自己組織化とは?④ | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先に自己組織化により、シグナルの濃度や

性質によって、細胞は2層構造になったり、

3層構造になったり、非対称3層構造などの

構造になったりすると記載した。

 

このように、細胞と細胞が接着し、シグナル

を発生させ、また細胞どおしが組織化して

いき、やがては整列した大きな纏まりになる。

つまり、自己組織化していく現象を記載した。

 

では、ほかにどんな例があるのだろうか。

いくつかの例をみてみたい。

 

雪の結晶

以下、こちらより抜粋

『雪の結晶は、なぜ、あのように六角形を基本

とする美しい“華”になるのであろうか。磁鉄鉱

や水晶などの鉱物結晶は、なぜ、あのように

神秘的ともいえる幾何学的に美しい形に成長

するのだろうか。

雪の結晶の成長過程において、一個一個の水

分子がきちんと付着すべき位置に付着しない限り、

全体としての秩序(正六角形、ほぼ同じ長さの六本

の“ツノ”)は保てないのである。一個一個の分子間

にはなんら区別はないのであるが、それらはそれ

ぞれ個別のおさまるべき位置におさまった結果が

美しい六角対称性(正六角形)を持った雪華なので

ある。それはまるで、一個一個の分子が雪の結晶

(雪華)全体の形を把握しているかのようである。

つまり、既存の結晶に近づいてくる分子が順に

“正しい位置”に着くための、全体秩序に関する

情報が各分子に伝わっているのではないかと思

わざるを得ないのである。あるいは、一個一個の

分子が全治秩序を保つために、“正しい位置”に

着く“意志”を持っているということであろうか。

雪の結晶は“最初”から六角板状に生長するの

であろうか。実は、数々の雪の結晶の成長過程

を顕微鏡下で観察した権田武彦によれば、そう

ではないのである。雪の生長過程は大別すると

二種類ある。

 

まず、天然の雪のように、なんらかの異物(空中

の塵埃のようなもの)を“核”に水蒸気が付着して

昇華生長する場合、誕生直後の形は、その核物

質の形に依存して無定形である。

一方、水蒸気自体が直接凝結し、それを核として

生長する場合、誕生直後の形は球形である。

いずれの場合も、雪結晶の初期の形は六角形で

はない。“球形”も特別の晶癖を持たない形である

ことに注目すれば、“無定形”といってもよいだろう。

つまり、雪結晶の誕生直後の形は“無定形”であり、

それが成長過程のある段階から美しい六角形の

“晶癖”を呈するようになるわけである。

 

ここで便宜的に無定形の段階を“ミクロ段階”、晶癖

を呈する段階を“マクロ段階”と呼ぶことにしよう。

以下、この段階は雪結晶のみならず、すべての結晶

に対して適用できる概念である。ミクロ世界の粒子

(結晶の“原料”である原子、分子も“ミクロ世界の

粒子”である)の挙動は、・・・、その存在位置は確率

的にしかわからない。つまり、これから結晶を形成

しようとするミクロ粒子の動きは無秩序である。

したがって、そのようなミクロ粒子の“集合”によって

誕生する結晶のミクロ段階の形が無定形になるの

は理解しがたいことでも不思議なことでもなく、むし

ろ当然であろう。不思議なのは、無秩序なミクロ粒子

が、いつからかわからないが、事実としてミクロ段階

の無定形からマクロ段階の美しい晶癖を呈すべく

整然と秩序正しく配列することである。いつ、どこで

そしてどのようにミクロ世界の“無秩序性”が終わり、

マクロ世界の“秩序性”が現れるのであろうか。

 

地球上の自然界あるいは人間界の営みから全宇宙

に至るまで、すべての“活動”にはエネルギーが必要

であり、そのエネルギーが移動する時に限って

“仕事(活動)”が為されるのである。そのエネルギー

にはさまざまな形態のものがあるが、いずれの場合

も、エネルギーは移動するたびに、その“価値”

(具体的には“利用価値”)が減る、という熱力学上

の大法則が存在する。

これは“エントロピー(乱雑さ、無秩序さ)”という熱力

学用語を使って「エントロピー増大の法則」と呼ばれ、

宇宙全体のエントロピーは常に増大の方向に向か

っているという。つまり、全体の宇宙の秩序性は常

に失われ、無秩序が増大している、というのである。

しかし、どう考えても、無秩序状態から秩序状態が

形成されるとしか思えない自然界の現象がある。

上図は、こちらより抜粋

 

いま述べた結晶の生長がまさにそれであった。

また、生命体、生物の生長もまさしくそれである。

生物の基本構成単位は、いうまでもなく細胞で

あり、それを形成するのは何度も述べたミクロ

粒子の原子、分子である。生命体(生物)の生長

過程は、結晶生長の場合と同様に、無秩序状態

にある原子、分子が“自発的に”高度の秩序状態

(その程度は無機物質の結晶の比ではない)を

形成してゆく過程である。このような現象を、結晶

生長の場合も含めて、自己組織化と呼ぶ。

 

自己組織化は、自然界の大法則である「エントロ

ピー増大の法則」に反しているのだろうか。実は、

熱力学の「エントロピー増大の法則」は、外部との

エネルギーや物質のやり取りがない、系を構成

する諸要素が互いに影響を及ぼし合わない、また

相互作用しない、“閉じた系”にのみ適用される

ものなのである。無秩序と 混沌の中から、「自己組

化」の過程を通して、秩序と組織が“自発的に”

生じてくることは実際に可能であるし、「生物は自然

の秩序から遠く離れて、実際に起こった自己組織

化過程の最高の形態」なのである。』

 

 

これらを理解するには、

◾「自己組織化」には平衡系で生じる場合と非平衡

系で生じる場合がある。

◾非平衡系である生命はエントロピー増大の法則

に従う必要は無い。

◾脂質二分子膜のような要素が互いに相互作用し

あう平衡系では、要素間の力(内部エネルギー)と

エントロピーの兼ね合いで系の状態が決まる。

これは温度に強く依存する。温度が高いとエントロ

ピーが勝ってランダム方向へ、温度が低いと内部

エネルギーが勝って秩序の方向へ向かう。

◾「相転移」は、たとえ個々の相互作用は弱くても

要素が集まると大きな力になることを意味しており、

「協同現象」の典型例でもある。

◾協同現象とは、「非線形」のもたらす現象に他な

らない。

 

これの知識も習得していかねばならない。

もう少し、いろんな例をみながら、分析していかね

ばならないのであろう。

 

いずれにしても、自己組織化の現象は、DNAが

すべての原子、分子、細胞、臓器、という単位で

正確に位置を記憶しており、配列するわけでは

ないということだ。すべての原子を位置決めする

など、DNAの膨大なデータであっても難しい。

そこで、熱力学エネルギー、相性、分子間力、

などの要素を多分に用いて、形を形成していく

のである。

 

では、さらに謎なのが、単純な細胞の配列だけ

なのに、どうして”生命”がそこに宿るのだろう?

ということだ。ここがまた難しい。

”生命”とはなんなのか?どの段階で”生命”が

発現するのか?

ということが、とても未知であり、興味深い。

組織論でも同じことが興味の対象であり、組織

が最適化するように配置換えはできるが、そこ

に”生命”を宿すにはどうすればいいのか?

なにをどうすれば、”生命”が宿るのか?

このあたりも、じっくり深堀していきたい!