連休中の披露宴
久しぶりの仲人だった
我が社のベテラン社員
独立して数年後
引きこもりから
大変な努力をして入社
今では私の後を引き継ぐ存在だ
披露宴の最後に
司会者が朗読してくれた
両家のご両親とも相談して
私には完全なサプライズだった
司会は私と20年の付き合い
普段も朗読の仕事をしている
フリーのアナウンサーだ
彼の感謝の手紙の題名は
「拝啓、あの日の僕へ」
BGMはもちろんNEWSの
「UR not alone」
前奏から私は既に号泣…
つられて妻も涙を拭っていた
彼の文章にこの10年の時が
心の表現として綴られている
「ひとり」という言葉の意味は孤独
「独り」という言葉の意味が
入社してから「一人」に変わった
誰かといれば「二人」になり
みんなと一緒なら「三人」「五人」「十人」
「ひとり」がどんどん増えてくれる
途中、手紙の文章と歌詞がリンクする
披露宴の参列者は彼の曲だと感じる
「独りじゃないんだ」
この意味は誰もが共感してくれた
そして彼は家庭を持つ
彼の「ひとり」は常に「ふたり」になり
冬には「三人」の家族になる
「UR not alone」
この世にこんな素晴らしい曲が
存在しているという感動を皆で共有できる
彼が会社のスタッフたちが
お祝いのVTRを制作するのを
遠慮した理由がわかった
画面に映された
手紙の文章とBGMだけの
シンプルな演出が全てを
感じさせてくれた
司会の朗読がそれらをさらに
感動的にしてくれた
私たち仲人だけでなく
新郎新婦とそのご両親
当日、収録に入っていたカメラマンまで
泣いていた…
司会が手紙を読み終わりしばらくして
新郎が大きな声で
「ありがとうございました」
と涙をためながら叫ぶ
既に泣きすぎて声の出ない私は
呟くような声で
「反則だぁ」と彼に囁いた
