ベンゾを飲んでいる状況からの戦略

 

ベンゾ(非ベンゾ)、いわゆるGABA受容体作動薬を服用している人は、不眠云々よりもまずは、この薬を止めることが「人生の最大目標」となる。

 

ベンゾを服用している人でも大きくは、①ベンゾを飲めばスムーズに眠れる、②ベンゾを飲んでもスムーズに眠れない、で次の一手は異なってくる。

 

①については、身体のGABA生成機能がある程度保たれていることが期待されるので、数的に設例するならば、身体のGABA生成機能5、ベンゾによる上乗せ3、オレキシン7といった具合で、GABA8-オレキシン7で眠れていると想定できる。

 

ベンゾを抜くと上乗せの3がなくなるので、GABA5-オレキシン7となり眠れなくなる。しかし、このままベンゾを飲み続けると、身体のGABA生成機能が5から4、4から3へと衰減していくことが強く懸念されるので早急に手を打ちたいところだ。

 

戦略としては、「ベンゾをやめてデエビゴを飲むこと」である。これで上の設例でいえば、身体のGABA生成機能5-オレキシン7→"4"で眠れるようにしたい。

最近は、まともな入院施設では、入院患者にこれまで処方していたマイスリーやルネスタのようなベンゾから、デエビゴへ切り替えることを一斉に行っているところも多く、かなりの割合で成功していることから、成功事例の多い戦略である。

 

①の状況の人は、確かにベンゾを抜いた時に一定の離脱症状(不安感、筋肉硬直等)が起きる可能性はあるものの、「ベンゾの最大の離脱症状である"不眠"」がデエビゴによってカバーされるのであれば、即時に切り替える意義は大きいと思う。

 

「眠れる」ということは、他のすべての離脱症状をある程度容認し得るほどの大きなベネフィットである。この場合は、デエビゴ5mgではなく10mgでトライするのがよいだろう。

身体のGABA生成機能が一定保たれている人は、人体のホメオスターシスにより、生成機能が回復に向かうのも早期に行われることが期待される。0から1の回復よりは、3や4から5,6,7への回復の方が遙かにハードルは低い。

 

なお、ベンゾからの離脱にデエビゴではなく森田療法で対応というのは、気合と根性の世界となる。私はかつてそれしかなかったのでそれを実施したが、生き地獄のような日々となる。お薦めはしない。