ブロックチェーンSNS概念設計:Dappsとの連携② | 続・ティール組織 研究会のブログ

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先までは、"愛記"についての記載で、どのようにブロックチェーンSNSに組み込んで実装していけばよいのか、概念的なところからアプローチ方法を記載していった。大まかな概念としてはひとまず終えた。次は、ブロックチェーンの概念設計といえるところまで、基本設計書に着手できるようなところまで、概念を具体化していきたい。

Dappsについて②:

先にシステム評価の各項目について記載した。システム評価についてはこれでひとまず終わりとしたい。次に、愛貨のブロックチェーンとDApps側であるSNSや愛記システムと同じアイデンティティを使用できるようにすることについて考えてみる。SNS機能はDapps側でシステム構築する方が有利と考え、SNS機能の”いいね!”や”コメント”などは直接ブロックチェーンにせず、愛の行動にて愛貨のやりとりをブロックチェーンにて処理するシステムとしたい。

 

DApps側のフォームから入力されたデータをトランザクションとして受け取り、ブロックチェーンに追加していく。ブロックチェーンにはトランザクションの必要なデータのみが含まれ、その他の処理(例: 暗号化、位置情報の証明、履歴の証明、ゼロ知識証明の生成など)はDApps側で行われる。このように、ブロックチェーンはデータの信頼性や透明性を提供し、DApps側は必要な処理を行うという役割分担が行われていく。なお、DApps側のプログラムに新しいセキュリティ対策を追加することが一般的であろう。例えば、データの暗号化や署名、アクセス制御などのセキュリティ機能を追加することが考えられる。また、ブロックチェーン自体のセキュリティも重要であり、適切な暗号化やネットワークの監視などが必要であろう。

 

愛貨を用いたブロックチェーンSNSがDAppsと同じアイデンティティを使用できるようになる。その場合、愛貨は目標管理制度のようなものなのであり、”愛記”という行動履歴とか、達成状況などの集計結果をDApps側で行い、ユーザーが閲覧できるようにする。その仕組みを説明しよう。

  1. データの蓄積:

    • DAppsは、ユーザーが設定した目標や行動履歴、達成状況などのデータを分散型データベースや分散型ストレージに蓄積する。このデータはブロックチェーン上に保存され、分散型の特性を活かして透明性と信頼性を確保する。
  2. 集計と分析:

    • DAppsは集められたデータをもとに、ユーザーの行動履歴や目標の進捗状況を定期的に集計・分析する。これにはスマートコントラクトやオフチェーンの分析ツールを利用することが考えられる。
  3. 目標の達成度評価:

    • ユーザーが宣言した愛貨の目標に対して、DAppsは達成度を評価する。これは先までに記載してきた、”愛記”での行動評価やレベル評価などに基づいて行われる。
  4. ユーザーインターフェースの提供:

    • DAppsはユーザーが簡単に自分の目標や達成状況を確認できるようなユーザーインターフェースを提供する。これにはウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションなどが含まれる。
  5. 透明性と証明:

    • ブロックチェーン上のスマートコントラクトを使用することで、ユーザーは目標達成や愛貨の付与に関するすべてのトランザクションを透明かつ信頼性のある形で確認できる。これにより、DAppsが提供するサービスに対する信頼感が向上する。

このような仕組みを導入することで、いわば目標管理制度としての愛貨が効果的に運用され、ユーザーは自身の目標達成の進捗をリアルタイムで把握し、それによって愛貨を確認できることとなる。

 

■Dapps側の愛記システム

以下は、上記を考慮したDapps側の愛記システムの簡易例である。

import time

# ダミーの分析ツールをシミュレート
class AnalysisTool:
    def analyze_data(self, data):
        # ダミーの分析を行う
        progress = len(data["achievements"]) / len(data["goals"]) * 100
        return f"進捗率: {progress}%"

class DApps:
    def __init__(self):
        self.database = DistributedDatabase()
        self.analysis_tool = AnalysisTool()

    def store_user_data(self, user_id, data):
        self.database.save_data(user_id, data)

    def retrieve_user_data(self, user_id):
        return self.database.get_data(user_id)

    def analyze_user_data(self, user_id):
        user_data = self.retrieve_user_data(user_id)
        analysis_result = self.analysis_tool.analyze_data(user_data)
        return analysis_result

# ダミーデータを生成してDAppsに保存
dapps = DApps()
user_data = {
    "goals": ["Goal 1", "Goal 2"],
    "achievements": {
        "Goal 1": True,
        "Goal 2": False
    },
    "history": ["Action 1", "Action 2"]
}
dapps.store_user_data("user1", user_data)

# 定期的にデータを分析して進捗状況を表示
while True:
    analysis_result = dapps.analyze_user_data("user1")
    print(analysis_result)
    time.sleep(10)  # 10秒ごとに分析
 

このプログラムでは、DAppsクラスにevaluate_goal_progressメソッドを追加して、ユーザーが宣言した愛貨の目標に対して達成度を評価している。定期的に達成度を評価し、結果を表示することで、ユーザーが宣言した目標の進捗状況をモニタリングすることができる。もちろん、これにいろんな分析機能を盛り込んでいくことになるのだが。

