愛記システム概念設計:愛貨の額について | 続・ティール組織 研究会のブログ

続・ティール組織 研究会のブログ

ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先までは、"愛記"についての記載で、どのようにブロックチェーンSNSに組み込んで実装していけばよいのか、概念的なところからアプローチ方法を記載していった。大まかな概念としてはひとまず終えた。次は、ブロックチェーンの概念設計といえるところまで、基本設計書に着手できるようなところまで、概念を具体化していきたい。

愛貨の額について

さて、初期設定ができたら、さっそく行動をしてみよう。まずは簡単な行動からやってみることだ。NFTの記録がきかっけとなって、新しい出会いにつながることもあると思う。NFT自体は「真偽性と取引記録をブロックチェーン上で未来永劫に渡って証明する仕組み」を持つ暗号キーのことなので、この仕組みを利用して、ある人が行動した一連の内容をNFT化して渡し、受け取った証明と”愛貨”と紐付けるという仕組みである。NFTで履歴を蓄積できて、以前はこんな行動をしたなあ!とか、あのときの愛の行動はありがたかったなあ!と振り返られたりするのも、”愛記”ならではであろう。

 

この際、問題になるのが、”愛貨”の額だ。これをどのように設定するのかによって、運用が大きく変わってくる。不正行為を防ぐという意味で、同じ人たちが繰り返し”愛貨”をやりとりしているとか、同じ時間に集中して何度もやりとりしているとか、そのような行為をAIで判別して、”愛貨”の額を変動させるということも可能であろう。変動させるということは、不正行為を防ぐ意味もあるが、質の良い行動を促すことにもなり得る。なるべくレベルの高い行動を促したいのであれば、もっとレベル毎の愛貨の額に差をつけるのも良い。これで運用は大きく変わるので、目的が何で、どんな不正リスクがあり、どんな影響を及ぼすのかを今一度検証していかねばならないのであろう。

目的は?

目的は、先から記載しているように、市町村の減税措置による地域活性化だ。そう、目的は”地域活性化”だ。方法が、市町村による所得税や法人税などの減税という方法だ。お金が無い人でも、愛の行動をすれば所得税減税などの実効果があるなら、愛の行動をしようかなというトリガーになる。企業も法人税などの減税されるなら、愛の行動を従業員に促そうかなというトリガーになる。それにより、市町村に住民が押し寄せたり、企業が押し寄せたりし、地域活性化になれば良いと考える。

 

全国民が”愛の行動”を自ら起こすような仕掛けが必要なのだ。とはいえ、何かメリット感がないと動かないのも事実だ。そのバランスが難しい。このバランスを考えて、”愛記システム”では、所得税減税や法人税などの減税にとどめ、あとは質の高い”愛の行動”を促す仕掛けを盛り込んで行くことで施策としたい。例えば、地域通貨という性質を利用して、地域に居住している住民や企業のみが参入できるとか、他の地域と愛貨交換が可能とか、世界中の誰もが閲覧可能とか、ランキング制度、表彰制度、愛の行動証明書、企業への採用選考優位性、などの仕掛けが考えられる。

 

よって結論だが、導入当初は、”愛貨”の額は下記のように設定したい。

Lv1:10愛貨

Lv2:40愛貨

Lv3:70愛貨

Lv4:100愛貨

Lv5:130愛貨

Lv6:160愛貨

Lv7:190愛貨

Lv8:220愛貨

Lv9:250愛貨

Lv10:280愛貨

という具合に、固定とするものとする。後に変動相場制に移行する。これにより、レベルの高い愛の行動も促せるし、かといってレベルの低い愛の行動もおろそかにしないだろう。両方のバランスを考慮して、このように設定したい。

 

先の仕訳の例として、愛の行動Lv7:”瞑想し無意識になる”となるを見てみよう。Sさんは、人類の代表として行動しているのであり、人類の皆が瞑想による安らぎを手に入れれば良いのにと願っての行動なのだ。よって、第8次元:人類という立場にて仕訳することになる。

 

・借方(発信先):第8次元_人類_Sさん 、瞑想し無意識になる、 190愛貨を渡す

→ 詳細内容を備考欄に記入。

 

・貸方(受信側):第8次元_人類_Oさん 、気持ちが楽になる、 190愛貨を受け取る

→ 背景等を備考欄に記入。

 

