こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

これも少し前に遡るが、ある時マネージャーからセルフテープのリクエストがきた…低予算のショートフィルムで、日本語を話す日本人役、しかし役柄の年齢は明らかに私より高い…それだけに探すのに苦労して、私にもオーディションの機会が回ってきたのだろうが、実はその頃私は異様に忙しかった…なので最初はスケジュールを理由に断ろうか…と思った…しかしアクティングのオーディションは、なるべくなら受けたい…という思いもあった…それに締め切りまでの日数にも数日余裕がある

さらに、その時実はかなりストレスの溜まる状況にいたので、そこから逃避したい…という思いもあったかもしれない…実は「気の迷い」でいきなりBG仕事を入れてしまったのもこの頃である…(過去記事参照)

 

そこで相手役を頼む夫とスケジュールが合う日が1日あったので、その日を「オーディション撮影日」と決定し、隙間時間を見つけて準備に励む…つもりだったが、実はようやくそれに向きあう時間が持てたのは、何とBG仕事の待ち時間だった…(過去記事参照)

 

さて、その撮影予定日…その日は何と95度の猛暑?!…そこで、なるべく早い時間に始める事にし、セットアップを済ませる…そしてノイズ対策の為に、窓を閉める…と、さすがに静かにはなったが、今度は部屋の温度がぐんと上昇する?!

これは私はともかく、暑さに弱い夫にはかなり負担になるかもしれない…しかも今回はSides(オーディションの課題)は4つもある?!…しかしありがたい事に、対話になっているのはその半分で、後半分は私一人…というわけで、まず夫に相手役を読んでもらわねばならないシーン2から始める…前に、スレート(自己紹介)を取り、それで明かりの状態を調節して、いよいよ撮影に…

 

実はこのSidesは2種類あって、それがさらに英語のバージョンと日本語のバージョンで、それぞれ撮れ…という?!だから合計4つになるわけである…

そこでまず大変そうな英語バージョンからやる…が、これは意外とすんなりいった…というか、そんなに複雑なシーンでもなかったし、後が大変なので3テイクまでという制限を設けたから…というのもあったかもしれない…

 

次に日本語バージョンで、これは私にとっては母国語なので楽勝…と思ったのだが、実はこちらの方が結構難航してしまった…というのも、それは博多弁でなければならなかったからだ…私は九州出身ではないのでもちろん「フェイク博多弁」である…後からそういえば博多出身の友人が2人もいたことを思い出したのだが、はっきり言って、今は連絡をとって発音(?)を教えてもらう時間もなかったので、そのフェイクのままでいく…どのみち年齢だって合ってないのだ…

また、相手役の夫は日本語は喋れないので、奴は英語のまま…それに私は日本語、しかもフェイク博多弁で答える…という間抜けなものである…しかも、自分の知らない言葉というのは、本当に覚え難く、これは日本語でもそうなんやなぁ…と実感…そうやって難航しているせいもあったし、何よりも窓を閉め切った部屋の温度がどんどん上昇し、汗が吹き出してくる

それでもようやく「まぁ、これならいいか…」というのができたので、夫を先にWrapし、私はそのまま一人で続行…汗をダラダラかきながら、ともかくその2つ目のシーンのそれぞれのバージョンを撮り終えた

 

そしてそれらを指定の形式に編集する…のだが、その撮った映像をコンピュータの画面で見て、ひっくり返りそうになった

実はその日の衣装には、猛暑であったにも関わらず、シルク地の柄物ブラウスを着ていたのだが、その胸から上が汗染みですっかり色が変わってる?!…柄に紛れて、スマホの小さい画面では気がつかなかったのだが、コンピュータの画面だとはっきりわかる?!

 

しかしもう撮り直す気力も時間もなかった…この日暑かったのはわかっているだろうから、もうこれで勘弁してくれ~!

おまけに、それをアップロードする段階になって、このキャスティングはコールバックの日を指定しているのに気がついたが、そのコールバックの日も確か私は別な仕事が入っている?!

いっそ、もう棄権しようか…と思ったが、このクソ暑い中をせっかくやったのだから…という貧乏性でそのまま送ってしまった…

 

これでもし受かっていたら、それこそフィクションだが、現実はそんなに甘くはない…そこからは今のところ何も聞いていないから、多分落ちたと思うのだが、これからも夏場のセルフテープは汗染みとの闘いになりそうである…

 

 

★過去記事★