チューネンハントの前職時代の話

 

当時勤めていた研究所で平成の大合併の時期だった

担当する自治体(市町村)で複数の町が合併してひとつの市になるプロジェクトに参画していた

 

このプロジェクトに二つ下の同僚と関わっていた

プロジェクト参画中にこの同僚が合併に参加している町のひとりの町長と市町村選挙の準備をしているという噂が流れ、研究所のトップが彼に問いただしそれが事実と判明した

複数の自治体が合併しても首長(市長)は一人なのだから合併後の市長選挙も重要な課題だった

彼はフライングしてしまったのだった

これが公となり会社が責任を取る形となりプロジェクトから外れたのだった

 

結果、彼自身も責任を取り退職した…

その後、他の部署も同様のプロジェクトに参画していたがこの事実が広まり

複数のプロジェクトから外されるという流れになってしまった

 

辞める時の彼の言葉は今でも覚えている

「大変な業務を負担させられているのに対価(報酬)が少なすぎませんか?あの町長が当選すれば随契でどんどん仕事が増える筈だったんですよ」

 

彼の考えも一理はある

しかし、民間とはいえ官公庁や自治体が取引の主だった研究所にとっては「損得勘定」より「社会的善悪」が優先されていた

 

長い間準備して携わっていた他の部署の社員は彼を恨んだ

社内的にも懲戒処分を口にする役員もいた

平成の大合併もそれぞれの首長選挙も終わって数年経過…

当時の話題を社内で口にする者がいなくなったある日

若い社員が

「Aさんこの間見かけましたけど日焼けして真っ黒でしたよ(笑)」

その言葉に自然に反応した私は

「この間久しぶりに彼とゴルフ一緒だったけれど完全にゴルフ焼けだな」




何も考えることなく普通にその会話に参加した

これがのちに社内外で問題になってしまった

聞いていた若い社員はそのまま

「羨ましいですね独立して自由な時間ができているんですね…」

普通ならこれで何もなく終了する話題だったはずだ

 

これを全ての社員が受け止めることができなかったのだ

当時、プロジェクトを途中で外された社員とその関係スタッフ

その後”伝聞”でこの情報が広まったのだ

 

伝聞は怖い…

受け止め方の違い、捉え方の違い

伝聞を介した人間の主張や意図が影響している場合もある

「辞めたAさんとずっと繋がっていた…」

「あの人がどんな酷いことをして辞めたかわかっているのか」

「酷い目にあった社員を無視して仲良くしていた」

気軽に口にした話題だったが私個人への中傷合戦も始まってしまった

 

事実は…

得意先のゴルフコンペに招待され苦手のゴルフを少しでも恥をかかないレベルで参加したい私はゴルフ練習場に通っていた

その時にその練習場にいた彼と数年ぶりにバッタリ会ってその事を伝えると

「実戦で練習した方が良いですよ、今度コース取りますからラウンドしましょう、私がレッスンしますよ」

大学ではゴルフ部だった彼はシングルの腕前だ

辞めるまで彼と何年もパートナーを組んでいた為、その好意を有難く受けた

 

前述した中傷合戦になってはこの事実も全て言い訳にしかならなかった

社内外の関係者の受け止め方は完全に二分してしまった

 

彼の過去の経緯を忘れたわけではない

彼が迷惑をかけた社員たちの気持ちを無視したわけではない

 

あくまでも個人的な友人関係での一日だけのゴルフだった

 

当時のトップに

「どんな理由があるにせよ辞めた社員とは”一線を画す”こと」

めずらしく厳しい叱責を受けた

 

今でも覚えている…

様々な受け止め方はあるが今の社内外に一部でもマイナスと捉えられる要因が残っているなら

「話さなければ良かった」という後悔ではなく

「行かなければよかった」と反省してほしい

 

この言葉はいまでも強く記憶に残っている