こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。
NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。
それはとあるTVシリーズのBG仕事だったが、時代物だというので事前に衣装合わせが必要だった…とはいえ、設定年代は1990年代?!…90年代なんて、私に取ってはごく最近の事だと思っていたのに、既に時代物扱い?!…というのに、思わず眩暈がする…まぁ、30年前だし、スマホやSNSの前の時代…となれば、やはり「昔の話」という事になるのだろう…
そこでブルックリンのスタジオまで行ったが、その途中に住宅街を通る…
すると玄関先には、お洒落なハロウィンの飾り付け…
もうそういう季節になったなぁ…と思いながら、通りがかりにふと見ると、その入り口手前のレールにこんな張り紙…
If you Steal my PUMPKINS I will put a Spell on you
(もし私のカボチャを盗んだら、あんたに呪いをかけるからね)
他人の玄関先の飾り物を盗んでいくような奴は、呪われて当然だろう…この張り紙の効き目がありますように…
そのプロダクションの衣装部には、少し早めに着いた…実はその日の夕方にスクリーニングの予定が入っており、できればそれに間に合うように早めに済ませたかったのだが、ここではアポの時間まで待てと言う…まぁ、時にはアポを無視して好きな時間に来る奴もいるから、それは仕方がないのかもしれないのだが…
それでも、その後の予定には、何とちゃんと間に合った!…その時に見たのが、先日お話ししたこの映画である…(過去記事参照)
今回の私の役柄は「Old Money」と呼ばれるコンサバな上流階級の人々…そこでまず持ってこられたのが、黒の膝丈タイトスカートにシャネルっぽいジャケット、そして前リボンの白いブラウス…そしてそこに黒のパンストを穿けという?!…パンストなんて穿くのは久しぶりだったが、これが穿き心地最悪…しかも、スカートはかろうじてジッパーは上がったが、生地は伸縮性ゼロで、しかも薄くて身体の線が透けて見える?!…なのにワードローブさんは「いいじゃない」とそのまま通そうとするので、「これはキツすぎて座ると破れそうです!」と必死に訴えると、別のスカートに変えてくれた…やはり黒のタイトな膝丈スカートだったが、こっちは生地もやや厚く、伸縮性があったので少しマシだったが、膝丈タイトスカートというのは座る時に苦労するし、パンストはしんどいから嫌やなぁ…と内心ちょっと複雑な心境だった…が、とりあえず、それがオプション1となる…
その時、別の人が「これは?」と持って来てくれたのが、金色のアンサンブル?!…どうやら、これはワードローブさん達の間ではお気に入りだった様だが、何となくどの人にも合わず、そのまま残っていた…という代物だったらしい…わ~っ、金色?!…と私もその時は引いたが、「着てみる?」と言われたので、まぁ、時間もあるので試着してみる…
ラッキーにもこれは薄手のパンツスーツで、さらに私のサイズにドンピシャ…シルク地で軽くて暖かく、着心地も悪くない…むしろ、パンスト&タイトスカートよりよほど楽ではないか…
最初は下にブラウスを着てスーツとして着たが、その時「ブラウスはやめて、直に着た方がいい!」という事になる…そして襟ぐりが結構深いので、その金色のアンサンブルに「クレオパトラかい?!」というような大き目のゴールドのネックレスをジャラッと合わせ、さらに足には金の大きなバックルのついた黒のハイヒール…と全身キンキラキン?!
さすがにこれはやりすぎちゃう?!…と思ったが、ワードローブの人達は「すごくいい!」と、何と大喜び?!…どうやらこの衣装、よっぽどどこかで使いたかったらしい…そしてそれはそのままオプション2となる?!
もう何とでもしてくれ…と半ばヤケクソで写真を撮り、ふと脇の鏡を見ると、何と我ながら結構似合っているではないか?!…こんな全身キンキラキンが似合ってしまうとは、恐るべし関西DNA…もっとも、正直のところこれは意外だった…というのも、若い頃から私はアクセサリーもゴールドよりシルバーの方が好きで、その方が自分にも似合っていると思っていたのだ…しかしどうやら歳を取るにつれ、それも変わって来たのか?!
とはいえ、BGはあまり目立ってはいけないはずだから、この全身金色はやっぱりあかんやろう?!…多分、コンサバ路線のオプション1の方になるんちゃうかな…というのが、私の予想だった…
それでも、こういう普段なら絶対自分では着ないような服装が試せるのもこの仕事ならでは…これからは自分で買い物する時にも、ゴールド路線も視野に入れてみようかな…とふと思ったりもした…
そして撮影当日、私の名の付いた衣装袋に入っていたのは、キンキラキンの金のアンサンブルの方だった…
★過去記事★



