七夕の季節だ
近くの商店街にも”装飾”の七夕飾りが設置されている
毎年、このシーズンになると妻が宝箱?からいくつものカラフルな短冊を取り出して眺めている
現役時代に病棟に飾った七夕の短冊だ
商店街で見た七夕の短冊には子供たちの”夢”が書かれている
「日本代表になってW杯に出場する」
「ユーチューバーになってお金持ちになる」
「ダンスの世界一になる」
「フィギュアスケートでうまくなりたい」
どの時代も子供たちの「夢」が詰まっている
妻の箱から出てきた短冊には
「友達と学校に行きたい」
「力いっぱい走りたい」
「お兄ちゃんとキャッチボールがしたい」
「お父さんとキャンプに行きたい」
元気な子供たちには”普通”の事が「夢」になっている
先天性の病気を抱えていたり
重い病に侵されていたりで
”普通”の事が精一杯の夢だという
妻は毎年、この季節になると短冊を眺めながら思い出す
その夢はほとんど叶えてあげられなかった
そう妻は口にする
しかし、その記憶は妻の悲しい思い出だけではない
楽しく、懐かしい記憶でもあるのだ
闘病中の子供たちは一年中「元気になる」ことを目標に辛い治療に励む
そんな彼らも七夕の短冊を書いている時は「夢」を見る
たくさんの夢ではない
贅沢な夢でもない
普通の子供たちにとっては他愛もない事かもしれないが、彼らが書くその「夢」は叶う事すら容易でない現実だったという
ドラマや映画の世界では多くの感動の物語がある
作家が創り出す世界には奇跡のドラマも存在する
七夕の短冊を一緒に書いている時だけは…
妻もそんな奇跡をいつも願っていたという
七夕の季節のこの妻の光景
今年で3回目である
そっと「ヒカリノシズク」をリビングに流してあげた
