残りたい。
その考えを初めてGMに相談した時のことを今でも覚えている。
反対されるか不安だった。
けれど、返ってきた言葉は意外なものだった。
"What can you bring to the company?"
会社に何をもたらせるのか。
残りたい理由を聞かれたわけではなかった。
オーストラリアが好きなのか。
生活が気に入っているのか。
そんな話でもなかった。
問われたのは、自分の価値だった。
その言葉には、
「残るな」
という意味は全く含まれていなかったと思う。
むしろ逆だった。
本当に残りたいのであれば、
自分が会社に提供できる価値を説明できるはずだ。
そういう問いだった。
その時、自分は初めて考えた。
なぜ自分なのか。
現地採用の人ではなく。
次に来る駐在員でもなく。
なぜ自分を雇い続けるべきなのか。
現地雇用への切り替えを考える時、
つい
「どうすれば残れるか」
を考えてしまう。
でも本当に重要なのは逆だった。
「なぜ会社は自分を残すべきなのか」
だった。