 

■Dapps側のSNS機能

ユーザーがメッセージを投稿し、他のユーザーとコミュニケーションを取る場合の例である。DApps側での開発を想定している。

class Post:
    def __init__(self, user_account, content):
        self.user_account = user_account
        self.content = content
        self.timestamp = str(datetime.now())

class SocialNetwork:
    def __init__(self):
        self.posts = []

    def add_post(self, post):
        self.posts.append(post)

    def get_posts(self):
        return self.posts

# ダミーユーザーアカウント
USER_ACCOUNTS = ["user1", "user2", "user3"]

# ダミーデータ
SAMPLE_POSTS = [
    "今日はいい天気ですね!",
    "新しいプロジェクトに取り組んでいます。",
    "おすすめの本を教えてください!"
]

def main():
    social_network = SocialNetwork()

    # ダミーデータを投稿
    for i, post_content in enumerate(SAMPLE_POSTS):
        post = Post(USER_ACCOUNTS[i % len(USER_ACCOUNTS)], post_content)
        social_network.add_post(post)

    # 投稿を取得して表示
    posts = social_network.get_posts()
    for post in posts:
        print(f"{post.user_account} ({post.timestamp}): {post.content}")

if __name__ == "__main__":
    main()
 

このプログラムでは、Postクラスが投稿を表し、SocialNetworkクラスがSNSの機能を提供する。ダミーユーザーアカウントとダミーデータを用意し、投稿を追加して取得する機能が実装されている。このコードをベースに、さらに機能を拡張していくことにはなるのだが。

 

 

通常、DAppsでは、ユーザーインターフェースやビジネスロジックなどのアプリケーションの主要部分はDApps側で実装される。ただし、ブロックチェーン上でのデータのやり取りや操作、特にセキュリティや信頼性の高い処理に関しては、ブロックチェーン上で処理されることが一般的であろう。具体的には、以下のような処理がブロックチェーン側で行われる。

  1. トランザクションの検証と承認:ブロックチェーンは、トランザクションの検証と承認を行い、信頼性の高いデータを保証する。
  2. スマートコントラクトの実行:ブロックチェーン上で動作するスマートコントラクトは、契約の条件に応じて自動的に実行される。
  3. データの保存と管理:ブロックチェーンは、データの永続性と透明性を提供し、改ざんを防ぐ。

一方、DApps側では、ユーザーインターフェースの実装やビジネスロジックの処理、データの表示や操作など、ブロックチェーン以外の部分を担当する。このように、ブロックチェーンとDAppsは連携して動作し、信頼性の高い分散型アプリケーションを実現していくのであろう。

 

さらに、当フェデレーションモデルでは、分散されたネットワーク内で複数の自治体や組織が協力してシステムを構築するため、信頼性やセキュリティを確保するためのプロトコルが重要であろう。独自の通信プロトコルを開発する場合、いくつかのステップが必要となる。

  1. プロトコルの設計: まず、通信プロトコルの設計を行う。これには、通信の仕組み、メッセージ形式、データの暗号化や認証方法などが含まれる。プロトコルの設計には、セキュリティ、効率性、拡張性などの要素を考慮する必要がある。

  2. プロトコルの実装: 設計したプロトコルを実際にコードとして実装する。これには、Dapps側のブラウザのJavaScriptコードと、スマートコントラクト側のコードの両方が含まれる。ブラウザ側の実装では、通信のためのAPIやライブラリを使用する。スマートコントラクト側では、Rustなどの言語を使用してプロトコルを実装する。

  3. テストと検証: 実装したプロトコルをテストし、動作を検証する。これには、単体テスト、統合テスト、セキュリティ検証などが含まれる。特にセキュリティ検証は重要であり、潜在的な脆弱性を見つけ、修正するための検証プロセスを含む。

  4. デプロイメントと運用: 実装したプロトコルを実際の環境にデプロイし、運用する。これには、ネットワーク上での展開やコントラクトの配置、サーバーのセットアップなどが含まれる。また、運用中の監視やメンテナンスも重要である。

次がフェデレーションモデルに基づいた独自の通信プロトコルの設計例である。このプロトコルは、ブロックチェーン上での愛貨や目標管理制度の実装に使用される想定である。以下は概念的なものであり、実際の実装にはさらなる詳細が必要ではあるが。

プロトコルの設計

  1. 通信仕様:

    • ブロックチェーンとDApps間の通信はHTTPSプロトコルを使用し、通信のセキュリティを確保する。
    • データの受け渡しはJSON形式を使用し、データの解釈を容易にする。
  2. メッセージ形式:

    • データの送信および受信には、JSON形式のメッセージを使用する。メッセージには、トランザクションデータやユーザーアクションなどが含まれる。
  3. データ暗号化:

    • データの暗号化には、RSAやAESなどの暗号化アルゴリズムを使用する。特に機密性が必要な情報には暗号化を適用する。
  4. 認証:

