愛記システムの基本設計:DApps側である愛記システム 要件定義について② | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先までは、"愛記"についての記載で、どのようにブロックチェーンSNSに組み込んで実装していけばよいのか、概念的なところからアプローチ方法を記載していった。概念設計としてはひとまず終えた。次は、フェデレーションモデル全体の基本設計といえるところまで、基本設計書に着手できるようなところまで、概念を具体化していきたい。そして、それにつながるDApps側である「愛記システム」を、Pythonプログラムで開発していきたい。

 

愛の行動のPL,BSを決算書として、個人単位、市町村単位、で公表するような愛記システムというものを考えている。愛の行動のデータベースはブロックチェーンのプログラムであり、日々の愛の行動による愛貨の移動を決算書にまとめていきたい。なお、市町村のブロックチェーンのプログラムは以前にも記載している。その市町村のブロックチェーンのプログラムにつながる愛記システムを、DApps側であるPythonプログラムとして設計したい。その場合、基本設計をどのような手順で進めていけばよいか、詳しく見ていこう。

 

愛記システムを設計するための基本手順を以下に示す。このシステムは、Pythonを用いて市町村のブロックチェーンと連携し、個人および市町村単位での愛の行動のデータを収集、記録し、決算書(PL、BS)として公表するものである。

基本設計のステップ

  1. 要件定義
  2. アーキテクチャ設計
  3. データベース設計
  4. API設計
  5. ブロックチェーンインターフェース
  6. 決算書の生成
  7. フロントエンド開発
  8. テストとデプロイ

基本設計の各ステップを順番に進めることで、ブロックチェーンとDAppsとして繋がる「愛記システム」の詳細な設計が可能になる。各ステップでは、関係者との協議やレビューを通じて設計内容を確定していくことが重要である。

1.要件定義

まず、基本設計の最初のステップである要件定義をしていきたい。どのような機能が必要か、どのような問題を解決するのかを洗い出したい。要件定義はシステム設計の最初の重要なステップであり、システムが解決するべき問題と、必要な機能を明確に定義するプロセスである。以下に、愛記システムのプログラムに必要な機能と解決すべき問題を列挙してみよう。

機能要件

  1. 愛の行動の記録

    • 個人が行った愛の行動を記録する機能。
    • 行動の内容、日時、対象者、愛貨の量を含む詳細な記録。
  2. 愛貨の移動の記録

    • 愛貨がどのように移動したかを記録する機能。
    • 送信者、受信者、移動した愛貨の量、移動の理由を記録。
  3. 決算書の生成

    • PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)を自動的に生成する機能。
    • 収益、費用、資産、負債、純資産の計算と表示。
  4. 個人および市町村単位でのデータの集約

    • 個人単位および市町村単位での愛の行動データの集約と表示。
    • 各レベルの愛の行動に基づいた評価と分析。
  5. データのブロックチェーンへの記録と取得