このような自動仕訳がなされることになる。そして、190愛貨が動くことになる。このような仕訳が積み重なって、下図のようなP/L、B/Sとなっていくのだ。

・B/Sについて(エネルギー量)

・P/Lについて(行動量)

これを月次、年次で締めて、市町村の評価というプロセスに入っていくという具合だ。

 

未処理愛貨トークン勘定について

ただ、実際の処理として、次のようなことを考慮せねばならない。

・愛の行動を行ったとしても、リアルタイムで相手が受け取ってくれるとは限らない。タイムラグがあるということだ。それが相手が受け取り行為をしないこともあり得る。さらにトランザクションの処理にも時間がかかる場合もあるため、受け取るよと相手が言っていてもまだ処理がされていない仮の状態と言うこともあり得る。

 

どういうことかというと、相手に対して、親身に説教したとしよう。Lv6:必要なことを告げる・叱る、という科目を選んで相手にNFTを送ったとしよう。しかし、相手はまったく響かず、むしろ無視されてしまったとしよう。このような場合、相手が受け取らないが、自分はNFTを送っているという処理が発生する。こういう時に、未処理愛貨トークン勘定が役立つということだ。

 

ストーリー: AさんがLv3:なごませる、という愛の行動を行い、Bさんに愛貨を送る

  1. Aさんの行動:

    • AさんがLv3:なごませるの愛の行動「70愛貨」を行い、Bさんがそれに感動したがまだNFTを受け取っていない状態。
  2. 仕訳:

    借方: 未処理愛貨トークン 70愛貨(AさんのLv3の行動) 貸方: 愛貨トークン資産 70愛貨(Bさんの受取)

    • 説明: AさんのLv3の行動に基づき、未処理の愛貨トークンがBさんに送られ、Bさんの愛貨トークン資産が増加。

未処理愛貨トークンという科目は、愛貨のやりとりにおいて、トランザクションが発生してもまだ処理が確定していない仮の状態を表すために使用される。

  1. 非同期性の表現:

    • 愛貨のやりとりは非同期的に行われる可能性がある。行動が実行されたときにトランザクションが即座に確定するのではなく、その処理には時間がかかる場合がある。未処理愛貨トークンは、この非同期性を表現するために使用される。
  2. 途中段階の可視化:

    • 愛貨のやりとりにおいては、送り手が行動を実行しても、受け手がそれを確認するまでが途中段階となる。未処理愛貨トークンは、まだ確定していないトランザクションを可視化し、途中段階の取引を表現する。
  3. トランザクションの透明性:

    • 未処理愛貨トークンを使用することで、トランザクションがどの段階にあるかが透明になる。トランザクションが確定すると、対応する科目に反映される形となる。
  4. 分散型台帳の特性:

    • ブロックチェーンや分散型台帳では、トランザクションがブロックに含まれ、それがネットワーク全体に伝播してから確定する。未処理愛貨トークンを使うことで、これらのブロック生成および伝播の過程を科目で表現することができる。

したがって、未処理の段階では借方が未処理愛貨トークン、貸方が愛貨トークン資産となり、トークンが確定および受け手に渡された段階で仕訳が反転する。未処理愛貨トークンは、このような背景から、トランザクションの進捗を柔軟かつ透明に記録するための科目として選択された。

 

では、1:1の愛貨のやり取りでは無く、1:多のやり取りについて見ていこう。例えば、ダライ・ラマが来日して加賀市で愛の講話をしたとする。すると、来場者1000人もの人に愛の行動が送られることになる。その愛の行動が第9次元:地球であったとしよう。しかし、受け手はその次元では受け取らず、第1次元:個人や、第2次元:ボランティアチーム、などの次元で受け取るかもしれない。これが現実であろう。それでもダライ・ラマの言葉を自分なりの解釈で受け止めるのである。これを愛貨のやりとりで見える化すると下記のようになるのだろう。

  • 第9次元:地球の目線、Lv4:光と闇を認める → 来場者1000人に100愛貨が送付される

来場者は、このまま受け取る人もいれば、自分なりの解釈で受け取る人もいる。

  • 第9次元:地球の目線で受け止めた人 300人
  • 第4次元:加賀市の目線で受け止めた人 200人
  • 第2次元:ボランティアチームの目線で受け止めた人 100人
  • 第1次元:個人の目線で受け止めた人 200人
  • 受け止められずスルーした人 200人

