正月、母が旅行に出ていたため
母屋の普段使わない和室の鏡餅を片付け忘れていてようやく”それ”に気づいた
大晦日以来の入室
するとその光景の不自然さに戸惑ってしまった
(イメージPhoto)
大晦日の時にこの鏡餅を飾るときに一番苦労したのがもちの上に飾るミカンを乗せることを思い出した
一カ月以上経過しているというのに当時のまま鏡餅のミカンはそのままもちの上に乗っている
少し時間が経過して気が付いた
元旦に起きた「能登半島地震」
震源地は震度7、実家の揺れも震度5だったから揺れは大きかったはずだ
というのも和室に入る前の廊下にある焼物の木箱はいくつか崩れていたからだ
母に聞くと旅行から帰ってからは仏壇の部屋には入ったが、この和室には一度も入らなかったというのだ
あれだけミカンをバランスよく置くのに苦労したにもかかわらず
ミカンはしっかりと鏡餅の上に鎮座していたのだ
震度5だったから自室に飾ってあるミニカーはすべて移動している
ストックしていたウイスキーのボトルも数本倒れていた
それなのに一番バランスの不安定なミカンが落ちていないのだ
不思議だ、ある意味不気味でもある
少し落ち着いた後
〝その事〟を母親に話すと
「あらっ、そうなの…」
と全く驚きもせず続けて言うのだ
「亡くなったお父さん、ミカンが大好きだったからねぇ」と
「???…」