    • 愛の行動データと愛貨の移動データをブロックチェーンに記録する機能。
    • ブロックチェーンからデータを取得し、表示する機能。
  6. 愛貨の管理

    • 個人の愛貨の残高管理。
    • 送信・受信履歴の表示。
  7. ユーザー管理

    • ユーザー登録、ログイン、認証機能。
    • ユーザープロフィールの管理。
  8. 通知機能

    • 愛の行動や愛貨の受領に関する通知機能。
    • 目標未達成や期限切れによる損失の通知。
  9. レポート機能

    • 定期的なレポートの生成と配信。
    • 活動レポート、愛貨の流通レポート、評価レポート。
  10. ダッシュボード

    • リアルタイムでの愛貨の流れや愛の行動の可視化。
    • 個人および市町村単位の統計データの表示。

非機能要件

  1. セキュリティ

    • データの保護と暗号化。
    • 不正アクセスや改ざんの防止。
  2. 可用性

    • システムの高可用性を確保。
    • 定期的なバックアップと障害時のリカバリ機能。
  3. パフォーマンス

    • 高速な取引処理能力。
    • 大量のデータを効率的に処理・表示する機能。
  4. スケーラビリティ

    • システムの拡張性。
    • 利用者の増加に対応できるアーキテクチャ設計。
  5. ユーザビリティ

    • 直感的で使いやすいユーザーインターフェース。
    • ユーザーガイドやヘルプ機能の提供。
  6. コンプライアンス

    • データ保護法やプライバシー規制の遵守。
    • 市町村や関連機関とのデータ連携の適法性。

解決すべき問題

  1. 透明性と信頼性の確保

    • 愛貨の取引と愛の行動の記録を透明にし、信頼性を確保する。
  2. データの一元管理

    • 個人および市町村単位でのデータを一元管理し、必要な情報を迅速に取得できるようにする。
  3. 愛の行動の促進

    • 愛の行動を促進し、社会全体の善行を増やすためのインセンティブを提供する。
  4. 評価制度の確立

    • 愛の行動に基づく独自の評価制度を確立し、個人および市町村の社会的評価を向上させる。
  5. データのセキュリティとプライバシーの保護

    • データのセキュリティを確保し、個人情報を保護する。

これらの要件を基に、愛記システムの基本設計を進めていくことが重要である。次のステップでは、これらの要件を具体的なアーキテクチャ設計に反映していくことになる。まずは、要件定義の解決すべき問題を一つずつクリアにしていきたい。

 

■透明性と信頼性の確保

愛貨の取引と愛の行動の記録を透明にし、信頼性を確保することが重要だ。以下に、具体的な項目とその決定プロセスを記載する。

・透明性と信頼性の確保に必要な項目と決定プロセス

1. データの完全性と一貫性の保証

  • データの完全性: すべての取引と愛の行動記録が正確かつ改ざんされていないことを保証する。

    • 項目: 取引ID、日時、送信者、受信者、愛貨の量、取引の内容、署名、ハッシュ値
    • 決定プロセス:
      1. ブロックチェーン技術を利用し、各取引をハッシュ関数で保護。
      2. 取引データをブロックに記録し、ブロックチェーンに追加する際にハッシュ値を生成。
      3. 各ブロックには前のブロックのハッシュ値を含め、一貫性を維持。
  • データの一貫性: システム全体でデータが統一されていることを確認する。

    • 項目: 同期プロトコル、データ検証アルゴリズム
    • 決定プロセス:
      1. 分散型ネットワークを構築し、データの同期をリアルタイムで行うプロトコルを実装。
      2. ノード間でデータ検証アルゴリズムを実行し、一貫性を確認。

2. 取引の透明性の確保

  • 公開取引データ: 取引データを公開し、誰でも確認できるようにする。

    • 項目: 公開された取引リスト、公開API、データアクセス権限
    • 決定プロセス:
      1. 公開APIを設計し、取引データをリアルタイムで取得できるようにする。
      2. 取引リストをインターフェース上に表示し、取引内容を透明に公開。
      3. データアクセス権限を設定し、必要なユーザーが適切にアクセスできるように管理。
  • 監査ログ: 取引や行動のすべての変更履歴を保持し、監査可能にする。

    • 項目: ログデータ、タイムスタンプ、変更内容、変更者ID
    • 決定プロセス:
      1. すべての取引と行動の変更を自動的に記録する監査ログシステムを構築。
      2. ログデータにタイムスタンプと変更者IDを付与し、変更履歴を追跡可能にする。
      3. 監査ログを定期的に監査し、不正行為の検出と防止を図る。

3. データのセキュリティとプライバシー保護

  • 暗号化: データの送受信時および保存時に暗号化を行い、データの安全性を確保。

    • 項目: 暗号化アルゴリズム、鍵管理システム
    • 決定プロセス:
      1. 強力な暗号化アルゴリズム(例:AES、RSA)を使用し、データを保護。
      2. 鍵管理システムを導入し、暗号鍵の生成、配布、保存、廃棄を安全に管理。
      3. データ送信時にSSL/TLSプロトコルを使用し、通信の安全性を確保。
  • アクセス制御: データへのアクセスを制御し、必要な権限を持つユーザーのみに限定。

