ある産業の歴史的な背景を調査するために専門家にお会いした

出版社の紹介で会食の場を設けて頂き少し早めの午後4時からお店の配慮でスタートした

 

この方、専門は舞台芸術のコラムを中心に昨今の芸能界についての記事も依頼されて書いているとのこと

調査の内容は業務上投稿内容に書くことはできないが、流れでお話を聞かせて頂いた内容にとても関心を持った

 

芸の道は「修業」が全て…

という話題だ

舞台芸術(能や歌舞伎含めて歴史のあるもの)や落語や漫才のような世界も弟子入りや入門を経て「修業」する

歌謡界も昔は演歌など大物演歌歌手のもとに弟子入りし下積みの中で歌の技量や芸能界でのマナーを学んだという


宝塚を含めて有名な劇団などは、とても厳しい試験やオーディションに合格しないとその入り口にも立つことはできない

 

テレビの普及でいつの間にか「修業」という形を省いて表舞台に立つという世界が誕生した


もちろん、芸術文化の世界では現在においても厳しい「修業」が残っている

 

受け取り方によっては語弊があるが…

という言葉を付け加えた後に

「旧ジャニーズ事務所には現代の芸能界には珍しい”修業”のような概念が存在していた

古典的な”修業”のカタチではないが形式ばった”教育”より個々の人間の能力を開花させる厳しい”修業”のように感じる部分があった」


マネジメントやプロモーションだけであれだけの結果が出せるわけではない



マスメディアの忖度とか…という記事が見られたが、芸能界で繁栄するという事は容易いことではない


一人のスターを大事に育てながら事務所を少しずつ大きくさせることに専念するのが本流の時代だったからだ

 

しかし、旧ジャニーズ事務所は義務教育途中の少年に対してある種の”修業”のような環境を築いていてタレントとして成長させてきた


東京ドームで主役のバックで踊っていた少年が数年後に輝くステージの中心に立つ

夢や憧れが実現するストーリーがある


それは「教育」とは異なり自らが気づき、自ら努力するのである

まさに増田貴久がKinKi Kidsのバックでドームを感じ、願い、念じてそのストーリーの主役となったみたいに…

その拘りは彼のエネルギーとなって二十年以上今の彼を支えている

 

「もちろん、突然スターダムに立つような場合もあったが”その場合”長続きすることは多くなかったはずだ」


下積みの本当の価値とは夢や憧れを抱きそれに突き進むエネルギーだという

 

「忖度や圧力だけではあれだけのスターたちが誕生し続けることはできなかったはずだ」

その証拠に他の事務所もボーイズグループを何度もマネジメントしてきたが、全てが旧ジャニーズ事務所の猿真似に終始していたという


旧ジャニーズ事務所は〝その憧れの目標〟に気づかせる為にドームだけでなく時には世界のエンターテイメントに触れる機会も積極的に提供していた

 

どんなにマスコミへの圧力や忖度があっても

「そうでなければ数百万人のファンがこれだけ応援するわけがない」

「芸を見る目は確かにあるファンが支えているからだ」

「舞台芸術も”そんなファン(ご贔屓)で成り立っている」

 

だからと言って他の事務所がそれなりの「教育」をしているか?といえば決してそうでないらしい

 

世間を知らない芸能人が起こす”不祥事”は減るどころか増えている

若年層は世間のルールや法律までも”校則”と同じ程度にしか考えていない

本来ある芸の道の「修業」は法律より厳しい世界なのだ

 

「当時私が感じたのは大御所の演歌歌手の事務所や旧ジャニーズ事務所だけは時には厳しい先輩後輩の世界、時には温かい家族のような世界に感じることがあった」

 

「多分、損得より善悪で物事を判断するという教えがあったはずだ」

「一部の下積みのないスターが暴走することはあったようだが、そんなものは長続きしない」

 

礼儀作法、マナー、社会のルールを教えるのは事務所や先輩タレントの責任であり役割だった

稽古やレッスンの場所だけでなく時には先輩の奢りで酒を酌み交わし共有した


当時の先輩タレントの中には「ビルが建つほど」それに費やした強者もいたと聞く

それもこの事務所の強みだったはずだ


昨今の縛られず自由になった芸能界の活動がこの「修業」や「教育」を軽視するようになっていると嘆いている関係者も少なくない

 

「それでも私から見て”行儀の良い”若いタレントもいる…」

 

「修業」がしっかり身についている人間は

”大器晩成型”として長生きする


もともと才能のある人間が謙虚に学び修業するから実力が時間をかけて開花する


その過程において素直な姿勢が人脈を自然に形成し支えてくれる関係者も増えるからだ

 そんないくつかの要素や観点をお聞かせいただいた


私の中には手前味噌だが増田貴久が

「ほぼ全部当てはまるじゃないか!」

そう確信したのだった


案外私にも見る目がある

そう自画自賛してしまう夜だった