”愛記”の概念設計をやり直す:行動が先である | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

今一度、"愛記"について記載を開始したい。どのように実装していけばよいのか、概念的なところからアプローチ方法を記載していく。

 

先に、”愛貨”を地域通貨とした場合、各生命体(個人、グループ、会社など)は、市町村に自己申告することになる。例えば、神戸市に在住しているAさんは、地域の婦人会グループにも属しており、○○株式会社にも属しているとする。すると、Aさんという個人で3万愛貨を申告し、婦人会グループが申告した愛貨の内で右足の役割として5千愛貨を担うことになり、○○株式会社が申告した愛貨の内で右手の役割として5万愛貨を担うことになった。これらの”愛貨”を減らすべく、第1次元:個人としても愛の行動をし、第2次元:婦人会グループとしても愛の行動をし、第3次元:○○株式会社としても愛の行動をしていくことになると記載した。

 

多次元での視野をもって、多次元へアプローチしていくのだ。これらの”愛貨”の1つ1つのやりとりは、すべて市町村のパブリックチェーンSNSにて記録される。そうして、市町村からの評価をもらうことになる。このような愛の行動を評価する仕組みが今までは世の中になかった。しかし、徐々に誕生しつつあるのも事実だ。近しい例としては、石川県加賀市のブロックチェーン都市構想であろう。こちらを参照ねがう

加賀市が踏み出した第一歩は、個人にアイデンティティを持たせること

概念図

そんな未来を実現するために、加賀市がまず取り組んだのは、個人にデジタルのアイデンティティを持たせること。初年度となる2019年度は、KYC(Know Your Customer)認証基盤を、ブロックチェーン技術を用いて構築した。平行して地域に親和性の高いアプリケーションを乗せることを進めている。アプリケーションをすべて自分たちで揃えるのは難しいし、よりオープンにしていく取組みであるべきだと思っているので、加賀市にやって来た企業と共にアプリケーションを考えていきたいと言う。このようなオープンで自律的な仕組みは3年くらいで軌道にのせる予定だと。自律可能な社会システムとして機能するには、10年くらいかかると見立てている。

経済合理性のないものの価値を可視化できる

人口減少や介護問題、環境汚染に到るまで、地域課題を解決するには市民が自ら動かなければならない。何より、続けられるような仕組みが必要。ブロックチェーンは、その持続性を担保する。「この野菜は有機である」「あの人は月に1回ボランティアをしている」のような、経済合理性がないけれど本来評価されるべき行動を記録できる。課題は、集まった記録をどのように活かしていくかだ。技術者と、それをソリューションとして提供していこうという気概のある人が足りていないのだという。

”愛記”の評価制度について

そのソリューションに当方の”愛記”が該当するのかもしれない。いや、地域通貨の概念の1つのソリューションで終わるような話では無く世界経済を激変する仕組みかもしれない。未来はわからないが、”愛記”は生命体の魂レベルでのやりとりを記録するという壮大な仕組みであることには違いない。では、”愛記”の評価制度についてを詳しく記載していきたい。

・P/L,B/Sの月次決算評価

・各次元への貢献度

この2つが主な評価項目となる。2つとはいえ、この2つの詳細はかなり複雑なものではあるのだが。なお、地域通貨として考えていくため、今はティール組織化への話は考えない。しっかりと”愛記システム”の基礎を作り上げたところから、地域という生命体がティール組織化を目指していけば良いのだから。

・P/L,B/Sの月次決算評価

まずは、ここが肝になる議論なのだが、ニーズが先か、行動が先か、という話だ。ティール組織化での話の際には、行動が先と記載した。行動を自ら起こすことで、その行動に追随して”いいね!”を押して賛同し仲間に加わり、さらに仲間が集まり、プロジェクトにまで発展する。このような自ら行動を率先して起こすことを”ゆらぎ”と呼んでいた。これはティール組織化での場合の話だ。これが人事評価制度に組み込まれ、率先行動が評価されていくという仕組みであった。

 

一方、他の地域通貨の場合を見てみると、ニーズが先になってしまっている。目的が、地域の人々がよりよい暮らしを送ってもらえることだからだ。地域通貨のような非営利目的の場合、最優先は公平性だ!公平性を担保できなければ、地域通貨として成立し得ない。よって、他の地域通貨の場合、勝手に行動されてポイントを獲得されても困るから、ニーズが先ということにせざるを得ないという発想なのであろう。例えば、下記のようなモノだ。以下、こちらより抜粋

こうすると、市町村のボランティア活動を協力してください!というようなニーズが大半を占めて、結局は参加者もままならず、尻すぼみで終わってしまうのかもしれない。

 

なぜ、このようなことになってしまうのかというと、繰り返しだが、地域通貨を”愛のポイント”のような”お金”に交換できるような仕組みで運用しているからだ。仮に”お金”に交換できなかったとしても、”ポイント”として貯まればサービスと交換できるような仕組みにしているのであろう。結局は、

・”お金”→ 受信→ 貰うこと・貯めること

・”愛貨”→ 発信→ 与えること・行動すること

この法則が理解出来ないと、皆おなじような失敗を繰り返すのである。他のすべてとは言わないまでも99%の地域通貨は、このような”お金”に変わる”ポイント”なるもので運用しているので、結局は貰うこと・貯めることを主に設計しているのだ。

 

他方で、当方が提唱する”愛貨”は、行動が先なのだ。行動を自ら起こすことで、その行動に追随して”いいね!”を押して賛同し仲間に加わり、さらに仲間が集まり、プロジェクトにまで発展する。このような自ら行動を率先して起こすことを”ゆらぎ”と呼んでいた。これはティール組織化での場合の話だが、地域での活動にも当てはまるということだ。地域に自律分散組織が誕生したら困るか?勝手に行動されれば市町村は困るのか?そうではないだろう、むしろ、勝手に行動して貰えればありがたい!ということだろう。

 

上図にあるような「こども食堂」でも、やりたい!という人が発起し、そこに賛同者が集まり、無農薬野菜を提供してくれたり、楽器演奏を定期的に来てもらえることになったり、青空学校が開校されたり、保母さんが集まったり、などなどの自律分散組織としてプロジェクト化していくことも実際に全国で起こっているのだ。重要なのは、ニーズありきではない!ということだ。行動が先なのだ。行動させてくれる!行動をしてもいい!という環境こそが、自由に発案し、自由に意見し、自由に企画し、自由に組織化していくのだから。

 

この”自由に”というのがハードルが高いのであろう。そう、ピラミッド型の指揮命令であれば、”自由に”行動されたら管理できないからやめて!と行動を拒むのだ。経営者や管理者が指揮命令するからその通りに行動して!と要求しだすのだ。こうなると、途端に”労働”に変わってしまい、そんなこと言うなら”お金”くれないとやりません!となってしまい、ボランティア活動は成立しなくなり、せっかく集まった仲間は離散していくのだろう。これが失敗の原因なのだ。日本全国の失敗例の99%がこれが原因なのかもしれない。

 

だからこそ、当方が提唱する”愛貨”は、公平性を担保するためにも、”パブリックチェーンSNS”でなければならないと考えている。続きは、次回記載したい。