    • 項目: アクセス権限管理、ユーザー認証、役割ベースのアクセス制御(RBAC)
    • 決定プロセス:
      1. アクセス権限管理システムを導入し、各ユーザーに適切な権限を付与。
      2. 多要素認証(MFA)を実装し、ユーザー認証の強化を図る。
      3. 役割ベースのアクセス制御(RBAC)を適用し、各役割に応じたアクセス権限を設定。

4. 取引の正当性の確認

  • 署名の生成と検証: 取引データの署名を生成し、取引の正当性を検証。

    • 項目: 署名アルゴリズム、公開鍵/秘密鍵
    • 決定プロセス:
      1. 取引データに基づいてデジタル署名を生成。
      2. 公開鍵/秘密鍵ペアを使用して、署名の検証を行う。
      3. 取引の正当性を確認し、不正取引を排除。
  • 取引の検証: 各取引を検証し、不正行為や二重支出を防止。

    • 項目: 検証プロトコル、コンセンサスアルゴリズム
    • 決定プロセス:
      1. 取引データを検証するためのプロトコルを実装。
      2. コンセンサスアルゴリズム(例:DPoS、PoP、PoH)を使用し、取引の検証と合意を得る。
      3. 検証プロセスをリアルタイムで実行し、取引の正当性を確保。

これらの項目を詳細に決定し、実装することで、愛記システムの透明性と信頼性を確保することができる。各項目については、具体的な技術要件や設計仕様を定義し、システム開発の各フェーズで反映させることが重要である。

 

・データの完全性について

まずはデータの完全性についてから順番に見ていこう。

項目: 取引ID、日時、送信者、受信者、愛貨の量、取引の内容、署名、ハッシュ値というが、いままで概念設計で記載してきた愛記システム、愛貨のやりとり、愛記の決算書を振り返ってみて、取引データは、取引ID、日時、送信者、受信者、愛貨の量、取引の内容、署名、ハッシュ値だけでいいのか、もっとたくさんあるのではと思ったので、今一度、取引データを検証してみよう。

・取引データの完全性を保証するための詳細な項目

  1. 取引ID (Transaction ID)

    • 取引ごとに一意の識別子。
    • 例: UUID (Universally Unique Identifier)。

      取引IDをプログラムで生成して利用する際には、UUID(Universally Unique Identifier)を使用することが一般的である。Pythonを用いた例を以下に示す。ここでは、標準ライブラリのuuidモジュールを使用してUUIDを生成し、それを取引IDとして利用している。
      import uuid
      import datetime

      # 取引クラスの定義
      class Transaction:
          def __init__(self, sender, receiver, amount, action_content, love_action_level):
              self.transaction_id = self.generate_transaction_id()
              self.timestamp = datetime.datetime.now().isoformat()
              self.sender = sender
              self.receiver = receiver
              self.amount = amount
              self.action_content = action_content
              self.love_action_level = love_action_level
              self.signature = self.generate_signature()
              self.hash_value = self.generate_hash()

          def generate_transaction_id(self):
              return str(uuid.uuid4())

          def generate_signature(self):
              # ここでは単純にコンテンツのハッシュを署名として使用(実際には公開鍵暗号を使用)
              import hashlib
              signature_content = f"{self.transaction_id}{self.timestamp}{self.sender}{self.receiver}{self.amount}{self.action_content}{self.love_action_level}"
              return hashlib.sha256(signature_content.encode()).hexdigest()

          def generate_hash(self):
              import hashlib
              hash_content = f"{self.transaction_id}{self.timestamp}{self.sender}{self.receiver}{self.amount}{self.action_content}{self.love_action_level}{self.signature}"
              return hashlib.sha256(hash_content.encode()).hexdigest()

          def __repr__(self):
              return (f"Transaction(transaction_id='{self.transaction_id}', timestamp='{self.timestamp}', sender='{self.sender}', "
                      f"receiver='{self.receiver}', amount={self.amount}, action_content='{self.action_content}', "
                      f"love_action_level={self.love_action_level}, signature='{self.signature}', hash_value='{self.hash_value}')")

