一人で事をなすよりは志を同じくするものが結束すれば効果的でしょうし、
それに仲間もできて淋しくありませんから、結束することを当然のことのように私たちは思っています。
しかし、結束には個人の微力からのあせり、個人の孤独からの逃避、要するに個に対するごま化しが、
そして何よりも力をたばね合わせて事を成し遂げようとする人間の自己完結がそこにはあります。
結束が固ければ固いほど何か芝居がかってくるのは、そのためでしょう。私たちは実は、普通考えているよりもっと散って生きるべきものなのです。
「神の風景―人間と世間」 藤木正三著 ヨルダン社 から抜粋