペナントレースが始まりました。
私は北海道人で、日本ハムのファンです。
試合を通しで見たのでサッカー風に論評してみます。

【打者】
1、陽 5.5  開幕二打席2三振は一番打者として失格。犠打で得点1だけが見どころ
2、西川 6.5 最終回逆転の口火を切った。終始粘りのバッティングで相手投手を苦しめた。
         守備も俊足を活かし非常に広い範囲をカバーしていた。影のMVP。
3、大谷 6.5 二塁打二本は化け物。それ以外の打席も迫力満点。金子投手の高めの釣り玉         を完全にカモにしていた。
4、中田 6.5 チャンスメイクに打点と4番としての仕事は果たした。だが大振りが気になる。
5、ミランダ 5.0 最終打席で二塁打は打ったがそれ以外は淡泊すぎるバッティング。変化球に
          対応出来ていない。
6、小谷野 7.0 殊勲打二本。コンパクトなスイングで高い技術のヒットを放っていた。
7、稲葉 5.0  開幕初打点。だたし内容としては危うくゲッツー回避の凡打。その他の打席で          も見どころは少ない。巻き返しが必要。
8、大引 6.5 猛打賞を記録するも前後の繋がりが悪く打点には結びつかなかった。
9、大野 6.0 3打数2安打と打棒は好調。吉川のリードに苦慮した点に不安が残る。

杉谷 --
佐藤(賢) 6.0 代打でお手本のようなフォーク打ちを見せる。逆転への影響を考慮
岡 6.5 代走後代打。プレッシャーのかかる場面で見事に繋ぎの一打を放った。
中島 --
近藤 5.0 武田(久)、宮西とのバッテリー連携が相当不足していた。打棒でもバント失敗を
       続ける等、9回表で逆転を許した原因の一人。

【投手】
吉川 5.0 5回2/3 3失点で結果だけは何とか整える。四球4、被安打7で、常に炎上する
       可能性を孕んだ危ういピッチング。打棒の良いチーム相手ならばこの点数では
       済まなかった。
金平 -- ワンポイントリリーフとして打者一人を抑える。回またぎの継投で打たれたが
        これは采配ミス。
クロッタ 6.5 高身長から投げ下ろす150キロ台の速球とブレーキの効いた変化球で見事
        な三者凡退。抑えとして推したい。
武田(久) 4.0 相変わらずの高被打率。捕手との連携も悪く、苛立ちを態度に示す体たらく。
          完全にいらない延長戦を作りだした。抑え失格。
宮西 4.5 ピリッとしないピッチングで最終回の逆転を許す。巻き返しに期待。
増井 6.5 延長戦2イニングを完璧な投球で抑え逆転を演出。


【雑感】
試合全体を通じて、新戦力の活躍が目立つ試合となった。特に打者は相手投手攻略の為にあらゆる手を講じ、非常に粘りのある素晴らしい内容だった。
一転投手陣はピリッとしない。昨年までリリーフを務めていた武田(久)、宮西両投手が打ち込まれたのは不安材料。明らかにクロッタ、増井の両投手の方が安定感があり、この二人でセットアッパー、抑えを組む方が投手陣全体は安定するはず。先発吉川は実力云々よりも、メンタルの弱さが前面に出過ぎ、打ち込まれるというよりは自滅するという3年前までの吉川を見ているようだった。
投手陣の立て直しがされなければやはり昨年の「6位」という順位が現実味を帯びる。打撃陣が有機的に機能しているのが、それを加味しても3、4位が順当な感じである。
厚澤ピッチングコーチの手腕に期待をしたい。