      # 取引の作成例
      sender = "user_123"
      receiver = "user_456"
      amount = 10.0
      action_content = "Helping with groceries"
      love_action_level = 1

      transaction = Transaction(sender, receiver, amount, action_content, love_action_level)
      print(transaction)

      ・生成される取引の例

      上記のコードを実行すると、以下のような取引データが生成される。
      Transaction(transaction_id='d9b1d7ac-87c1-4a6e-9fbc-c1a1f896e92b', timestamp='2024-06-07T10:20:30.400110', sender='user_123', receiver='user_456', amount=10.0, action_content='Helping with groceries', love_action_level=1, signature='af5c7f836d6175fa233e7cb897f5e1c87479d89a46af3f2b2f7b2a3e3c8b95bc', hash_value='3d17d2f3072171f9d12e2856d3c1cf1c2c42c7a1e0b8eaf5c4a6f07a7f0b8c7b')

      ・説明

    • 取引ID (transaction_id): uuid.uuid4() を使用して一意の識別子を生成している。これは、取引ごとに異なるIDを保証する。
    • タイムスタンプ (timestamp): datetime.datetime.now().isoformat() を使用して、取引の発生時刻をISO 8601形式で記録している。
    • 署名 (signature): 取引内容をハッシュ化したものを署名として生成している。実際のシステムでは、公開鍵暗号を使用して署名を行う。
    • ハッシュ値 (hash_value): 取引の全データをハッシュ化したもので、データの完全性を保証する。
      このようにして取引データを生成し、UUIDを使用して一意の取引IDを付与することで、システムの透明性と信頼性を確保する。
       
  2. 日時 (Timestamp)

    • 取引が発生した正確な日時。
    • 例: ISO 8601形式で記録された日時。
      取引の日時を記録するためには、ISO 8601形式を使用することが推奨される。この形式は、日付と時刻を標準化された方法で表現するものであり、国際的に広く認識されている。
    • タイムスタンプ (timestamp): datetime.datetime.now().isoformat() を使用して、取引の発生時刻をISO 8601形式で記録する。この形式は、日付と時刻を「YYYY-MM-DDTHH:MM.mmmmmm」のように表現し、タイムゾーン情報を含むこともできる。
       
  3. 送信者 (Sender)

    • 愛貨を送信する個人または組織の識別情報。
    • 例: ユーザーID、公開鍵。

      フェデレーションモデルに基づくブロックチェーンネットワークの設計では、複数のメインチェーン(例えば大陸ごとに分ける)を設けることで、膨大な市町村の取引を効率的に処理し、スケーラビリティを確保することが可能である。この場合、ユーザーIDや送信者IDをユニークに管理するためには、以下のような戦略を採用することが考えられる。

      ・ユーザーIDの構造

      ユーザーIDを以下のように構造化することで、送信者がどの市町村、さらにはどのメインチェーンに所属しているかを明確にすることができる。

    • メインチェーン識別子(大陸やリージョンごとに一意のID)
    • 市町村識別子(各メインチェーン内で一意のID)
    • ユーザー識別子(市町村内で一意のID)

      ・ユーザーIDのフォーマット例
      [メインチェーン識別子]-[市町村識別子]-[ユーザー識別子]
      例えば、アジア地域の日本の石川県金沢市のユーザー123のIDは以下のようになる:
      AS-JP-IS-KN-123
       
    • プログラム設計:以下のPythonコードは、フェデレーションモデルに基づくユーザーIDの生成と、取引の記録を行う方法を行ったとして、DApps側のプログラムとして示す。
      ・フロントエンド(HTML + JavaScript)
      <!DOCTYPE html>
      <html>
      <head>
          <title>愛記システム</title>
          <script>
              async function submitTransaction() {
                  const userId = document.getElementById("user_id").value;
                  const actionId = document.getElementById("action_id").value;
                  const amount = document.getElementById("amount").value;
                  const signature = document.getElementById("signature").value;

