某番組の取材の立ち合いで奥能登に飛んだ

急な取材だった為

友人に頼み段取りしてもらった

 

スタッフと私、四名で彼の自宅に宿泊

午前中の豪雨の影響で蒸し暑い夜だった

 

深夜、エアコンが故障して熱帯夜

23時過ぎだから私たちは諦めていた

 

するとパジャマ姿の初老の男性が

工具を片手に友人宅を訪ねてきた

 

 

随分離れた町の電気屋さんだという

悪戦苦闘しながらようやく室外機が泥をかぶった事も関係して2時間ほどで涼しいエアコンが復旧した

 

彼に聞くと

地震で寸断された道が夜は危険だから回り道をしてわざわざ来てくれたという

私たちは感謝しかない

泥だらけ、汗だらけのパジャマの彼は

「こんなに蒸し暑かったら眠れないでしょう」

笑顔でそう言ってくれた

 

友人にお礼を言って

彼にも局の経費で賄いますから…

というと優しく断られた

「帰りに道の駅でも寄って能登の土産でも買って帰ってください」

とてもサラッとそう口にする

 

明日の取材を前にスタッフは感動している

目が覚めて寝付けなかったので

皆で冷たいビールで飲み直した

 

既に都会暮らしに慣れた私には信じられないサービスだが

ここ能登では普通だという

商売の基本は「誰かの困った」を解決する

それが当たり前のルールなのだ

 

最後に友人が口にした

「道路や河川は未だに寸断されているが…」

「能登の人情は一度たりとも寸断していない!」

 

自分でも”良いこと言ったな”と感じたのか

苦笑いしながらビールを

カッコつけて口にする彼を誇らしく感じた

 

余談…

昨日、到着してからロケハンで取材箇所を挨拶に回った

その時のことを同行したカメラマンが

「お伺いした三か所どこもNEWSの曲を流していましたね…何か能登と関係があるのですか?」

そう尋ねるのだ

 

長い夜の「酒のつまみになる話」が始まった