これが現実的なのであろう。第9次元:地球の目線で受け止められる人はそう多くはないということだ。では、これをブロックチェーンSNSの設計者でどのようにすれば良いのかということだ。DApps上で講演会の会場にいる1000人に向けて、それぞれ異なる次元での愛の行動を送る画面を設計する際の基本的な考え方と流れを説明しよう。

  1. ユーザーの選択:

    • ユーザーが講演会の会場にいる1000人の中から、行動を受け取る相手を選択できるようにする。各人がどの次元で愛の行動を受け取るかを選択できるような形式が良いだろう。
  2. 送信と記録:

    • ユーザーが行動を選択し、送信ボタンを押すと、DAppsがそれぞれの対象者に対してユーザーが選択した次元で行動を送る。同時に、送信された行動の情報をブロックチェーン上に記録する。受け取る人が次元を変更できるような形式があり、受け取る際の次元を選択して愛貨を受け取る。同時にその情報をブロックチェーン上に記録する。これにより、すべての行動が透明かつ不変的に保存される。
  3. スルーした人の処理:

    • 受け取らなかった人についても、スマートコントラクト内で処理を行う。スルーされた人にも、特定の評価がなされ、ランキングに影響を与えることになる。
  4. リアルタイムなランキング表示:

    • ユーザーがいつでもリアルタイムにランキングを確認できるように、DApps上でランキングの表示画面を用意する。これにより、各ユーザーは他の参加者との比較や自身のランキングの変動を確認できる。

これらの手順により、複数人に同時に愛の行動を送り、それに応じてランキングがリアルタイムに更新される画面が設計される。ユーザーはそれぞれが選んだ次元で行動を受け取り、また送った行動がランキングに影響を与えることになる。

 

ただこれでわかるように、愛記において複数の見ず知らずの人にNFTを送りつける迷惑行為が懸念されるが、受け手が受け取らないので大丈夫だろう。何度も記載するが、愛貨は減らすことに価値がある。貯めると負債と同じでその分、愛の行動をせねばならない。つまり、受け取ると負債を背負うことになる。安易に受け取れない仕組みだ。誰か分からない人から来たNFTを受け取ることはまず無いので大丈夫だろう。

 

以下は、愛の行動を送る画面と受け取る画面の基本的な機能とデザインのアイディアである。

愛の行動を送る画面:

  1. 愛の行動の設定:

    • ユーザーが次元、レベル、内容を選択・入力できるフォームを設ける。各次元ごとに対応するレベルや内容が表示され、ユーザーが簡単に選択できるようにする。
  2. 相手の選択:

    • 例えば1000人ならば、それらのリストが表示され、各人に対してのチェックボックスがあり、一括でONにする機能や個別に選択する機能が用意される。これにより、ユーザーは特定の人たちに向けて一斉に愛の行動を送ることができる。
  3. 送信ボタン:

    • 愛の行動が設定され、対象者が選択されたら、送信ボタンをクリックできるようにする。このボタンを押すと、スマートコントラクトが相手に対して愛の行動を送信する。

愛の行動を受け取る画面:

  1. 次元ごとのリスト表示:

    • 各次元ごとに、その次元で愛の行動を送ってきた人のリストが表示される。ユーザーはそれぞれの次元で誰が愛の行動を送ってきたのかを確認できる。
  2. 受け取る/スルーの選択:

    • 各人ごとに、愛の行動を受け取るかスルーするかを選択できるようにする。これにより、ユーザーは自分の都合や感情に合わせて行動を選択できる。
  3. ランキングへの反映:

    • 愛の行動を受け取るかスルーすることで、スマートコントラクトが愛貨残高を調整し、それがランキングに反映される。ランキングの変動をリアルタイムに表示し、競争の要素も加味する。
  4. リアクションのオプション:

    • 受け取った際には、感謝のリアクションやコメントなどを追加できるようにする。これにより、受け取り手と送り手のコミュニケーションが促進される。

以上の機能を組み合わせることで、DApps上で効果的な愛の行動の送受信とそれに伴うランキングの運用が可能となる。

 

 

いかがであろうか、次元、愛貨の額について記載してきたが、画面イメージは出来たであろう。このようなイメージは設計時に欠かせない。具体的に一つずつイメージを固めていきたい。