                  const response = await fetch('/transactions', {
                      method: 'POST',
                      headers: {
                          'Content-Type': 'application/json'
                      },
                      body: JSON.stringify({
                          user_id: userId,
                          action_id: actionId,
                          amount: amount,
                          signature: signature
                      })
                  });

                  const data = await response.json();
                  console.log(data);
              }
          </script>
      </head>
      <body>
          <h1>愛記システム</h1>
          <form onsubmit="submitTransaction(); return false;">
              <label for="user_id">User ID:</label>
              <input type="text" id="user_id" name="user_id"><br>
              <label for="action_id">Action ID:</label>
              <input type="text" id="action_id" name="action_id"><br>
              <label for="amount">Amount:</label>
              <input type="text" id="amount" name="amount"><br>
              <label for="signature">Signature:</label>
              <input type="text" id="signature" name="signature"><br>
              <input type="submit" value="Submit Transaction">
          </form>
      </body>
      </html>

      ・バックエンド(Flask)
      from flask import Flask, request, jsonify
      import uuid
      import datetime
      import hashlib

      app = Flask(__name__)

      # データベースのモック
      users = {}
      transactions = []

      # ユーザー登録エンドポイント
      @app.route('/users', methods=['POST'])
      def register_user():
          data = request.json
          user_id = f"{data['region_id']}-{data['municipality_id']}-{str(uuid.uuid4())[:8]}"
          users[user_id] = {
              'name': data['name'],
              'email': data['email'],
              'public_key': data['public_key'],
              'private_key': data['private_key']
          }
          return jsonify({'status': 'success', 'user_id': user_id})

      # 取引記録エンドポイント
      @app.route('/transactions', methods=['POST'])
      def create_transaction():
          data = request.json
          transaction_id = str(uuid.uuid4())
          timestamp = datetime.datetime.now().isoformat()
          signature_content = f"{transaction_id}{timestamp}{data['user_id']}{data['action_id']}{data['amount']}{data['signature']}"
          signature = hashlib.sha256(signature_content.encode()).hexdigest()

          transaction = {
              'transaction_id': transaction_id,
              'timestamp': timestamp,
              'user_id': data['user_id'],
              'action_id': data['action_id'],
              'amount': data['amount'],
              'signature': signature
          }
          transactions.append(transaction)
          return jsonify({'status': 'success', 'transaction_id': transaction_id})

      # 取引取得エンドポイント
      @app.route('/transactions', methods=['GET'])
      def get_transactions():
          user_id = request.args.get('user_id')
          user_transactions = [tx for tx in transactions if tx['user_id'] == user_id]
          return jsonify({'transactions': user_transactions})

      if __name__ == '__main__':
          app.run(debug=True)

      ・説明

    • フロントエンド: HTMLフォームでユーザーが取引を入力し、JavaScriptでバックエンドのAPIにリクエストを送信する。
    • バックエンド: Flaskを使用してAPIエンドポイントを実装する。ユーザー登録、取引記録、取引取得の各エンドポイントを提供する。
      このようにして、DApps側の設計と実装が進む。次に、実装したコードを基にテストを行い、必要な機能が正しく動作することを確認するという具合だ。
       
  4. 受信者 (Receiver)

    • 愛貨を受信する個人または組織の識別情報。
    • 例: ユーザーID、公開鍵。ユーザーIDは上記の送信者と同じように考えればいい。
      プログラム設計:以下のPythonコードは、フェデレーションモデルに基づくユーザーIDの生成と、取引の記録を行う方法を行ったとして、DApps側のプログラムとして示す。

      ・フロントエンド(HTML + JavaScript)
      <!DOCTYPE html>
      <html>
      <head>
          <title>愛記システム</title>
          <script>
              async function submitTransaction() {
                  const senderId = document.getElementById("sender_id").value;
                  const receiverId = document.getElementById("receiver_id").value;
                  const actionId = document.getElementById("action_id").value;
                  const amount = document.getElementById("amount").value;
                  const signature = document.getElementById("signature").value;

                  const response = await fetch('/transactions', {
                      method: 'POST',
                      headers: {
                          'Content-Type': 'application/json'
                      },
                      body: JSON.stringify({
                          sender_id: senderId,
                          receiver_id: receiverId,
                          action_id: actionId,
                          amount: amount,
                          signature: signature
                      })
                  });

