愛記システム概念設計:地域経済の評価項目・愛貨取引量指標 (ATV) | 続・ティール組織 研究会のブログ

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先までは、"愛記"についての記載で、どのようにブロックチェーンSNSに組み込んで実装していけばよいのか、概念的なところからアプローチ方法を記載していった。大まかな概念としてはひとまず終えた。次は、ブロックチェーンの概念設計といえるところまで、基本設計書に着手できるようなところまで、概念を具体化していきたい。

地域経済の評価項目について

先に個人の評価項目について記載した。今度は、地域経済の評価項目について見ていきたい。愛貨という通貨の性質を考えれば、地域経済をまったく違う視点で見ていくことになる。世界は金本位制から始まり、通貨発行権を駆使して金利を設けて経済を動かしてきた。今からの時代は、当方が考えている愛貨が経済を動かすだろう。それは、行動本位制と呼ばれ、愛の行動をしたら愛貨がやりとりされ、その愛の行動が実経済も動かすという理論。だから、行動量を10倍にすれば、実経済も約10倍になるということ。これを経済学的に証明していきたい。

 

経済学的な証明を行うためには、愛貨の導入による経済指標の変化や実際の経済活動との関連性を分析する研究が必要になる。具体的なデータや実証研究を通じて、この説がどのように現実の経済に影響を与えるかを示すことが重要であろう。以下に、その具体的な構築方法を示す。

  1. 愛貨の経済効果の計測: 従来の地域経済の評価制度を活用して、愛貨の経済効果を計測するための指標を設定する。これには、愛貨の取引量、愛貨の流通速度、愛貨の利用頻度などが含まれる可能性がある。

  2. 社会的結束力の評価: 地域経済の評価制度に社会的結束力を評価する指標を追加する。これには、愛貨の取引が地域社会の結束力に与える影響や、地域住民の協力関係の強化度などが含まれるかもしれない。

  3. 共感性の評価: 地域経済の評価制度に共感性を評価する指標を追加する。これには、愛貨の利用者が共感や思いやりを高めるかどうか、地域全体の共感度や思いやりの文化が形成されるかどうかなどが含まれるかもしれない。

  4. 社会的責任の評価: 地域経済の評価制度に社会的責任を評価する指標を追加する。これには、愛貨の取引データの透明性や、個人や企業が地域社会に対してどれだけ貢献しているかなどが含まれるかもしれない。

以上のように、従来の地域経済の評価制度を活用して、愛貨の経済圏の評価制度を構築することができる。この評価制度を通じて、愛貨が地域社会に与えるポジティブな影響を定量的かつ定性的に評価することが可能になる。具体的な数式として、以下のような評価指標を考えてみる。これらの指標は、地域経済の評価制度に追加されるものとして構築される。

  1. 愛貨の経済効果指標:

    • 愛貨取引量指標 (ATV): 愛貨の取引量を示す指標である。
      ATV=愛貨取引総額​/地域内総生産(GDP)

    • 愛貨の流通速度指標 (AVV): 愛貨が地域内でどれだけ速く回転しているかを示す指標である。
      AVV=愛貨取引総額​/愛貨の流通量

  2. 社会的結束力指標:

    • 愛貨関連協力指数 (ACCI): 地域社会の結束力を示す指標である。
      ACCI=愛貨関連の協力関係数​/地域内総人口
  3. 共感性指標:

    • 愛貨共感性指数 (ASI): 地域内での共感性を示す指標である。
      ASI=愛貨取引者の共感行動数​/地域内総人口
  4. 社会的責任指標:

    • 愛貨社会的責任指数 (ASRI): 地域社会への責任を示す指標である。
      ASRI=愛貨関連の社会貢献行動数​/地域内総人口
  1. 地域内貿易指数 (AIT): 地域内での愛貨の取引による地域内貿易の活性度を示す指標である。
      AIT=地域内愛貨取引総額​/地域内総生産(GDP)

  2. 地域外貿易指数 (AET): 地域外との交流において、愛貨がどれだけ活用されているかを示す指標である。
      AET=地域外愛貨取引総額​/地域内総生産(GDP)

  3. 愛貨所得格差指数 (AIHI): 地域内における愛貨の所得格差を示す指標で、愛貨の所得の分散具合を示す。   AIHI=愛貨所得の標準偏差​/愛貨所得の平均

  4. 愛貨価値指数 (AVI): 地域内での愛貨の価値の安定性を示す指標で、価値の変動が少ないほど高い値となる。   AVI=価値変動の標準偏差​/価値の平均

  5. 愛貨利用率 (AUR): 地域内の人々が愛貨をどれだけ利用しているかを示す指標である。   
      AUR=100×愛貨取引量​/総取引量

これらの指標を利用することで、愛貨の経済圏が地域経済に与える影響をより詳細に評価することができる。

 

 

・愛貨取引量指標 (ATV): 愛貨の取引量を示す指標

ATV=愛貨取引総額​/地域内総生産(GDP)を計算する際には、いくつかの難しいポイントがある。

  1. データの正確性: 愛貨取引総額と地域内総生産(GDP)の正確な値を取得することが重要である。特に、GDPの場合は複数の要素から成り立っており、それらを正確に把握する必要がある。

  2. データの更新頻度: ATVは時間経過によって変動する可能性があるため、データの更新頻度が重要である。実際の経済活動に追いつくような頻度でデータを更新する必要がある。一般的な地域や都市部では、月次の更新が適切な場合がある。月次更新は、一定の周期でのデータの収集と集計を可能にし、比較的正確な結果を提供する。なお、地方や農村部など、経済活動が比較的緩やかな地域では、季節ごとや半期ごとの更新が適切かもしれない。

