未破裂脳動脈瘤という病態がある。

これは主に、脳ドックなどで偶然に発見されるもので、晴天の霹靂のように、それまで悩みなく生きてきた人に苦悩としてのしかかっていくる。

 

未破裂という文字どおり、今時点では破裂していないから無症状であるし、一生破裂しない可能性も十分にある。

しかし一たび破裂したら、くも膜下出血という、およそ世の中に存在する病気の中でも予後の悪さではトップクラスの病気を引き起こし、3分の2くらいの人は命を落とすすか社会生活に大ハンデを負ってしまうような事態となる。

 

これが不幸にも発見されてしまった人は、次に経過観察をするか手術対応するかという選択肢に悩まされることとなる。

通常の病気と異なり、現状が無症状であるにもかかわらず、例えば開頭手術をするとなれば、大きな侵襲を伴う手術を余儀なくされるばかりか、術後もQOLを下げるような後遺症リスクを負うこととなる。

開頭手術以外には、カテーテル手術というものがあり、これは体表には一切の傷をつけずに、血管の中からアプローチして内部から瘤を埋めてしまい破裂リスクを低下させるもの。後者の方が遙かに侵襲は小さいが、瘤の形状によっては抗血小板凝固薬を長期に渡り服用する必要が生じ、さまざまな生活上の制約が生じる。

 

この未破裂脳動脈瘤について対応戦略を考えてみたい。

 

なお、元も子もないのだが最初に私の根本思想を開陳するとすれば、「脳ドックは受けない」である。真向からの医療否定となってしまうが、私は自分の家族にはそうアドバイスしている。もちろん実は脳の中で未破裂脳動脈瘤が存在していて将来これにより命を落とすリスクはある。しかしそれでもなお、この扱いに極めて困る病態を見つけてしまうことは人生にとってプラスマイナスでプラスではないのではないかというのが私の現時点の結論である。

 

ただ、次回以降のブログでは、「不幸にも」既に発見されてしまった場合の対応戦略を考えたい。見つかってしまったならば私とて放置すればよいという単純な結論とはならない。