                  const data = await response.json();
                  console.log(data);
              }
          </script>
      </head>
      <body>
          <h1>愛記システム</h1>
          <form onsubmit="submitTransaction(); return false;">
              <label for="sender_id">Sender ID:</label>
              <input type="text" id="sender_id" name="sender_id"><br>
              <label for="receiver_id">Receiver ID:</label>
              <input type="text" id="receiver_id" name="receiver_id"><br>
              <label for="action_id">Action ID:</label>
              <input type="text" id="action_id" name="action_id"><br>
              <label for="amount">Amount:</label>
              <input type="text" id="amount" name="amount"><br>
              <label for="signature">Signature:</label>
              <input type="text" id="signature" name="signature"><br>
              <input type="submit" value="Submit Transaction">
          </form>
      </body>
      </html>

      ・バックエンド(Flask)
      from flask import Flask, request, jsonify
      import uuid
      import datetime
      import hashlib

      app = Flask(__name__)

      # データベースのモック
      users = {}
      transactions = []

      # ユーザー登録エンドポイント
      @app.route('/users', methods=['POST'])
      def register_user():
          data = request.json
          user_id = f"{data['region_id']}-{data['municipality_id']}-{str(uuid.uuid4())[:8]}"
          users[user_id] = {
              'name': data['name'],
              'email': data['email'],
              'public_key': data['public_key'],
              'private_key': data['private_key']
          }
          return jsonify({'status': 'success', 'user_id': user_id})

      # 取引記録エンドポイント
      @app.route('/transactions', methods=['POST'])
      def create_transaction():
          data = request.json
          transaction_id = str(uuid.uuid4())
          timestamp = datetime.datetime.now().isoformat()
          signature_content = f"{transaction_id}{timestamp}{data['sender_id']}{data['receiver_id']}{data['action_id']}{data['amount']}{data['signature']}"
          signature = hashlib.sha256(signature_content.encode()).hexdigest()

          transaction = {
              'transaction_id': transaction_id,
              'timestamp': timestamp,
              'sender_id': data['sender_id'],
              'receiver_id': data['receiver_id'],
              'action_id': data['action_id'],
              'amount': data['amount'],
              'signature': signature
          }
          transactions.append(transaction)
          return jsonify({'status': 'success', 'transaction_id': transaction_id})

      # 取引取得エンドポイント
      @app.route('/transactions', methods=['GET'])
      def get_transactions():
          user_id = request.args.get('user_id')
          user_transactions = [tx for tx in transactions if tx['sender_id'] == user_id or tx['receiver_id'] == user_id]
          return jsonify({'transactions': user_transactions})

      if __name__ == '__main__':
          app.run(debug=True)

      ・説明

    • フロントエンド: HTMLフォームでユーザーが取引を入力し、JavaScriptでバックエンドのAPIにリクエストを送信する。
    • バックエンド: Flaskを使用してAPIエンドポイントを実装する。ユーザー登録、取引記録、取引取得の各エンドポイントを提供する。
      この設計と実装例は、DApps側で愛貨の送受信を管理するシステムを構築するための基本的な構成を示している。これにより、世界中の市町村に所属するユーザー間での愛貨のやりとりが可能になる。
       
  5. 愛貨の量 (Amount of Love Tokens)

