一昨日の午後


打ち合わせで近県に出かけた時の事


打ち合わせの後の遅めの昼食を摂るため道路沿いのお店を探している途中…

その光景を見かけたのだ


三十代くらいの女性が端に車を停めて

ブランケットのような布を手に道路の真ん中に渡り出していた


その先には多分、今、車に轢かれたばかりの一匹の猫が道路の真ん中に横たわっていた


彼女はその猫を自分のブランケットに包み道路端の街路樹に移動しているのだ


鮮やかなイエローのブランケットは猫の血が付いていた

何気に気になって彼女の車の後ろにハザードを出して停まり彼女に話しかけた


「可哀想ですね、助かりそうもないですね」


チューネンハントから見てもほぼ虫の息というのはわかるほど重傷だった

彼女は…


「この猫を助ける訳じゃないんです…」

少し困った顔で続けた

「あのままだと後から他の車にも轢かれてしまうから…」

「本当は病院にでも連れてってあげたいんですが、そこまで責任はもてそうもないので」


多分、彼女は普段から〝こんな事〟をやっているのだろう

例え無駄なことだとわかっていても、無惨に轢かれ続けるのは我慢ができないのだろう


そのまま安全な場所というのも変だが街路樹にそっと寝かせたのだ

しかし、その時…


虫の息だった猫がしっかりと鳴き出した

勝手な解釈はできないが反応してくれたのだ


彼女は道端に停めた車を少し離れた空き地に駐車してまた横たわったままの猫の側に戻ってきた


「このままじゃ寂しいから、息を引き取るまで側にいます」


こんな人もいるんだ…

正直、現実の世界でこんな場面を目撃してしまうと「それじゃ、私は…」とその場所を離れるわけにはいかなくなってしまった


こんな時、チューネンハントの出来ることはひとつ…


「今、走ってきた途中にペット病院があったみたいなので、連れて行きましょう」

咄嗟に口に出てしまった


少し前に〝そこ〟を通り過ぎた時、あまりにも大きなモフモフな犬がいたので覚えていたのだ


口に出してしまったのだから仕方ない

〝乗りかかった舟〟なのだ


彼女は戸惑っていた

もちろん誰もが不安になるだろう

もし助かった場合は?

治療費は?飼い主は?

先の事を考えると少々無謀かもしれない


それでも二人の身体は勝手に動いていた

ブランケットに包んだ猫は彼女が助手席に

チューネンハントの車で二キロほど逆戻りの獣医に向かった


ペット病院に救急などあるのだろうか?

交通事故の救急は診てもらえるのか?

カード払いできるだろうか?

最後は現実的な不安だった


ペット病院に着くと私たちの姿を見てすぐに察してくれた獣医さんが対応してくれた


(イメージ画像)


あとは待合室で待つだけだ

助かった後のリアルな不安はあったが二人とも祈るように待っていた


遅めの昼食を探していた時間が14時だったので二時間は待っただろう…

獣医の先生が出てきたのは16時を過ぎていた


「残念ですが…」

懸命に手を尽くしてもらえたようだったが

猫は助からなかったようだ


その後

先生に事情を説明して猫の亡骸もお願いした


長い時間拘束して懸命に治療していただいたというのに、とても良心的な料金にしてもらえた


この先生には心から感謝である


見ず知らずのもの同士の出来事だった

互いに連絡先も交換しないまま簡単な挨拶をして別れた

もう彼女と会う事はないだろう

別れ際に彼女から治療費を半分負担したいと言われたが元々、私の勝手な判断だったので丁重にお断りした


代わりに

「ブログやってるんで今日の出来事書かせてください、もちろん脚色無しで投稿しますから」

そう説明してた


彼女に肝心のブログ名を伝えるのを忘れたと今、ブログを書きながら気づいた