  3. データの可用性: すべての地域で愛貨取引総額とGDPのデータが正確に利用可能であるかどうかが問題となる。特に、一部の地域ではデータが不足している場合があるためだ。愛貨取引総額やGDPなどのデータが不足している場合、正確なATVの計算が困難になる可能性がある。北陸地方の場合、石川県、富山県、福井県、新潟県の4県のデータが必要だが、さらにそれぞれの県に属する市町村のデータも必要となる。これらのデータが正確かつ利用可能であることが、地域経済の分析やATVの計算において重要である。自治体や関係機関がデータの収集と管理を適切に行うことで、地域経済の健全性や活性化につながる可能性がある。

  4. 計算精度の管理: ATVの計算精度を管理する必要がある。特に、浮動小数点数を扱う場合、誤差が生じる可能性があるため、十分な精度を保つ必要がある。
     

■地域経済評価項目・ATV専用API

なお、メインチェーンにアクセスしてデータを取得するため、スマートコントラクトでは危険である。セキュリティを強固にしたAPI経由にてデータを取得することとする。以下のAPIでは、/update_transactions_totalと/update_gdpエンドポイントを使って、愛貨取引総額とGDPを更新する。そして、/calculate_atvエンドポイントを使ってATVを計算して返す。

from flask import Flask, jsonify, request

app = Flask(__name__)

# 愛貨取引総額と地域内総生産(GDP)を保持する変数
transactions_total = 0
gdp = 0

@app.route('/update_transactions_total', methods=['POST'])
def update_transactions_total():
    global transactions_total
    try:
        data = request.get_json()
        transactions_total = float(data.get('transactions_total', 0))
        return jsonify({'message': 'Transactions total updated successfully'})
    except Exception as e:
        return jsonify({'error': str(e)}), 400

@app.route('/update_gdp', methods=['POST'])
def update_gdp():
    global gdp
    try:
        data = request.get_json()
        gdp = float(data.get('gdp', 0))
        return jsonify({'message': 'GDP updated successfully'})
    except Exception as e:
        return jsonify({'error': str(e)}), 400

@app.route('/calculate_atv', methods=['GET'])
def calculate_atv():
    global transactions_total, gdp
    try:
        if gdp == 0:
            return jsonify({'error': 'GDP is not available'}), 400

        atv = transactions_total / gdp
        return jsonify({'atv': atv})
    except Exception as e:
        return jsonify({'error': str(e)}), 500

if __name__ == '__main__':
    app.run(debug=True)
 

この修正では、try-except文を使用して、エラーが発生した場合に適切なエラーメッセージとステータスコードを返すようにした。また、transactions_totalおよびgdpのデータ型をfloatにキャストすることで、数値が正しく更新されることを確認している。

 

■地域経済評価項目・ATV分析バックエンドプログラム

以下は、DApps側のPythonプログラムである。セキュリティトークンを使用して認証を行い、API経由で分析結果を取得するようになっている。

import requests
from functools import wraps
from flask import Flask, jsonify, request

app = Flask(__name__)

# セキュリティトークン
SECURITY_TOKEN = "your_security_token_here"

# 認証デコレータ
def requires_auth(f):
    @wraps(f)
    def decorated(*args, **kwargs):
        token = request.headers.get('Authorization')
        if not token or token != f"Bearer {SECURITY_TOKEN}":
            return jsonify({'error': 'Unauthorized'}), 401
        return f(*args, **kwargs)
    return decorated

@app.route('/get_love_action_analysis')
@requires_auth
def get_love_action_analysis():
    try:
        # API経由で分析結果を取得
        response = requests.get('http://your_api_url/get_love_action_analysis')
        analysis_data = response.json()
        return jsonify(analysis_data)
    except Exception as e:
        return jsonify({'error': str(e)}), 500

if __name__ == '__main__':
    app.run(debug=True)

 

上記のプログラムは、API経由で愛貨取引総額と地域内総生産(GDP)を更新し、ATV(愛貨取引量指標)を計算している。以下の3つのエンドポイントを提供している。

  1. /update_transactions_total: 愛貨取引総額を更新するためのPOSTリクエストを受け付けるエンドポイント。
  2. /update_gdp: GDPを更新するためのPOSTリクエストを受け付けるエンドポイント。
  3. /calculate_atv: ATVを計算して返すためのGETリクエストを受け付けるエンドポイント。

これにより、APIを介して愛貨取引総額とGDPを更新し、ATVを計算することが可能になる。

 

 

いかがであろうか、これが地域経済評価項目・ATVについてであった。これにより、ATVをリアルタイムで分析できるようになる。とはいえ、リアルタイムでもあまり意味はないので、月次、もしくは季節毎などの分析で良いのであろう。ATVの数値を評価する際には、取引量が多いほど良いというわけではない。ATVはあくまで愛貨取引総額と地域内総生産(GDP)の比率を示す指標であり、その数値が高いほど経済活動が活発であることを示唆する。しかし、取引量が多いだけでなく、経済全体の健全性や持続可能性、地域社会の発展に貢献しているかどうかも重要である。例えば、取引量が多いがその多くが一部の企業や個人によるものであり、地域全体の発展や社会貢献に繋がらないような場合、ATVが高くても意味がない。そのため、ATVの数値を評価する際には、取引量だけでなく、地域全体の経済活動や社会貢献度、持続可能性などを総合的に考慮する必要があるということだ。