    • 取引される愛貨の具体的な量。
    • 例: 整数または浮動小数点数。

      愛貨は、後に市場でのやり取りが可能となった場合、つまり変動相場制になった場合、どのように解釈すれば良いのであろうか。”愛貨”の額が変動するということは、つまりは愛の行動の価値が変動するということと同じだ。なお、愛の行動にはレベルがあり、それぞれのレベルは相転移によって、断続的に難度があがる仕組みだ。であるならば、別々のトークンにした方が分かり易いということではないかと考えられる。そこで、下記のように”愛貨”を10種類に分けてやり取りさせることを考えたい。
      Lv1:AIR(Root)
      Lv2:AIS(Sacral)
      Lv3:AIP(solar Plexus)
      Lv4:AIH(Heart)
      Lv5:AIT(Throat)
      Lv6:AII(ThIrd Eye)
      Lv7:AIC(Crown)
      Lv8:AIU(Universal)
      Lv9:AIE(Earth Star)
      Lv10:AIM(solar Matrix)
      というような10種類の”愛貨”を市場でやり取りさせたいと思う。この場合、愛貨の量という項目は、時価で上記の10種類の愛貨の価値をその場で確認し、時価価格として愛貨の量としてやりとりするということになる。このような仕組みをフェデレーションモデルにおいて仕組み化したとして、DApps側であるPythonプログラムがどうなるかを見てみよう。
       

      ・フロントエンド(HTML + JavaScript)
      <!DOCTYPE html>
      <html>
      <head>
          <title>愛記システム</title>
          <script>
              async function submitTransaction() {
                  const senderId = document.getElementById("sender_id").value;
                  const receiverId = document.getElementById("receiver_id").value;
                  const actionId = document.getElementById("action_id").value;
                  const tokenType = document.getElementById("token_type").value;
                  const amount = document.getElementById("amount").value;
                  const signature = document.getElementById("signature").value;

                  const response = await fetch('/transactions', {
                      method: 'POST',
                      headers: {
                          'Content-Type': 'application/json'
                      },
                      body: JSON.stringify({
                          sender_id: senderId,
                          receiver_id: receiverId,
                          action_id: actionId,
                          token_type: tokenType,
                          amount: amount,
                          signature: signature
                      })
                  });

                  const data = await response.json();
                  console.log(data);
              }

              async function getTokenPrices() {
                  const response = await fetch('/token_prices');
                  const data = await response.json();
                  console.log(data);
                  // Update UI with token prices
              }
          </script>
      </head>
      <body>
          <h1>愛記システム</h1>
          <form onsubmit="submitTransaction(); return false;">
              <label for="sender_id">Sender ID:</label>
              <input type="text" id="sender_id" name="sender_id"><br>
              <label for="receiver_id">Receiver ID:</label>
              <input type="text" id="receiver_id" name="receiver_id"><br>
              <label for="action_id">Action ID:</label>
              <input type="text" id="action_id" name="action_id"><br>
              <label for="token_type">Token Type:</label>
              <input type="text" id="token_type" name="token_type"><br>
              <label for="amount">Amount:</label>
              <input type="text" id="amount" name="amount"><br>
              <label for="signature">Signature:</label>
              <input type="text" id="signature" name="signature"><br>
              <input type="submit" value="Submit Transaction">
          </form>
          <button onclick="getTokenPrices()">Get Token Prices</button>
      </body>
      </html>

      ・バックエンド(Flask)
      from flask import Flask, request, jsonify
      import uuid
      import datetime
      import hashlib

      app = Flask(__name__)

      # データベースのモック
      users = {}
      transactions = []
      token_prices = {
          "AIR": 1.0, "AIS": 1.1, "AIP": 1.2, "AIH": 1.3,
          "AIT": 1.4, "AII": 1.5, "AIC": 1.6, "AIU": 1.7,
          "AIE": 1.8, "AIM": 1.9
      }

      # ユーザー登録エンドポイント
      @app.route('/users', methods=['POST'])
      def register_user():
          data = request.json
          user_id = f"{data['region_id']}-{data['municipality_id']}-{str(uuid.uuid4())[:8]}"
          users[user_id] = {
              'name': data['name'],
              'email': data['email'],
              'public_key': data['public_key'],
              'private_key': data['private_key']
          }
          return jsonify({'status': 'success', 'user_id': user_id})

