駐在制度を理解すると、次に気になるのが現地雇用だ。
同じ海外勤務でも、駐在と現地雇用はまったく違う。
駐在は日本の会社に所属したまま海外で働く仕組みだ。
一方、現地雇用は現地法人の社員になる。
言葉にするとそれだけだが、実際には大きな違いがある。
まず、契約が変わる。
給与体系も変わる。
福利厚生も変わる。
税金や社会保障の考え方も変わる。
駐在員として受けていたサポートの多くはなくなり、
その代わりに現地のルールの中で働くことになる。
つまり現地雇用とは、
海外で働くことではなく、その国で働くこと
と言った方が正確かもしれない。
駐在制度は、ある意味で会社が人生の一部を設計してくれる。
住宅。
保険。
子どもの教育。
帰国時のポジション。
さまざまなものが制度として用意されている。
しかし現地雇用になると、その多くを自分で考える必要がある。
どこに住むのか。
どんな保険に入るのか。
老後資金をどう準備するのか。
会社が決めてくれる部分は少なくなる。
その代わり、自由度は高くなる。
だから現地雇用への切り替えは、単なる雇用形態の変更ではない。
働き方だけでなく、
人生の設計主体が会社から自分に移る
という変化でもある。
これはメリットでもあり、デメリットでもある。
人によって向き不向きもあるだろう。
少なくとも自分の場合は、その変化を前向きに捉えた。
もちろん不安はあった。
ただ、それ以上に、
「自分で選べること」
に価値を感じた。
駐在制度の外側に出るということは、制度の保護を失うことでもある。
しかし同時に、自分で人生を設計できる範囲が広がることでもある。
現地雇用を選ぶというのは、そういう選択だった。