21.横になっているだけで眠りの効果はあるのか
たとえ全く眠れなくとも、横になっているだけで「7~8割の効果がある」という議論はよく聞く。
ところでこの「7~8割」とは何を10としてだろうか? そもそも眠りの質だか量だか知らないが何か定量的に計測可能なものはあるのだろうか。
「横になってじっとしているだけで7~8割の効果」という人はいるが、研究データなどは一切ない。何を10としているのかをあえて敷衍するならば、翌日全く問題なく快活に行動することができる睡眠(たとえば7時間睡眠)に対して7~8割の効果があるということとすれば、4~5時間ぐっすり眠れたのと同じ効果が「ただ横たわっているだけで一睡もしなくとも」あるということになる。
他人のことはわからないが、少なくとも私においては全く当てはまらない。一睡もしなかった翌日というのは、身体は非常に重く、とても4~5時間意識を失って眠った日と同等の快適さは全く感じられない(1割にも満たない)。精神的にも妙に不安定であり、この点においても4~5時間睡眠をした日には遠く及ばない。
それでは違う観点として、「生命体としての寿命に影響しないレベルの睡眠効果を10」として、その7~8割というのではどうか。そんなものが計測可能とは思えないが1つの仮説として。
寿命にはほとんど影響しないだろうというのは、確かにそうかもしれない。寿命に影響するか否かを強く気にする人には、なるほどこの説はなかなかに魅力的であろう。
ただ、私などはそういうことよりも、「明日の仕事」がこなせるかの方がはるかに大事なのであり、現実的に翌日は辛く、社会活動をする人間としての活動レベルでは1割にも満たないというのであれば、「7~8割の効果がある」と言われても、その恩恵は感じられない。
この「7~8割の効果がある」説は、不眠に悩む人に一定の「安心」を与えるという意味で、無碍に排除すべきものではないとは思っているが、現実の社会生活においてはあまり役に立たないなというのが私の考えである。