      # 取引記録エンドポイント
      @app.route('/transactions', methods=['POST'])
      def create_transaction():
          data = request.json
          transaction_id = str(uuid.uuid4())
          timestamp = datetime.datetime.now().isoformat()
          signature_content = f"{transaction_id}{timestamp}{data['sender_id']}{data['receiver_id']}{data['action_id']}{data['token_type']}{data['amount']}{data['signature']}"
          signature = hashlib.sha256(signature_content.encode()).hexdigest()

          transaction = {
              'transaction_id': transaction_id,
              'timestamp': timestamp,
              'sender_id': data['sender_id'],
              'receiver_id': data['receiver_id'],
              'action_id': data['action_id'],
              'token_type': data['token_type'],
              'amount': data['amount'],
              'signature': signature
          }
          transactions.append(transaction)
          return jsonify({'status': 'success', 'transaction_id': transaction_id})

      # 取引取得エンドポイント
      @app.route('/transactions', methods=['GET'])
      def get_transactions():
          user_id = request.args.get('user_id')
          user_transactions = [tx for tx in transactions if tx['sender_id'] == user_id or tx['receiver_id'] == user_id]
          return jsonify({'transactions': user_transactions})

      # トークン価格取得エンドポイント
      @app.route('/token_prices', methods=['GET'])
      def get_token_prices():
          return jsonify(token_prices)

      if __name__ == '__main__':
          app.run(debug=True)

      ・説明

    • フロントエンド: HTMLフォームでユーザーが取引を入力し、JavaScriptでバックエンドのAPIにリクエストを送信する。また、トークン価格を取得してUIに表示する。
    • バックエンド: Flaskを使用してAPIエンドポイントを実装する。ユーザー登録、取引記録、取引取得、トークン価格取得の各エンドポイントを提供する。
       
  6. 取引の内容 (Transaction Content)

    • 取引の具体的な内容や目的。
    • 例: 「ゴミ出しの手伝い」「地域清掃活動への参加」。
  7. 署名 (Signature)

    • 取引データを送信者がデジタル署名したもの。
    • 例: デジタル署名アルゴリズムを用いた署名データ。
  8. ハッシュ値 (Hash Value)

    • 取引データ全体のハッシュ値。
    • 例: SHA-256アルゴリズムを用いたハッシュ値。
  9. 取引ステータス (Transaction Status)

    • 取引が完了しているか、保留中か、取り消されているかなどのステータス情報。
    • 例: 「完了」「保留」「取り消し」。
  10. 取引のカテゴリ (Transaction Category)

    • 取引の種類やカテゴリ。
    • 例: 「地域貢献」「家庭支援」「環境保護」。
  11. 証拠データ (Proof Data)

    • 取引内容の証拠として提出される追加データ。
    • 例: 画像、動画、証明書。
  12. ジオロケーションデータ (Geolocation Data)

    • 取引が行われた場所の地理情報。
    • 例: 緯度と経度のデータ。
  13. 関連取引ID (Related Transaction ID)

    • 関連する他の取引のID。
    • 例: チェーン取引や複数段階の取引における関連ID。
  14. メタデータ (Metadata)

    • 取引に関連する追加情報。
    • 例: 取引の優先度、取引のコメント。
  15. ゼロ知識証明 (Zero-Knowledge Proof)

    • 取引の正当性を第三者に証明するためのゼロ知識証明データ。
    • 例: zk-SNARKsやzk-STARKsの証明データ。
  16. 関連アクションID (Related Action ID)

    • 取引に関連する愛の行動の識別情報。
    • 例: アクションID。
  17. 取引費用 (Transaction Fee)

    • 取引にかかる手数料。
    • 例: 愛貨の量。
  18. 承認者情報 (Approver Information)

    • 取引を承認した個人または組織の情報。
    • 例: ユーザーID、公開鍵。
  19. 愛の行動レベル (Love Action Level)

    • 取引に関連する愛の行動のレベル。
    • 例: レベル1~10。
  20. 受信日時 (Received Timestamp)

    • 取引が受信者によって確認された日時。
    • 例: ISO 8601形式で記録された日時。

これらの項目を包括的に管理することで、愛記システムの透明性と信頼性を確保し、すべての取引と愛の行動が正確かつ改ざんされていないことを保証できる。各項目について詳細な仕様を定義し、システム全体で統一的に管理することが重要である。

 

 

いかがであろうか、まだ項目の途中だが、次回に続きを記載したい。