    • ユーザーアカウントの認証には、OAuthやJWTなどの認証プロトコルを使用する。

プロトコルの実装

  1. ブラウザ側の実装:

    • ブラウザ側では、JavaScriptを使用して、ブロックチェーン上のスマートコントラクトと通信するためのAPIを実装する。これにより、ユーザーインターフェースとブロックチェーンのやり取りを可能にする。
  2. スマートコントラクト側の実装:

    • スマートコントラクトは、Rustなどの言語を使用して実装される。スマートコントラクトは、ユーザーが行った行動や目標達成状況を記録し、ブロックチェーン上に永続化する役割を果たす。

テストと検証

  1. 単体テスト:

    • 各コンポーネントごとに単体テストを行い、機能の正常性を確認する。
  2. 統合テスト:

    • プロトコル全体の統合テストを行い、各コンポーネントが適切に連携して動作することを確認する。
  3. セキュリティ検証:

    • プロトコルのセキュリティを検証するため、脆弱性のテストやペネトレーションテストを行う。

デプロイメントと運用

  1. デプロイメント:

    • 実装したプロトコルをブロックチェーン上にデプロイし、運用を開始する。
  2. 運用:

    • 運用中は、プロトコルの監視やメンテナンスを定期的に行い、安定した運用を確保する。

 

このプロトコル設計は、ブロックチェーン上での愛貨や目標管理制度の実装に向けた基本的な考え方を示している。独自の通信プロトコルを開発する場合は、セキュリティやパフォーマンスなどの様々な側面を考慮する必要がある。以下はフェデレーションモデルに適したプロトコルの特性であろう。

  1. セキュリティとプライバシー保護: ユーザーのデータや取引情報を暗号化し、プライバシーを保護することが重要である。プロトコルは、データの安全な転送と保存を保証する暗号化技術やプライバシー保護のメカニズムを提供する必要がある。

  2. 分散型のアーキテクチャ: フェデレーションモデルでは、複数の自治体や組織がネットワークを構築し、管理するため、分散型のアーキテクチャが重要である。プロトコルは、分散型台帳技術や分散型識別システムなどを活用して、ネットワークの信頼性と透明性を確保する必要がある。

  3. インターオペラビリティ: フェデレーションモデルでは、異なる自治体や組織が異なるシステムやプラットフォームを使用することがある。プロトコルは、これらの異なるシステム間でのデータやトランザクションの相互運用性を確保するための仕組みを提供する必要がある。

  4. 拡張性とパフォーマンス: フェデレーションモデルでは、ネットワークが成長し、大量のトランザクションやデータを処理する必要がある。プロトコルは、拡張性とパフォーマンスを確保するためのスケーラビリティ機能を提供する必要がある。

これらの特性を考慮して、フェデレーションモデル向けのプロトコルを開発する場合は、分散型台帳技術や暗号化技術、インターオペラビリティプロトコルなどを組み合わせて使用することが推奨される。開発の際には、セキュリティ、分散型アーキテクチャ、インターオペラビリティ、拡張性などの要件を十分に考慮し、適切なプロトコルを選択することが重要であろう。プロトコルの実装例として、Pythonを使用してブロックチェーン上での愛貨や目標管理制度を実装する簡単なコードを示す。

from datetime import datetime
from hashlib import sha256
import json
import random
import requests

# ブロックチェーンのシミュレーション
blockchain = []

# ユーザーの行動データをブロックチェーンに追加する関数
def add_transaction_to_blockchain(transaction):
    blockchain.append(transaction)

# ユーザーの行動データを収集する関数
def collect_user_data(user_id):
    # 仮の行動データを収集する
    action_data = {
        "user_id": user_id,
        "action": "exercise",
        "timestamp": str(datetime.now()),
        "level": random.randint(1, 10)
    }
    return action_data

# ブロックチェーンにデータを送信する関数
def send_data_to_blockchain(data):
    url = "https://example.com/blockchain/add_transaction"
    response = requests.post(url, json=data)
    if response.status_code == 200:
        return True
    else:
        return False

# メイン処理
if __name__ == "__main__":
    user_id = "user123"
    action_data = collect_user_data(user_id)
    add_transaction_to_blockchain(action_data)

    # ブロックチェーンにデータを送信
    success = send_data_to_blockchain(action_data)
    if success:
        print("Data sent to blockchain successfully.")
    else:
        print("Failed to send data to blockchain.")
 

この例では、create_block関数でブロックを生成し、add_block_to_blockchain関数でブロックチェーンに追加している。また、collect_user_data関数でユーザーの行動データを収集し、send_data_to_blockchain関数でそのデータをブロックチェーンに送信している。このコードは概念的なものであり、実際の環境で使用する際には適切なセキュリティ対策やエラーハンドリングなどを追加する必要がある。

 

 

いかがであろうか、このような仕組みで、愛貨をトークンとしたブロックチェーンSNSがDAPPSとの連携により広がっていくのだろう。DAppsが提供するサービスはいろんなサービスが考えられるので、どんどん広がっていくだろう。