まさにタイトル通り
めちゃくちゃ勉強になる内容でした!
2019年のベスト読書候補…だな(笑)
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響いた内容…
・政治力のないリーダーは、どんなに能力があろうと、資金があろうと、正統な後継者であろうと、人々を動かすことはできない。
・外交・安全保障は、「気分」ではだめなのである。腹が立った、不愉快だ、といって断交したり攻撃するのは、自滅の可能性を高める。
・竹下登の言葉「汗は自分でかきましょう。手柄は人にあげましょう」…目配り・気配り・金配りというのは、古今東西を問わず、人の心をつかむ原理なのかもしれない。
・政治力は、自分の考えを実現する力である。政治力が大きい人は、今、人々が何を欲しているのかということに敏感である。なぜなら、政治力は人々の力を結集して一つの方向に向かわせる力であるからだ。
・勢力の分類…社会的勢力と集団組織の心理(斉藤勇編)
①報酬勢力…AはBに対して報酬を与える力を持っている、とBが考える。
②強制勢力…AはBに対して、罰を与える力を持っている、とBが考える。
③正当勢力…AはBの行動を決める正当な権利を持っている、とBが考える。
④準拠勢力…BがAに対して魅力を感じ、Aと一体でありたい、と考える。
⑤専門勢力…Aは特定分野で、専門的な知識や技術を持っている、とBが考える。
⑥情報勢力…Aの知識や情報の伝達が、集団の外にいるBに影響を及ぼす。
①〜⑥で関ヶ原の戦いを考える、徳川家康か、石田三成か。
・勝敗の鍵を握る地域や要素のことを「重心」と表現する。敵軍の中核なのか、敵の首都なのか、地域なのか、敵の国内にある党派なのか。どこかに必ず「重心」が存在し、これを攻撃して勝利を確実な端緒にせよ、とクラウゼウィッツは言う。関ヶ原合戦に置き換えれば、関ヶ原本戦そのものである。徳川家康と石田三成がそこにいたから。
・政治工作は通常、幾通りもの複線をなしているもの。単純に潰す、とか、融和する、とか、そんな政治は少ない。
・大本営参謀の情報戦記より
「情報は二線、三線と異なった複数の視点の線の交差点を求めないと危険なことになる」
「情報はまず疑ってかからねば駄目である。疑えばそれなりに真偽を見分ける篩を使うようになる」
・豊臣家が滅びた、その失敗…
①関ヶ原合戦後、大坂で戦わなかったこと
②徳川政権内の権力闘争を利用できなかったこと
③二条城会見後、徳川への完全服従ができなかったこと
④諸大名の伺候などを受け、根拠なき期待を抱いたこと
⑤夏の陣再戦前の、無条件降伏ができなかったこと
・英雄たちの臨終カルテ(大坪雄三)